おしえてアッキーナ Mリーグ2019/12/20
12/20(金)の試合をもってMリーグ2019はウインターブレイクへ。
1回戦に登場したU-NEXT Pirates瑞原明奈プロの実戦譜をもとに麻雀を学んでいきたいと思います。
いつもは観戦記というか、感想文になってしまっているので、今回は順を追ってではなくテーマ別に強くなるエッセンスを拾っていこうと思います。
牌譜はトガシの麻雀X研究所様から頂戴しています(いつもありがとうございます!)
第1打編
第1打はその局の戦い方を決める重要な一打です。ふわっと目についた字牌や端牌、孤立牌を切ってしまうと後々痛い目をみることが多々あります。
瑞原さんが観ていたら「何でそれ切ったの?」って多分怒られます。
間違えないためには、ブロック数・シャンテン数の把握とドラ枚数、役牌トイツの有無、手役の可能性をみたうえで、メンゼンリーチを目指せるのか、鳴いたほうがよいのか、守備意識を高くもったほうがよいのか判断していくことになります。
さて、みていきましょう。
・4ブロック4シャンテン(0メンツ4ターツ)
・ドラ0枚、役牌トイツなし
・手役可能性 789三色(確度B-)
ドラがなく、形が悪い手牌ですが、うっすらと789がみえる配牌。
西切り。
1メンツもなく、リャンメン1つだけ4シャンテン。ドラ(赤含む)もなく、遅く安くなりやすい手牌。しかし親番を簡単に落としたくないので、スピードアップの種である役牌と打点の種である789の三色は消さないように打西。
・4ブロック4シャンテン(0メンツ4ターツ)
・ドラ0枚、役牌トイツなし
・手役可能性 低
1メンツもないが、リャンメンが複数あるのは心強いところ。役牌を重ねるよりピンフのメンゼンリーチを狙うのがよさそう。
東切り。
序盤の字牌の切り順は「オタ風」→「場風」→「三元牌」がスタンダード。しかし、この場合はピンフでメンゼンリーチが狙えそうなので、優先順位が逆転する。ピンフの雀頭として使えない東か中の選択で、鳴かれたくない牌から切るのがセオリー(この場合は親のダブ東)。重ねられる前に切る。万が一鳴かれたとしても相手のリーチがなくなるというメリットがあるので悪くはない。
メンゼンリーチを狙うときは鳴かれたくない字牌から切る。
・5ブロック3シャンテン(0メンツ5ターツ)
・ドラ1枚、役牌トイツなし
・手役可能性 567三色(確度B)
相変わらずメンツがないが、リャンメン3つで明確にピンフが見える手牌。すでに5ブロック揃っている。
1m切り。
5ブロック揃っている場合は、安全度の面で字牌より不要端牌を切ったほうがよい。1mを残すことで打点上昇の可能性があるならば引っ張る。
字牌は比較的安全だが、完全安全牌ではないため、過信はしないこと。
・4ブロック3シャンテン(1メンツ3ターツ)
・ドラ1枚、役牌トイツ1組
・手役可能性 ホンイツ(確度B)
マンズと字牌合わせて11枚でホンイツに行きたくなる手牌。しかし1メンツできていて、ピンズやソーズの種も悪くないため、メンゼンリーチの可能性もある。メンゼンリーチで考えた場合はブロックが足りないのでいったん保留で1枚切れの北切り。ホンイツとメンゼンリーチの両天秤の場合は重なったときに後悔が少ないオタ風を切る。
マンズ1本に絞った場合のデメリットとしてトップ目の茅森さんにマンズと字牌を絞られてしまう可能性が高いという点がある。北から切り出すことでホンイツにいくにしてもぼやかすことができる。リアルな戦術。
・4トイツ2シャンテン(チートイ)、4ブロック4シャンテン(メンツ手)
・ドラ2枚、役牌トイツなし
・手役可能性 チートイ(確度B)
すでにドラ内臓の4トイツだが、いちおうメンツ手も狙える手牌。
東切り。
チートイ1本に絞るのであれば8s切りなどもあるが、河が濃くなってしまい、テンパったときにリーチしても字牌が警戒されてしまうケースが多い。
この時点では2p5s8s東南白が重なる確率は一緒のため、なるべくチートイ臭を消しておきたいのと、親にダブ東が後から鳴かれないように第1打で東切り。
手組・押し引き編
5巡目、1メンツもない5ブロック3シャンテン。
中盤(7巡目以降)に差し掛かる前に安全牌を確保しておきたいところで、打7m。
テンパイ効率だけでいえばここで7mを打たないほうがよいが、この手牌はドラがなく価値が低いことと、速度が遅く他家に先手を取られそうなためスリムに受ける一打。7mや4sを縦に引いてもさほど価値があがらないという点も大きい。うまくテンパって69m待ちになったときに9mが拾えそうというメリットもある。
個人的には安全牌1枚でいいと思い、北を切りそうだが消費して地獄行きになる未来もあるから難しい…。この手牌の価値の低さならば安全牌2枚持っておきたいというところか。
茅森さんのリーチを受けて一発目、何切る?
現物は2sのみ。ターツ落としなし。残り筋16本。
2sを切ると立て直すのに時間がかかるし、この手牌であれば6pか3sの選択になりそう。この2種であれば危険度はほとんど変わらないのではないだろうか。となると自己都合である。いちおう三色もみえるが、それよりも2sが2枚切れていて、2334sの形が意外と重たい形になりそうなため打3sとしたのではないだろうか。
結果、これが痛恨の一発放銃となったが、これはしかたないとみる。
ここで3sが当たる確率が他の無筋と比較してそれほど高いとは思えないし、こういうワンプッシュをしてアガリを拾う強者はたくさんいる。
そもそもこの手は勝負手であり、アガリきるために目一杯に構えたのだから、ここは放銃やむなし。
ピンフのイーシャンテンで8mをツモった局面。対面の岡田さんからリーチが入っている。残り筋10本。
リーチが入ってから筋の3pを押したが、2m8m2筋を押すのは厳しいとみてオリ。相手の手が両面だと仮定すると2m8m両方勝負すると20%の確率で放銃となる。
イーシャンテンから2プッシュ必要な手牌は押し損になることが多い。特にこの場合は押す牌がドラ色のマンズのためリスクが大きい。67pを落としてギリギリの復活を狙う。
カン8p即リー。うれしい手替わりの種類がドラ8pのみで、すでに下家の勝又さんがダブ南を仕掛けており、緊迫した場面。ドラ表示牌のカンチャンであるが行くしかない。
3巡目チートイテンパイ。1枚切れの東か生牌の中の選択。
打中で東待ち。
勝又さんが打ったばかりの東を狙いに行った。
統計データによると捨牌1段目は生牌の字牌のほうがアガリ率が高いといわれているが、ここはMリーグである。巡目が深くなればなるほど中は出にくくなるため、1枚切れの東待ちのほうがアガリ率が高いかもしれない。ここらへんは感覚値だが。
5巡目、タンピンもみえる手で何切る?
白切り。この手は賛否割れるかもしれないと思った。
自分もおそらく白を切ると思う。
点数状況的に20004000ツモで3着浮上。30006000ならば値千金のトップ浮上。ハネツモにする価値が高すぎる。白を切っても258m縦引きですぐよい形に戻るし、使いやすいタンヤオ牌が多いことも魅力。
白、中と鳴き、發を打ってトイトイテンパイ。
もしこれが東場で点棒フラットの4~5巡目で發が生牌であれば6s切りもおもしろいが、この状況であればさすがにみんなテンパイにとりそう。ツモって2着が大きい。満貫を誰からあがってもラス抜けということも大きい。もし満貫出アガリができないのであれば、ここでも思い切って打6sだったかもしれない。
残り1枚だった6sよくツモった!おめでとう!
来年も勉強させていただきます!