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スキーコーチ留学に『ノルウェー』を選んだ理由…

私がノルウェーを選んだ一番の理由

それは…

自然が雄大❗️

えっ⁉️

と思われる方もいらっしゃるかと思います。

実は私にとって競技を行う以上に比べ物にならないくらい『自然が雄大』なことは重要な選択肢でした。

渡欧を決意した理由①


私は今年の5月から8月に渡欧しましたが、来年の1月8日から3月31日までの3ヶ月間ノルウェーに渡欧する予定です。

実はスキー留学に対し他に気になっていた国が数カ国ありました。その中でも特にオーストリア🇦🇹とドイツ🇩🇪はスキーやスポーツに対し歴史もあり、特にノルディックスキーに力を入れ結果も出ていることから大変気にはなっておりました。

しかし、その中で迷わずインスピレーションで「ここだ!」と思い選んだノルウェー🇳🇴
ほぼ一択!
もちろん、ノルウェーではノルディックスキー競技以外にも夏季&冬季オリンピックとパラリンピックともに様々な種目でたくさんのメダルを獲得しているのも理由でしたが…

やはり、一番の決め手は自然が雄大なことが主な理由でした。

雄大な自然を見ることで、私たちが今後どのようなことをしなければいけないか何かヒントがあるのではないかと思った次第です。

早朝の様子。白夜のため陽が長い。
渡欧した際に一番最初にお世話になったアーレンコーチの家族とヨルゲンコーチ(左から2番目)
彼らはノルウェーの方々は森へ行ったり海に行ったりとそこで他愛もない話をし『人間らしさ』や、人が求める『本当の幸せ』を知っているのかもしれません。
アーレンが所有する別荘がある小さな島の反対側の景色。歴史ある別荘であるが、建物は大変暖かく見渡す限り絶景であった。
近所の様子。アレックスくんからお借りした「NAKAMURA」という北欧では有名な自転車メーカー。トレッキングコースが豊富なためマウンテンバイクの移動が軽快で大変楽しい!このコースは隣町まで続いており、その隣町が更に隣町までと何十キロ、何百キロと続くのです♾️冬はもちろんクロカンコースに⛷️
こうして家に近くや、また道路など自然がちゃんと整備され生活の一部にしっかり溶け込んでいる。
近所の様子。週末になるとこうして家族が白鳥や鴨などに餌を与えに。自然の近さを幼い頃からこうして感じることができる素敵な環境。

急速に変わりゆく気候変動


少し話が変わり…

私は北海道の道北に位置する下川町というところに住んでます。

道北でかつ内陸ともあり、夏はプラス30度以上🥵冬はマイナス30度以下🥶
このように寒暖の差が激しく、自然環境に大変厳しい町でもあります。
特に冬は日中の最高気温がマイナス10度以下という日もあり、そのような条件の中での練習や屋外作業などは耐え難いものがあります。

例年ですと3月中旬くらいから雪が「降る&積もる→暖気がくる」を繰り返しながら徐々に春を迎え陽の暖かさやありがたさを感じるのが通常でしたが、ここ数年ですと今まで感じなかった暑さ(といってもプラス5度ほど)や異様な日差しの強さを2月下旬くらいから感じるようになってきました。また、夏はプラス35度近い猛暑日もあり、冬になるとマイナス25度を下回れば珍しく冷え込んだと思う程度の凍れ(しばれ※冷え込み)。

特に冬は自然環境の変化で住みやすくなっているということももちろんあるのですが、こうしたマイナス30度以下のような下川町特有の「凍れ」がないことによって私たちの競技はもちろん、農作物などの播種や収穫など生活までもが大きく影響を受けているのです。

下川町のスキー環境

町営の下川スキー場は北斜面(北の方角に面している)ためシーズン初めの雪付きが早く、また、雪解けも遅いため長いシーズン雪上練習をすることが可能で、私たちの下川町の「ウリ」でもありました。
そして、私たちジャンパーはアプローチ(ジャンプ台助走路)の条件を大変注視します👀ツルンとした氷は「抜け」(飛び出した時の勢い)がよく空中に出る感覚も並行して大変よく感じます。そのため私たち選手やコーチはこちらの条件を大変気にするのです👀

もちろん、クロカンスキーも乾いたサラサラの雪であったものが湿気ってスキーに張り付くような雪質になり、シーズンの終わりも大変早くなってきております。
ジャンプ以上に雪上トレーニングが重要なクロカントレーニングだけに…

ジャンプ台スタートエリアを下から上に向けて撮影。寒くなった日に水を撒き、氷の表面を滑らかにする作業は欠かせない。


上部の写真のとおり2本の氷のレールに仕上げております。それらは低温を利用した天然で凍らせています。もちろん、近年多く感じる『暖気』がくると溶けてしまうため雪をかけたりネットをかけたりする作業が必要です。
一番これが大変でした💦

以前の下川町とは異なる環境


ジャンプ台も4基あるうち3基を保護しなければならず、特に平日ですと作業する時間も人数も限られてしまうため知恵を出し合っても練習すらもできない日があり、当日の天気が安定していても翌日など暖気がくるとなるのがわかっているとなれば練習を中止せざるを得ない場合もありました。

海外はもちろん、国内でも札幌市や長野県白馬村など大きなジャンプ台があるところは人工降雪機はもちろん人工的に冷やすシステムもあるのですが大変高価です💸
また、そのようなシステムがあったとしてもワールドカップなどテレビやSNSなどで観戦した際には『ジャンプ台やクロカンコースにしか雪がない❗️』
私はこのような状況を見ていつしかウィンタースポーツって、

果たしてこれでいいのか…

と、思うようになりました。

渡欧を決意した理由②


急激に変わりゆくこの環境がいつまで保つか疑問になり少しでも平均気温が低く、また人工降雪機などシステムが揃っている北欧や水の国(人工降雪機は大量の水を使う)と言われるノルウェーに決めたこともまた理由でもあるのです。

ジャンプ台下の池周辺。5月中旬頃の様子。この後1週間くらい雪が残っていました。標高300mくらいですが涼しい環境は雪付きが早く、また雪解けも遅いことから、私たち『アジア人』選手なども体にかかる負担もかなり少ないことが練習を集中できる好条件でした。
Midtstubakkenジャンプ台。小さなスモールヒルにでさえ人工降雪機が設備されている。
ジャンプ台上の駐車場。こちらにも常設の降雪機と移動式の降雪機が保管されていた。
また、クロカンコースにも常設の降雪機とナイター照明が設備され長いシーズンスキーを楽しみ、また移動の手段として利用することが可能。

充実した『競技』環境と、限りある『自然』環境


もちろん、競技環境が整っていることだけ考えるのは違うと思います。確かに選手である以上、こうしたハード面など良い競技環境を求めそちらに身を置くことは大変重要かと思います。しかし、それと並行して自然環境の維持などの取り組みも必要かと感じました。

近年の人工降雪機の性能は高くなっているとお聞きしておりますが、とは言ってもそもそもある程度低温にならないと人工降雪機も始動できないのです…

私にとって当然ではありますが、暑い日本など『アジア』から着たのでノルウェーは大変涼しく感じますが、ここで生まれ育った彼らノルウェー人にとっては私たち同様、年々暑くなるのをきっと感じているはずかと練習の様子を見て感じました。

自然環境は大規模でまた難しい課題ではありますが、先ずはエネルギーの節約など私たちが身の回りから少しでもできることを取り組んでいかなければなりません。

そしてこのようなことを知り、『伝えていく』ことが更に重要なのかと感じました。

この自然がいつまでも続きますように🤞&🙏

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