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オスロ ウィンター ゲーム
少しずつ
先週日曜日はトレーニングであったため翌日月曜日は練習がお休みでしたが、火曜日の日中から学生や大人の選手が中心に、夕方には小学生から中学生の選手のトレーニングが始まり、少しずつ本格的に始まった週でした。
私個人の課題は多々あるものの、夏に来た時とほぼ同じ日程などで練習が行われその忙しさが懐かしくも感じながら充実した生活を送ることができました。
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この日はー7度と久しぶりに冷え、また霧が濃い天候でもあった。
そのため、小高いところから眺めると、雲海などが広がる素晴らしい景色であった。
しかし、度重なる濃霧で予定より早く練習を終えることとなった。
強風やこうした遮られる視界などの環境で限られるトレーニング。
ジャンプ台が大きくなればなるほど、充実できる条件が珍しい競技である。
だからこそ、その時に求められる集中力の質と量は更に重要だ。
Oslo Winter Games(オスロウィンターゲーム)
ノーマルヒルやラージヒルなど日本と比べてこちらノルウェーでは大会開催が少ない感覚がありますが、その中でもジュニアの試合などは違い、私がお世話になっているkollenhoppが拠点とするMidtstuliaでは冬になると毎週水曜日に大会を開催しているそうです。
先週の水曜日にその試合のお手伝いをさせていただき、こちらも大変貴重な体験をいたしました。
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もちろん、ヘルメット、スーツ、ジャンプスキーやブーツなど数多く揃う道具も準備されている。
ジャンプ大会&コンバインド前半ジャンプ
18時から始まる大会の準備に少し早めに現地へ入り、K10m、K20m、K40mの各ジャンプにラッカースプレーでラインなど引くためにマーカーをしたり、スピーカーやBBQテーブル、バナーなどの設置を行いました。
準備が整い18時からの大会開始までの間各自で自由にトレーニングを行いました。
ジャンプ競技もコンバインド競技も行われました。
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自信に満ち溢れる様子が窺える様子も大変頼もしい。
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こうした親の協力が重要なのはどの地域に行っても一緒だと再確認した。
地域活動に参加するのは国として求められているようなので、仕事の都合もつけやすいとのこと。
仕事<家庭な感覚。
コンバインド後半クロスカントリー
前半ジャンプに参加した半分の選手がコンバインド後半クロスカントリーに参加してました。
スタートは選手一斉で行い、約1kmくらいのコースを小学生は1周、中学生は2周し順位を争いました。
私はいろいろな選手の後をついて応援したのですが、途中コース奥で照明のない上り坂を登る幼い選手の姿を見て、怖さと辛さで泣くのでは⁉︎と最初は思ったのですが、最後まで登り切り、その先の下りを更に勢いをつけて下っていきました。
その力強さなどを見て幼い頃からの環境やこうした経験を通して競技に必要な生きる力など磨かれるのかと感じました。
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力強い走りは親など応援にも力が入った。
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写真左からK60m、K40m、K20m、K10m
K60mはアプローチクーリングシステム故障中。
今週水曜日に行われる大会に向けて修理するとのこと。
K60mとK40mのアプローチはクーリングシステム(助走路の氷を人工的に冷やす装置)を小さなジャンプ台でも導入している。
NIH(Norwegian school of sport sciences)
片付けなども行いながら帰宅が遅くなってしまったものの、翌日の練習に向けて早めに就寝をした。
翌日の練習は近くの大学の体育館をお借りし、球技とジャンプを中心とした陸トレを行いました。ジャンプ台に隣接している体育館などはありませんが、ジャンプ台から2~5kmほど離れたこうした各学校やHemingなどクラブチームの施設などをお借りして幅広いトレーニングができることは育成から強化への移行がスムーズにできるきっかけとなるのではないかと感じました。
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トレーニングなどコツや重要性を伝える様子。
臀部のストレッチをする際、臀部が床から離れないようにコーチングする。
kollenhopp Instagram転用
練習の目的
この日の練習はつま先立ちにならないように前脛骨筋を意識したトレーニングを目的にコーチングしました。
これらはわざと踵が浮くような場面を作り、その際に足底筋など足裏が扁平足のように潰れた足裏にならないよう、甲を持ち上げる意識でトレーニングなどするためです。
脹脛を使ってしまうと…
踵が浮いているとどうしてもつま先立ちになりふくらはぎを使ってしまいます。
これらは足首が固まらず道具などに頼ったアプローチフォームとなる可能性が高いです。
また、このような状況の殆どがテイオフの際にスキーの先端を下げるような動作になり、空中の完成を遅くさせる原因ともなります。
即ちつま先蹴りの状況となり、臀部やハムストリングスの活動量が少ない運動にもつながります。これは、上半身を大きく跳ね上げる可能性も高くなります。
また、これらは顎を極端に引いたり、逆に頭や腕、肩など胸周辺を跳ね上げたりと、上半身の姿勢なども崩れる場合もあるので、わざと不安定な条件を作り且つ足首を固め踵も使えるようなアプローチフォームを目指しました。
前脛骨筋「も」使うイメージ
イメージとしては前後左右安定した重心位置などポジションで、下腿は脛骨を基準とした踵を地面に突き刺すような感覚です。
固めるのに足の甲を持ち上げるようにして脛の力を入れると足首が固めやすいと思っています。その際に、つま先が吊り上がらないようにある程度床に触れさせて、これらを行います。この感覚など動作が可能となればテイクオフの際に膝の位置や脛角度を保ちやすくなると考えています。
その長所
その姿勢はお尻を円運動に軌道させることが可能です。
この際、特に臀部やハムストリングスも使いやすくするため、下半身主体のテイクオフが可能です。下半身が主体になると上半身の角度を抑えることが容易なので空中の完成の速さや、アプローチスピードを維持したまま空中中盤まで向かうことが可能と考えています。
また、前からくる風圧をある程度容易にコントロールすることも可能なため、例えば顔の面や頭の位置など細かい姿勢調整が容易と考えています。
更にこれらはテイクオフで更に重要な効率よく力を伝える技術で、テイクオフなど力を加えている最中に膝同士が内側に入らないよう、膝もつま先と同じ方向に向きやすくなる感覚があります。
また、扁平足にもなりづらいため効率よく力を伝えることが可能なのです。
例えば、扁平足を改善する機能などの道具もありますが、そもそも足趾や甲、踵や脛骨腓骨の末端などそれら足周辺の感覚がなければ、その効果も大きく発揮しないのではないかと予想しています。
そのような道具をもし使用する場合、それと同時にトレーニングの理解や技術の習得が重要と考えています。
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上の線の脛骨と腓骨の末端が床と平行になるイメージ。
また、かかとの骨も平らかつ垂直なイメージ。
日本より屋外活動が多いノルウェー人でもこの動作はどうやら難しいようでした。
自らがコーチングすることで様々な違いなども理解し習得できることが、私にとっての一番の勉強になる大切なきっかけとなった瞬間でした。
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また上手に投稿するためいつもの閲覧も大変楽しみだ!
いつも優しく丁寧にコーチングするSanderコーチ。
ジャンプ競技を行っていたが、実はランニングが趣味でもある。
Kasper選手
週末には別の用事があったためそれに参加する予定でしたが、Kasper選手から金曜日の夜に急遽連絡があり週末2日間、ジャンプの練習をしたいのでビデオ撮影などお願いしたいとの相談がありました。
私はこれらをするためにここに来たため当初の予定をお断りし、その練習を優先して週末2日間過ごしました。
彼は去年ワールドカップに参戦し、今年も開幕戦など参戦しながら先週のドイツで行われたコンチネンタルカップ(COC)も表彰台にも立つ有力者。
私は彼が何を目的にトレーニングを行なっているのかを探ったり、彼が求める結果などに対して壁となる言動にならないよう対応するのに少し緊張したものの、彼の調子も上がり終始笑顔で練習を行うことができました。
本来は笑顔だけではダメなのですが彼と一緒となる久しぶりの練習ともあり、次の火曜日の練習につながる良いきっかけになったのではないかと推測します。
本来はノルウェーLillehammerでコンバインドCOC大会が開催され出場予定であったが、体調不良のため大会参戦を見送り地元Osloでトレーニングなど調整を優先したとのことでした。
格好よくいつもお洒落で優しく明るい素直な性格ですが、その奥には燃える闘志が感じられる芯の強い選手です。
日本の選手も同様ですが、ぜひ彼の応援もよろしくお願いします!
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彼自信、納得できるほどの仕上がりに。
そのお手伝いを少しできたのは私も嬉しい。
早く体調を戻して本人が目指すワールドカップやTrondheimで開催する世界選手権メンバーとなれれば私も嬉しい。
スキーがある生活
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それは北海道などで行うアルペンスキーとは違い、クロスカントリースキーで授業をする。
中古やお下がりなどもあるそうで、道具も環境やこうした理解なども十分だ。
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その合間に母親が子供にクロスカントリーを教えるスキーを通じた様々な環境。
その合間の昼ごはんに火をおこしてソーセージを焼きナンで巻いて食べる。
時間がゆっくりに感じる素敵な瞬間。
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選手たちがどの位置に着地したかわかるようにラッカースプレーでのマーカーはジャンプ台を使用する私たちが行う。
ジャンプ台は場所によっては硬いアイスバーンのところもある。
そのためアイゼンなども必要だ。
私はアイゼンとスキーを日本から持参してきたため少し早めに現地へ入り、それらを使用して目印などジャンプ台の準備もお手伝いさせていただいた。
ジャンプ台を歩いてマーカーすることもあるが、やはりスキーを履いて行なった方が正確かつ時短だ。