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ちあきのよしなしごと日記#3:大曲の花火が延期だなんて
大曲の花火
2020年6月ごろ,新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し,夏のイベントの多くが中止や延期となるニュースが相次いだ.全国花火競技大会「大曲の花火」も例外ではなく,1年間延期することが決定した(その後,2021年の開催も延期となった).
大曲の花火は一夜に80万人もの人が集まる一大イベントで,日本三大花火大会の一つとして全国的に有名な花火大会である.大曲がある大仙市は,8つの市町村が合併してできた市であるが,全体でも7万5千人ほどの人口である.そんな7万5千人しか住んでいない街に,一度に全国から80万人もの人が訪れる.これがいかにすごいことかご想像いただけるであろうか.
こんなすごいイベントは他になく,大仙の人にとって,大曲の花火はほこりであり,もっとも大事なイベントである.そんな大曲の花火が1年延期(事実上の中止)となった.大仙の人々の落胆は他市の人にははかり知ることのできないものであろう.
神岡ICTラボ
私がプログラミング教育の活動を本格化したころ,一人の女性と出会うことができた.のちに,神岡ICTラボを立ち上げ,運営の中心として活躍することになるKさんである.初対面の彼女は私にこういった.
「先生,プログラミング教育って,私にもできますか?」
私は答えた.
「もちろん.子どもでもできるんですから,誰にでもできますよ」
しばらくしてKさんから連絡があった.
「今度,ヤフーの人に来てもらってプログラミング教室をやるんですよ」
神岡ICTラボという組織を立ち上げ,助成金を申請して,最初は他の人が教えるのをみて勉強しようということで,助成金から費用を支出して,ヤフーの方のプログラミング教室を実施することにしたとのことである.
なんだなんだ.実はすごい人だったんじゃないか.心配しちゃって損をしたとは言わないけど,探せば身近にすごい人がいるもんなんだなと感心した.
その後もKさんのがんばりで,神岡ICTラボは順調に活動を発展させていっている.
ある夜の戯言
2020年7月1日の夜,たまたまSNS上でKさんと話していた.ちょうど大曲の花火の延期が発表されたあとで,残念だねと話し合った.いろいろ雑談していると,やはり大曲の人の花火に対する思いが特別であることが伝わってきた.それで,ふと口から出てしまったのが...
「こういう時こそ,今だからできることを考えないといけない.花火大会はできないけど,子どもたちがScratchで作る花火大会なら(感染は広がらないから)できるよね」
ただ,さすがに今からじゃ間に合わないよね」
大曲の花火は毎年8月の終わりに実施されていて,同じ時期にやろうとしたら2か月もない.さすがに今からじゃ間に合わない.とんだ戯言を口にしてしまった.どう考えても今からじゃ無理に決まってる.
戯言が戯言でなくなる夜
それから1か月,無茶な発言をしたことすら忘れたある日の夜,Kさんから連絡があった.
「大仙市役所まで来れる日はありませんか」
「へ?」
「バーチャル花火大会のことを市長に説明に行くのに一緒にいってもらいたくて」
「えーーーーー!!」
こうして無事に第1回の全国バーチャル花火競技大会が開催されました.子どもたちが作ったScratchの花火を,現役の花火師や市長が審査する.呼び出しなどの花火の演出はすべて本物が担当.戯言は戯言でなく,現実になりました.
そして,全国バーチャル花火競技大会は今年も開催される.今年は10月10日のデジタルの日に実施予定.今年はどんな花火が飛び出るか.楽しみにデジタルの日を待つこととする.
全国バーチャル花火競技大会2021
主催 神岡ICTラボ
内容 小学生がプログラミング(Scratch)で制作した花火の競技大会
作品応募 令和3年8月1日~9月23日(必着)
大会実施日 令和3年10月10日(日)午後6時30分~ Web配信にて作品鑑賞と審査員講評
詳細は下記のページをご覧ください.