現場代理人は偉大 / 12w0d

ここ数日でかなりつわりがマシになった。
永遠に続くのでは・・・と思えた絶望感が嘘のように、日に日に体が軽く、気分が良くなってくる。

昨日は久しぶりにコンビニのおにぎりを食べることができた。
うどんに鎮座するかき揚げも食べられた。
げーげーならずに食べられるものが増えていくのはとても嬉しい。

ある日突然すぱっと終わるという話も聞くが、どうやら緩やかに終わるタイプらしい。完全にムカムカが収まったわけではなく、油断するとつわりが帰ってこようとする。
この状態で一日中現場にいるのは、さすがにまだ辛かった。

現場監理は結構時間が掛かる。
工事の進捗を確認するために工程会議(通称:定例)を行い、あれもこれもと打合せをして質疑に回答して一緒に悩んで・・・そこに現場での検査も加わると、午前中から現場にいたのにいつの間にか夕方になり、職人さんが帰っていくのを眺めながら現場で協議をしていることがよくある。


この日はかなり揉めた。
設計通り、綺麗に作り終わったカウンターを施主が気に入らなかったようだ。

県や市の公共施設を建設する場合、市の職員さんと打合せをして設計や工事を進めていく。この担当の職員さんが一人ならいいが複数いると注意が必要になる。

例えば、市役所と図書館を併せた建物を作ろう!というような複合施設の場合、市役所部分と図書館部分で、管轄する責任者が変わることがある。
横の連携がしっかり取れていればいいのだが、関わる人数が増えると見落とされる部分も出てきてしまう。

その見落とされた部分が気づかれることなく工事段階まで行ってしまうと、
設計段階で入念に打合せしているはずなのに、いざ現場で作るとクレームがつく・・・という悲劇がたまに起こってしまう。


設計時に各担当者が図面を回覧しているので、設計にも現場にも落ち度はないわけだが、納得いかないカウンターをそのまま使えとも言えないので
現場で揉める事1時間。
いつも穏やかな現場代理人が「もう全部壊して備品置いたらどうですか?」と言った。めずらしい、これは相当イライラしていたのだろう。
綺麗に作ったカウンターに難癖付けられ、結構な言われようだったので当然と言えば当然だ。

ちなみに世間一般で言う「現場監督」を我々設計事務所の人間は「現場代理人」と呼ぶことが多い。
これが行政の立場からすると「監理技術者」「主任技術者」
現場の職人さんからすると「現場所長」に変わる。
色々な呼び方があって不思議だなと常々思っている。

過去様々な物件で現場代理人と一緒に仕事をしたが、温厚な人ばかりである。現場仕事というのは気性が荒いイメージがあるかもしれないが
たくさんの職種の職人さんたちを束ね、設計サイドにも気を遣いながら現場を統率する現場代理人たちは、みなコミュニケーション能力に長けていて温厚で段取りよく仕事を行う。いつ見てもすごい。私には務まらないとつくづく思う。


先の現場代理人も、打合せが終わり少し時間が経った後「少しイラッとしてしまいました」と反省していた。十分堪えていたのでは・・・。

現場の負担が減ることを願い、少しでも後戻りのない図面をかこうと思う。

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