【子どもの家と伝統呪術師カブンビの慰霊祭の訪問。ミリティーニ村に来たい人、ご連絡ください】
【子どもの家と伝統呪術師カブンビの慰霊祭の訪問。ミリティーニ村に来たい人、ご連絡ください】
日程は3月2日(水)~3月7日(月)です。伝統儀式のピークは3月5日(土)と6日(日)です。参加したい人はお急ぎご連絡ください。chiakinairobi@gmail.com
ミリティーニ村は、マテラ長老の村です。先日突然亡くなったママカブンビは、マテラ長老の奥さんでした。私はマテラ長老の家族の一員です。このご一家には長年の間どれほどお世話になったか、言葉では尽くせません。
私たちがキベラスラムで孤児救済をはじめたのは1999年、マゴソスクールではスラムで貧困に苦しむ子どもたちや、家族を亡くして拠り所を失った子どもたちを助け、住まいや教育のチャンスを与えてきました。
18年前、マテラ長老はそこにやってきて、スラムを歩き、子どもたちに出会い、話をしたり歌を歌ったりして、そしてこう言ってくれたのです。
「家族を亡くした子どもたち、かわいそうじゃないか。我々の村に連れておいで。我々にはお金はないが、村には子どもたちがお父さんお母さんと呼べる人たちがたくさんいるよ。子供はみんな宝だ。わずかな食べ物でもみんなで一緒に分け合えば生きていけるよ」
私は、お言葉に甘えてキベラスラムの子どもたちをナイロビから500km離れた彼らの村に連れていきました。スラムの危険な環境しか知らなかった子どもたちを、畑に連れて行ってトウモロコシの収穫を手伝わせてくれたのが、ママカブンビでした。
それから私は、マテラ長老から彼らの先祖代々の土地を分けてもらい、そこに家を建てました。ジュンバ・ラ・ワトトという子どもの家です。この名前はマテラ長老がつけてくれました。多くの子どもたちが集う大きな家、という名前です。
マテラ長老一族はドゥルマ族の伝統呪術師一家です。彼らの民族には、歌やタイコ、踊り、祈りなどで精霊の声を聞いて病気を治療したり、世の中の問題を解決したりという伝統文化があります。自然の中で、植物や大地や星や月や、自然界の中に存在する力と対話しながら生きてきた民族です。
ジュンバ・ラ・ワトトは、このドゥルマ民族の皆さんの助けのもと、2005年から現在に至るまで、とても多くの子どもたちを助け、家族的な愛と、安心して生きることが出来る場所、コミュニティのつながりを与えてきました。そしてこの子どもたちにとって、ミリティーニ村は故郷となり、ドゥルマの伝統文化は自分たちの魂の拠り所となりました。
私はミュージシャンの大西マサヤさんとのご縁で2004年にマテラ長老に出会い、それ以来18年間、ドゥルマの皆さんとは深い魂の絆で結ばれてきました。この現代社会の中で、伝統を守って生きてきた彼らがどれほど困難な立場にいるか、国の経済発展のために彼らの暮らしがどれほど破壊されているかも、目の前で見てきました。そんな困窮の中でもなお、彼らは私たちのキベラスラムの子どもたちを受け入れてきてくれました。
ママカブンビが亡くなったというニュースは私に、そしてジュンバで育った子どもたちに、ジュンバを共に運営してきたマゴソの仲間たちに、大きなショックを与えました。泣いても泣いても枯れることはないほどみんなで泣きました。みんなの村のお母さんだったからです。困難な生活を、彼女は最後の最後まで、あきらめませんでした。最後の日まで彼女は、自分の娘の高校の費用を支えるために働き、家族の暮らしを支えるために四方奔走し、突然倒れて息を引き取りました。
彼女の人生をたたえ、天国へと送り出していくための儀式をこの日程で行います。彼女たちの文化では、死後40日間は私たち生きている人間の周りにいるそうですが、40日たったら、あちらの世界へと旅立っていくそうです。その送り出しを盛大に行います。
ジュンバで育った数多くの子どもたちは、今は立派な大人になり、Jumbas Legends というグループを作っています。彼らも村に帰ってくる準備をしています。そしてマゴソスクールの仲間たちにとっても、故人は大切な家族です。マゴソOBOGクラブの面々も、みんなで村に旅をします。
伝統儀式では、イスラムの儀式と、ドゥルマの儀式の両方を行います。日程の前半はイスラムの儀式、後半はドゥルマ民族の儀式です。
四方八方の村から数多くの人々が集まり、マテラ長老の一族がつかさどる伝統音楽「センゲーニャ」を行います。タイコ、笛、歌、踊りと、すべてが一体になって、大きな渦を作り出して昇天していく伝統音楽です。
村のペースでゆっくりと進みますので、村の生活事情に触れてもらいながら、文化の体験をしてもらえればと思っています。また、ジュンバ・ラ・ワトトで子どもたちと交流もできればと思っています。
このような儀式を盛大に行うことは今の時代、どんどん難しくなっており、めったにできない貴重な経験になりますから、体験してみたい人は私が受け入れてチャンスを提供することにしました。
大西マサヤさんと私は、数年前の伝統儀式の際にこのドゥルマ民族の伝統継承者「旗持ち」を任命されて、「センゲーニャ・ジャパン」の代表です。もともとドゥルマ民族には伝統継承者である旗持ちが12名いて、この旗持ちをマテラ長老はこの慰霊の場に集めようとしています。伝統文化が続いていくために。
私たちもその旗を掲げたいと思います。
今の世の中は世界中が混乱に満ちていて、人間の価値観は錯綜し乱れまくっていますが、本来の大切なものを取り戻していく、揺らぎ切った混乱の渦の中でなにかピシッと柱を与えられるような、そんな、ハッとさせられる瞬間をいつも伝統儀式からは与えられます。そんな体験を共有できればと思いますので、来てみたい人は私にお急ぎ連絡してください。
写真をいくつか載せますので、見てみてください。私が愛するドゥルマ民族の伝統文化、そしてジュンバ・ラ・ワトトの子どもたち。先日のママカブンビのお葬式の様子も少し写真をシェアします。そして、ジュンバをはじめた頃のママカブンビの写真もシェアします。
ジュンバ・ラ・ワトトの現在の写真と、昔からの写真も少し載せます。
また、行くことは出来ないけれど、お香典、慰霊祭と遺族の生活のためのカンパをしたいという方は歓迎です。お香典は、日本で大西マサヤさんが日本の口座で取りまとめをしてくれていますので、お送りくださる方はご連絡ください。口座番号をお知らせします。
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