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テスト観点リストでテスト分析を効率化した話

はじめに

こんにちは!株式会社mikanでtoC向けアプリのQAを担当しているchiaki(@mikan__chiaki)です!
今回 mikan Advent Calendar 22日目の記事を担当します。

前日は星さん(@hoshitocat)の『Firestoreを4年間運用してわかった失敗と学び』でした!
Firestoreを長年運用する中で得られた具体的な経験や学びが詳しく紹介されており、Firestoreの導入を検討中の方や現在運用中の方にとって参考になる内容となっています。ぜひ一度読んでみてください!

今回はtoC QAの業務改善として「テスト観点リスト」を作成した話をお送りします。
「そもそもテスト観点って何?」「リストを作ると何が良いの?」と感じる方も多いかもしれませんが、テスト観点リストはテスト分析全体像を整理してテスト漏れを防ぎ、効率化できるツールです。
まだまだQA知識が浅いところもありうまく説明できないところもありますが、テスト業務を効率化したい方や、品質向上のためのヒントを探している方の参考になったらと思います。


テスト観点リストとは?

そもそもテスト観点リストとは何?というところですが、テストで確認すべき要素や視点を一覧化したものです。

  • 定義

    • テスト観点とは、テストを実施する際に考慮すべき視点や要素のこと。

      • 例:「入力バリデーション」「画面遷移」「エラーメッセージ表示」など

作成のきっかけ

テスト観点リストを作成した背景は以下2点です。

1. テスト分析の抜け漏れを防ぎたい

テスト分析は、要件や仕様を理解し何をテストするべきかを洗い出すプロセスです。
仕様書に記載されている情報のみでテスト項目を作成すると、重要な観点や条件が抜け落ちるリスクがあります。
特に仕様書確認時に曖昧な部分や詳細な条件を深掘りしないまま進めてしまうと、見落としが発生してしまうことも…。
そこで、テスト観点リストを活用して確認すべき観点や条件を明確に整理することで、仕様をより深く理解し、抜け漏れを防げるのではと考えました。

2. テスト分析を効率化したい

テスト分析における観点は、毎回ゼロから考えていたため抽出に時間がかかるのが当たり前でした。
そのため、その後のテスト設計(テストケース作成)にスケジュール通り進めないときも…。
「もっと効率的に進められる方法はないか?」と模索していたときに、あらかじめ観点をリスト化しておけば、作業がスピードアップできるかも?と思ったのも作成のきっかけです。

どうやってまとめたのか?


1. 他社のテスト観点を参考にする

具体的にまとめようとすると、表のフォーマットはどうする?書き方は? など分からないことだらけ…。
そこで、ネットで公開されている他社のテスト観点リストの記事を参考にしたり、チャットGPTを活用してアドバイスをもらいながら少しずつ形を整えました。

2. アプリを触りながら観点を抽出

テスト観点について少しずつ理解が深まってきた段階で、mikanのプロダクト要素について考え直してみることに。「実際にどんな機能や要素があるのか?」を確認するため、アプリを実際に触りながら観点を抽出しました。

3. ユーザー目線で考えてみる

最後に実際のユーザー行動を想定し、使いやすさや操作性を意識した観点を追加しました。
例えば、

  • 「この画面はユーザーが直感的に操作できるか?」

  • 「入力ミスをしたとき、適切なエラーが表示されるか?」

といった観点を盛り込みました。

さらにmikan社内で共有されているプロダクトバリューを観点リストを取り入れることで、テスト時にこのバリューが機能へ反映されているかどうかも確認するようにしています。

mikanのプロダクトバリュー

プロダクトバリューについては、@Sakuさんが執筆した記事をご覧いただくとわかりやすいです!

テスト観点リスト完成!

コツコツ続けてようやくテスト観点リストが完成しました!(時間かかりました)
まだまだ改善するところもあると思いますが、お見せできるレベルになったと思います。

テスト観点リスト

作成してみて変化はあった?


テスト観点リストを活用することで課題が解決しました。

1. テスト分析時の抜け漏れが少なくなった

観点リストを確認しながらテスト分析をおこなうようになったことで、観点の追加漏れや見落としが大幅に減少しました。確認すべきポイントがリストで整理されているため、抜け漏れを防ぎながら効率的に分析を進められるように!

2.テスト分析の効率アップ

テスト観点リストを作成したことでテスト分析のスピードが向上しました。
以前はゼロから観点を考え出していたため時間がかかっていましたが、観点リストを活用することで、確認すべきポイントが明確になりスムーズに作業を進められるようになりました。
さらに一度作成した観点リストは、他の施策や機能にも使い回せる共通のベースとして活用できます。

今後の課題


テスト観点リストを作成したことでメリットを実感しましたが、改善すべき点や課題も見えてきました。

1. 定期的な見直しが必要

主要な観点はリスト化できていますが、全ての機能や状況を完全に網羅している状態ではありません。プロダクトが成長するにつれて仕様や機能が変化していくため、リストもそれに合わせて更新していく仕組み作りが必要だと思いました。

2. 誰でも活用できる状態にする

現状テスト観点リストの使用方法を説明したドキュメントやガイドラインを作成していないため、共通のツールとして利用できていない状態です。リストが一部の人だけのものにならないよう、誰でも活用できる形にすることが必要だと思います。
今後新しいメンバーが加わった際に、認識を共有するための基盤として機能させたいと考えています。

まとめ


今回テスト観点リストを作成したことで、これまで時間がかかっていたテスト観点の洗い出しがスムーズになり、テスト分析の効率が向上しました。
まだまだ改善点も多いですが、プロダクトの成長とともにリストをブラッシュアップさせ、誰もが活用できるテスト観点リストを目指していきます!

さいごに


mikanでは一緒に働く仲間を募集中です!
各職種の採用を活発におこなっていますので、mikanに少しでも興味がある方は以下の採用ページからご連絡いただけたらと思います。


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