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マーベル作品に全てを捧げた先輩とジブリ映画を観る ①耳をすませば

17期の徳永と申します。私には遠藤さんという先輩がいます。

その人は、勉強とお笑い以外の時間を全てマーベルに捧げています。

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品に限らず、遠藤さんはP-RITTSでも一番と言えるほど様々な映画を愛しています。

ですが、ある日遠藤さんはこんな言葉をこぼしていました。

「ジブリ俺観たことねえんだよな……」

家にいる時はいつもマーベル映画を流し続けている遠藤さんですが、なんとジブリ映画は見たことがないというのです。

確かに、実はジブリ観たことないというのも映画好きあるあるの一つではあります。でも、そこで私は思いました。

「これだけマーベル作品に全てを捧げてきた人が今からジブリ映画を観始めたら、なんかいい感じの変化がみられるんじゃないの?」

本シリーズ(全5回)は、マーベル作品に全てを捧げた先輩・遠藤さんがジブリ映画で新たな世界を広げていく様子を記録するブログドキュメンタリーです。

まずはマーベルとの出会いを聞く

徳永 遠藤さんって元々映画に興味があってアベンジャーズとかにハマっていったのか、マーベル作品をきっかけに他の色んな映画を観るようになったのか、どっちなんですか?

遠藤 それでいうと元々親が結構映画好きだったんだよね。休日とかは家族みんなで映画を観ることも多かった。高校に入って友達にマーベル勧められて、そこからどっぷりハマって……という感じ。大学生になってからはサブスクとか、映画館にも頻繁に行けるようになってたくさん観ているかな。

徳永 いいですね。じゃあ遠藤さんが「映画いいな」ってなった原体験的な映画ってなんかありますか?

遠藤 あー……えっとね、一番最初にそう思ったのは小さい頃に観た『ロボッツ』(2005)だね。

ロボットの映画で、今見るとレビューサイトの評価もそんな高くないんだけど(笑)でもそれを異様に観てたな当時は。家族の旅行とかおばあちゃん家に行くときもずっと車の中で『ロボッツ』観てるみたいな。こんだけ観てても楽しいってエグくないかと。中一とかでも観てたから。だから『ロボッツ』は結構覚えてる映画かな。

徳永 『アイアンマン』(2008)とかもメカニックがすごいじゃないですか。そういうところで『ロボッツ』がつながったりしてるんですかね。

遠藤 そう……かもね。今勉強しているのも機械工学でロボット系だから。俺もどこかでそういうのに影響されてたの……かも。

徳永 すいません。ちょっと強引につなげちゃいましたけど……(笑)じゃあ高校に入ってマーベルにハマったということでしたが、マーベル作品もたくさんの数があるじゃないですか。この作品から明確にマーベル好きになったなってきっかけはなんかありますか。

遠藤 それはやっぱりシリーズ第一作の『アイアンマン』。もう最初に観た瞬間からどハマり。ちょっと「ヒーローものかっこよすぎる」ってなったね。当時は20作品くらい出てたから、「ちょっとこれ面白すぎるから、ここからここまで6作品あるから借りてきて」って親にお願いしたりしてた。で、その日の昼から夜まで一日使って全部観て、「またここからここまで借りてきて」の繰り返し。

徳永 本当にハマった時のやり方だ。やっぱりなんというか、ヒーロー的な価値観が遠藤さんにハマったんですかね。

遠藤 そうね。あとスカッとするじゃん。俺バッドエンドとかモヤつく終わり方嫌いだから。

徳永(笑)

是枝監督の作品はこの人と観に行かないようにしようと思ったところで本題に入っていきます。

『耳をすませば』は遠藤にハマるのか

徳永 問題はジブリ映画ですよ。遠藤さんやっぱり普通に映画好きな人なのに、ジブリは全然通ってこなかったという。

遠藤 親とかもそんなに好きじゃなかったから、ちょうどすり抜けてきたね。かまいたちの漫才じゃないけど、もう意識的に観てないな。

徳永 僕が今回最初に持ってきたのが『耳をすませば』(1995)です。

実はこれ、僕がジブリの中で一番好きな映画なんです。まあ、僕もジブリ作品これ含めて二つしか観たことないんですけど……

遠藤 二分の一かい。

徳永 中学校三年生の時に初めて観たんですけど、自分の進路選択の境遇とかに重ね合わせて共感するところが多かったですね。遠藤さんは今回初めて観たわけですけど、率直にどうでしたか?

遠藤 いやーーーーーー、ジブリ観ときゃよかったなあって。

徳永 ほんとですか!!(笑)

遠藤 それこそ進路選択の時に観てたらほんとに心に残る映画じゃん。やっちまったなあ……

徳永 中三の遠藤さんが観たとしたらかなり心に刺さりましたか?

遠藤 いやかなり刺さってるよ。実際進路で悩んでたりしてたからね。

徳永 でも今も四年生だから刺さる部分はあるんじゃないですか。

遠藤 ある。周りは大学院に行く人とか、それこそお笑いサークルだから夢を追っかける人もいるじゃん。だからもう、この映画を観て「そっかあ……」って。

徳永 やっぱり遠藤さんはP-RITTSの中では「究極の受け身人間」として通ってますからね。

遠藤 俺が提唱している「積極的受け身」ね。

↑遠藤が提唱する「積極的受け身」。その姿勢は漫才のツッコミでも遺憾なく発揮されている。

徳永 でも進路選択も何かしらの道を選ばないといけないわけで。遠藤さんもそこはやっぱり悩みましたか。

遠藤 そうね。それで周りをみると八割が大学院に進学するから、結局は受け身の道を選んだという……

徳永 でもそれも一つの選び方ですよね。

マーベル作品と『耳をすませば』の違い

徳永 マーベル作品と比べたときに、『耳をすませば』って僕らに近い日常を描いた映画じゃないですか。いつも映画で壮大な戦闘シーンをたくさん観ている遠藤さんにその部分はどう映りましたか。

遠藤 これは他のジブリ作品にもあてはまるか分からないんだけど、風景の絵がすごく多いなと思った。細部まで街を観るということを映画でこれまでしてこなかったから、「俺、住んでたけどなあ……」みたいな。懐かしい気持ちにはなったよね。親しみを持って観れたかもしれない。

徳永 恋愛もストーリーの中心じゃないですか。そこはどうでしたか。

遠藤 もうね……全然キュンキュンしたよね。「おまっ、気づけって……!それが天沢くんだって!気づけって……!」

徳永 ほんとに真正面から楽しんでますね(笑)

逆に共通点はあるのか

徳永 マーベル作品と今回の『耳をすませば』。共通点を探すとしたらどんなところですか?

遠藤 『耳をすませば』って進路選択がテーマの一つじゃん。例えばマーベル作品でも、ヒーローとしての自分とプライベートの自分のどちらの道を行くか、日々の中で選択を迫られるみたいな感じは共通していると思った。

徳永 『耳をすませば』で僕、主人公のお姉ちゃんが好きなんですよね。中三で観た時は主人公目線なのでお姉ちゃんいけ好かないなあって思ったんですけど、大学生になった今観てみると「お姉ちゃん、いい人だなあ」って思いますね。お姉ちゃんは「やりたいこと見つけるために大学行ってるのよ」って言うんですけど、でもちゃんと「生活してる」というか。家族の仕事を回してくれているし。周りがもっと大切にしなきゃいけない人だなあって思いますね。

遠藤 天沢くんが夢を追っていて、多分お姉ちゃんはその反対のキャラなんだよね。夢と現実だと夢の方がいいってなりがちだけど、現実……大事だから。僕たちもいい年になってさ、そういう見方ができるようになったよね。

徳永 僕はそれが今回自分の成長だったと思いましたね。

遠藤 現実、大事。……ごめん、あと一つだけ言わせて。Twitterでよく見るコラ画像が『耳をすませば』の画像だったという……

(DVDより引用)
(この画像を使って流行した『耳をすませば』大喜利に関してはこのサイトが詳しい。)

徳永 そうか、遠藤さんネット大好き人間だから……

遠藤 そう、俺ツイ廃だから。「これだ!これだ!」って思って。もしかしたら一番テンションが上がった瞬間かもしれない。

徳永 もうさっきまで現実大事と言ってた人とは思えませんね。

遠藤が次回に選んだ作品とは……?

徳永 それでは遠藤さん、次回観るジブリ作品を選んでください。

遠藤 じゃあ本当に観たい作品『借りぐらしのアリエッティ』(2010)で。

徳永 おー。ちなみに選んだ理由は何ですか?

遠藤 これはね……主人公の女の子が、可愛い。

徳永 シンプルな理由!じゃあ機は熟したということで、次回は『借りぐらしのアリエッティ』でお願いします!

②借りぐらしのアリエッティ に続く


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