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無防備な恐怖、不安とひとつ


 私はひとつになりたがる。
 どこででもぴったりくっついて、身も心もひとつの存在でありたい、あろうとする。

 でも彼はそうではなくて、ふたつであろうとする。
 ふたつで、ふたつだから愛せるようにいようとする。

 それは日常生活のなかでも顕著で、外にいる時いつも手を繋いだり彼のどこかしらに触れていたい私と、あまりそうしたがらない彼と。
 べたべたに甘えたい気持ちでそうしているというより、私は彼と離れているのが怖いのだ。ほんの少しでも離れていると、もう彼の元に戻れない気がして。

 性欲とは関係なしに、毎夜のように体を重ねたがる私も、それが原因なんだろう。
 そうしないと安心して眠れないのだ。彼の存在を体に刻んでおいてくれないと、朝目覚めたら全部夢だったような気がして。

 私の人生の行動原理は全て「恐怖」で、私の愛も恐怖に縛られている。

 離れるのが怖い、いなくなってしまうのが怖い、嫌われるのが怖い、愛せなくなるのが怖い。
 全部尋常じゃないほど怖くて、こわくてたまらない。

 私は彼を愛する自分を護ることに必死で、彼本人を愛しているのか不安に思うこともある。

 私を愛してくれる彼が好きで、彼が私を愛さなくなったら、ひとつになれなくなってしまうのだろう。

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あおい あかり
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