独白Remix/廣川ちあき 1 廣川ちあき 2019年7月9日 01:29 東京の草花が一斉に死ぬときも多分こんなふうな夏の夜だろう重たい水を含んだ空気が体から魂を引摺り出すような等間隔で並ぶということになんの疑問も持たない人々視線の先には愛よりもヘイトをまき散らす宣伝文句ばかり人間どうしで人間じゃなくしあうやりかたをどこで覚えてきたのかたった今プールから上がったばかりのような瞳ですべてを見つけ直したい自分がいつから生きていたのか知らないくせに今ここにいる後ろから追い抜いて遠ざかる無灯火自転車の群れ、幻の子どもたち途切れないストーリーの夢を見ること明らかな悪意をやり過ごすこと世界の途中から隠されているいつかまではそうだと信じられていたこと僕らの手のひらの数だけ地上に紙飛行機の滑走路が存在する──はずだったことそして、それらはなかったことにされているということどこかの草原で馬が斃れ年老た星が音もなくはじけて針葉樹林の樹々には透明な血液が脈打っているそれらすべてをフィクションとして受け流してしまうならそれまでだだがそのフィクションがリアリティに輝きをもたらすとしたら?対向列車とすれ違うたびに大きな力で吹き飛ばされてしまうことを考えるそれが例えば僕たちの望まぬ力かもしれない自分がいつから生きていたか知らないくせに今ここにいる後ろから追い抜いて遠ざかる無灯火自転車の群れ、幻の子どもたち(2019.06.30)【この作品について】ラッパー・DUSTY-Iさんの作品「独白」が、共同制作者のPay a.k.a Wildpit¢hさんによってリミックスされ「独白Remix」として新たな作品が生まれました。これをきっかけに、「独白Remix」と題した作品を募るコンペが行われました。本作品はそのコンペに最終日ぎりぎりですべりこみ参加したものです。詳しくは→ https://jpn-hiphop-ch.com/2019/07/06/dokuhaku/amp/?__twitter_impression=true #ラップ #日本語ラップ #ポエトリーリーディング #Rap #独白Remix 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート