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プロキオンS 全頭診断&予想

前回の振り返り

急遽公開した木曜日の報知グランプリカップは無事に対抗と本命の馬単で決着。

アクセス数もそこそこあったので皆さんの参考になったのであればよかったです(私も馬券が当たったので良いです)

上位3頭は今後も南関東の重賞戦線であれば好走を続けていくのかな?と思う一方で4着以下については力の差が明確に出たレースでした。

第11回検討会 G2 プロキオンS

今回取り上げるのは1月26(日)に中京競馬場で開催されるG2 プロキオンSです。

今年からプロキオンSと東海Sが条件をそのままに名称とグレードが入れ替わり東海SがG3の1400m、プロキオンSがG2の1800mとなりました。

勝ち馬にはG1フェブラリーSの優先出走権利が与えられますが、東京競馬場のワンターン1600mにリンクをするとは言い難く前身の東海S時代の過去10年間の勝ち馬では2015年のコパノリッキー、2019年のインティの2頭が次走のフェブラリーSでG1制覇を成し遂げていますが、中距離気質な馬が「G2タイトルを狙うため」に出てくるレースとなっています。

それでは全頭について触れた上で結論を出していきます。

全頭診断

1 サンデーファンデー(鮫島 駿)

前の方で自分の競馬がスムーズにできれば強いタイプの馬。G1戦線に名乗りを上げるようなパンチ力も不足しており典型的な「オープン以上、重賞以下」の評価に落ち着きます。

最内枠を獲得した先行タイプの馬という点は中京ダート1800mでは大きなプラスとなりますが、一方で砂を被ると脆い部分があるのでプラスとマイナスが相殺し合っている感じです。絶対にハナをいう馬が不在なのでスタートを決めればハナを切るのはこの馬でしょう。

鞍上も岩田康誠を師匠として拝める鮫島ということでインに張り付いてラチ沿いを綺麗に回ることに徹する事は確定的となっています。

2 ビヨンドザファザー(北村 友)

ゲートの出が異常に遅く追走も完全に捨てている外回しでの追い込み一辺倒のタイプ。

他がバテバテになって最後で苦しくなったところで強襲が決まれば勝ち切るような競馬が持ち味ですが、逃げ、先行、インが圧倒的に有利な中京競馬場において求められる要素ではありません。

昨年Jpn3 マーキュリーカップで勝ち馬のクラウンプライドと接戦を演じるだけの底力はありますが、直線を過ぎても他が簡単にバテないレベルの馬が揃う中央競馬のオープンクラスで安定して好走出来る条件は無いため年齢を考えても南関東競馬への移籍も検討される頃合いでしょう。

※この後も何度か地方競馬向きという説明が出ますが、南関東競馬は7歳以上の馬の移籍を原則で認めていないため移籍をするなら6歳がその分岐点となっています。

3 ドゥエラレーデ(川田)

私が今の中央ダートのオープンクラスで一番嫌いな馬です。

2歳時に芝の2000mのG1を制覇後は芝を使ってみたり、ダートを使ってみたり、ローテーションを極端に詰めてみたりと馬主の意向で目先のレースを片っ端から使うため毎回のように取捨に悩まされます。

前走のチャンピオンズカップでは内にじっと構えてこれまでの逃げの手ではなく後方から追い込みを決めての3着と思わぬ競馬を行いました。

とはいえこの馬が一番強い条件は「ダラダラとした感じで序盤を入って前でそれを追走。楽に運んだ分の余力で後半を凌ぐ」という競馬であり中京競馬場のダート1800mはこの馬にとっては絶好の条件となります。

元来「芝とダートを兼用できるくらいの馬」が強い条件のため芝のG1で形はどうあれ勝てる能力があるのも評価できるポイントでしょう。

ただしどう競馬をしても勝ち切れない上にそのようなタイプにしては珍しい安定感が無い馬。メンバーレベル的には馬券になって当然ですが、今回騎乗をする川田が合っているのかその辺もよくわかりません。

4 ホウオウルーレット(岩田 康)

東京大賞典を制したオメガパフュームの半弟で昨年11月のカノープスSでオープン初勝利を挙げました。

この馬の評価はいわゆる「中央オープン以上・重賞以下」の典型例で先日の船橋の重賞で上位争いをしていたキングストンボーイ、サンテックスとTierで言えば同じ扱いでそれが中央にいるか、地方にいるかの違いといったところでしょう。

レースのスタイルとしては後方で脚を溜めつつ直線で開放しながら鞍上が上手く馬郡を捌きながらロスなく伸び続けるというタイプで少しでも詰まったり進路を間違えるとそこで止まってしまうリスクが同居をしています。

ただし陣営も認めている通り本質は右回り向きの馬でありベストの条件でも重賞で足りない馬が割引の条件で推す理由は見つかりません。

ホウオウ~も南関にかなり馬を送り込んでいるので中央で頭打ち状態であればこの馬も年内には移籍を決断するかもしれません。

5 サンマルパトロール(田口)

2走前の白山大賞典で3着、前走の名古屋大賞典で僅差の4着と着順だけを見たら内容は良いですがいずれもレースに全く参加出来ておらずレースが決まったところに後方から飛び込んでくるので着順がまとまるタイプです。

そのレース内容も出遅れ、追走出来ない、大外ぶん回しと中京競馬場に必要な要素はなく2月中旬に予定されている佐賀記念に選出されつつこちらへの出走を決断。世間一般的には「佐賀記念を回避した」という声がありますが、私は「どっちも出るんじゃないかこれ・・・?」と見ています。

目論見通りに佐賀記念に出走した場合に紐穴で買いたいです。

6 ロコポルティ(丸山)

シルクレーシング所有で昨年3月に6歳にして3勝クラス、オープンと連勝に成功。しかし秋に挑んだ重賞の2戦は特にこれと言った見せ場は無く能力的には完全に頭打ちの状況。

この中間は調教内容を改めたらしくこれで一変を狙っているとのことですが、器用さが絶望的に欠けており7歳まで年齢を重ねたヘニーヒューズに今更一変を望むこと自体が馬に対して酷なリクエストです。

シルクレーシング所有で本来こういうタイプは南関東競馬へ移籍をしてミッドウェイファームを活用した調教でA2級からスタートして重賞路線へ乗せていくはずが、6歳の春に3勝クラスとオープンを連勝したことで中央所属を続行したことが裏目に出てしまったように私には感じます。

陣営のコメントを読む限りやれることは全部やったのでこれでダメだと今後の方向性が見えなくなるまさしく土俵際の状態まで追い込まれています。

7 ニューモニュメント(酒井)

全盛期にはオープンでとりあえず買っておけばお金になる銀行馬でJpn1 川崎記念でも3着と好走。今回のメンバーでは実績だけならドゥラエレーデ、サンライズジパングの次に誇れるものがあります。

しかし年齢の衰えには勝てず昨年に障害競馬へ転向し一変を図るも絶望的に下手な飛越とスピード、追走力の欠落で早々に断念。中5か月と休みを置いて挑んだ前走の師走Sでは上がり最速の末脚で最後方から7着まで浮上するも「全盛期ならこれで1着まで来れていた馬」なので衰えはやはり隠せません。

これまでの追い込み馬でも触れてきた通り「中京競馬場で求められる要素を何一つ兼ね備えていない」タイプであり以前に先行意識の強い川田を騎乗させて重賞挑戦をさせた際には見事に脚が鈍って敗れたことからも競馬場に合わないとわかっていてもやることは変わりません。

既に9歳、中途半端に走れるが使いどころがない現状ではオーナーチェンジ(サラオク・サタデー)が近そうですね・・・。

8 タマモロック(幸)

典型的な東京競馬巧者で昨年オープン連続2着で鞍上をRムーアに切り替え挑んだG3武蔵野Sでは8着と惨敗。

レース後、今回の陣営のコメントを読む限り「勝ちに行った結果で負けた」らしいので「後方で脚を溜めて直線に賭けるための指示が伝わっていなかった」裏付けになります。

ベスト条件である東京1600mのフェブラリーSに出走するための唯一の方法である「1着の優先出走権利(そもそも1着になれば賞金で足りる)獲得」でここへの出走を決断したと思われますが、そのために出走する中京1800mがそもそも合うかについては疑問。

何よりも最大の問題は主戦であった永野が不祥事連発で引退をしたことで手が完璧に合う人が現状見つかっていません。

調教の動きの悪さが心身に露骨に出るタイプでもあり、今回の動きでベスト条件でもない点はどうでしょうか・・・。

9 サンライズジパング(坂井)

現在のダートの主役である4歳世代で四天王を選ぶとすればその一角に入り込めるだけの力がある実力馬。

2歳年末に賞金不足で除外となった全日本2歳優駿の代わりとして出走をしたホープフルSで3着に入ったことで3歳春まではダートではなく芝のクラシック戦線で活躍。若駒Sでも勝利をしてクラシックを走れるだけの賞金を確保出来たのもこの馬にとっては大きな出来事でした。

芝のビックレースでも戦えた実力は伊達ではなく8月に不来方賞、11月にみやこSで重賞を制覇。その中間には世代最強を決めるJpn1 ジャパンダートクラシックでも3着と好走をしています。

前走のチャンピオンズカップでは外枠を引いてしまったことから内を走れず終始外を回しながらも3歳馬が6着と古馬一線級を相手に奮闘。引き続き外寄りとなってしまいましたが、メンバーレベルも下がりもう少し内側を走れそうな今回は絶対に軽視できない1頭。

次走でフェブラリーSという選択肢が出てくるかもしれませんが、本質的には中距離タイプでありこの馬を管理する音無厩舎は2月末で定年による解散が決定済。

次走にドバイや川崎記念を目標とする場合、音無調教師にとっては関係のない話であり今回はいかにも「G2を獲りに来た」という調教内容であることもアシスト材料となっています(いわゆるヤリです)

10 オメガギネス(松山)

昨年謎のフェブラリーS1番人気にも支持されるも惨敗。それ以降も重賞勝利どころかオープンで1勝をするのが限界となっています。

昨年は京都競馬場を舞台とした東海Sで2着と好走もこの1年で大きな成長は見られていないことからオープンレベルの馬が揃ったここではある程度の評価は出来ても上位の印はどうかといったところでしょう。

同等、それ以上の実力がある馬が何頭いるかで2着で終わるか、3着で終わるか、掲示板くらいにはまとめるかが変わってきます。

11 ディープリボン(古川 吉)

2走前に中京の同条件で4歳ダート世代で重賞レベルの実力を秘めるハビレ相手に先行して0.2秒差で勝利。初のオープン挑戦だった前走のカノープスSでも6着と着順はまとめており一定の評価は出来ます。

重賞クラスの能力があるかはさておき中京ダート1800mの適性と先行できる脚質は魅力。わずか100m伸びるだけなのに登り坂が1回増えてスタミナが要求される舞台となる中京ダート1900mにも実績があることからこの手のタイプが重賞で苦しむ理由の1つであるスタミナ面の心配は不要。

中間で息が入るようなダラっとした展開になった際は穴馬として押さえておきたい馬ですね。

12 フタイテンロック(小崎)

2年前の今頃に船橋のC3の1500mでホクセツを相手に大差負けをしていた馬が中央のオープンクラスにいるという事実はなかなかに異常。

4走前のG3シリウスSにて50kgという斤量を活かし13番人気3着と大穴を開けその後も3着、8着、1着と自己条件で好走。57kgで挑む今回はこの馬の斤量が酷というよりも他との差が無いことが厳しく見えます。

※ホクセツとは
浦和競馬場に所属していた競走馬でヤリの際にトップスタートを決めて逃げ切るもそれ以外は後ろで回ってレースに参加しないことから地方競馬界隈で有名な一頭。
「浦和のあのヤリの馬知ってる?」と聞いて「ホクセツですか」と返答出来るあなたは地方クラスター。

13 カズペトシーン(西村 淳)

後ろに控えて直線で爆発力を見せるタイプの馬でハイペースだった前走のG3 武蔵野Sでは直線で前へと迫り2着と好走。

現状の賞金ではG1 フェブラリーSに出走をすることが不確定のため優先出走権利、重賞タイトルの両面を狙いここへ参戦してきました。

距離で不安が残る1400mの根岸Sとコース形状で不安が残る1800mのプロキオンSで後者を選択。外を回して迫るタイプなので枠番は特に気にする必要はありませんが後は脚質が向くかどうかの話になります。

フェブラリーS向きのレーススタイル、脚質をしているので強く買いたいのはそこに出た際ですね(なお出走できるのかは不明)

14 ミッキーヌチバナ(デムーロ)

3勝クラスの壁にぶち当たっていた割にはそこを突破すると昨年4月のG3 アンタレスSで重賞を初制覇。

ただしこの重賞を勝ったことで斤量が60㎏前後になってしまうオープンレース(L)に出にくくなり重賞に出走をこだわるも6着、5着と善戦止まりの2走が続いています。

前走は目の前の先行馬が後退をしてきた煽りで仕掛けが遅れてしまったことが着順に響いたというコメントこそありますが、それを加味してもよくて2着~3着まで。出遅れ癖のある馬、スタートの下手な鞍上なので自らロスを作りながら回ることになります。

重賞を1個勝利しているので出走メンバー次第とはいえJp2~Jpn3を目指すのも1つですが、元々「ミッキー」の馬主は地方へ馬を移籍させたり、Jpn1レベルでないと出走を毛嫌いしている節があるのでその辺の意向も関係しているのでしょうか・・・。

15 ペプチドソレイユ(菱田)

2歳12月に新馬戦を勝利もそこから1年3ヶ月の休養を挟み復帰。そこからわずか3ヶ月でオープン入りとポテンシャルは間違いなく高いです。

オープンレースで連敗をし前走は恐らくコパノリッキー産駒の特徴である豊富なスタミナ力を試すために芝のG2 アルゼンチン共和国杯に出走をして12着と惨敗。

この中間に出走をしたかったレースを除外になったことから仕方なしに登録をしておいたG2戦へ挑んできましたが実力は足りているとは言い難いです。

16 サトノエピック(高杉)

本来であれば4歳ダート最強世代の1角にいてもおかしくなかった馬ですが3歳春のJpn1 東京ダービーでラムジェットに完膚なきまでに叩きのめされた2着以降は伸び悩み状態に突入。

休み明けぶっつけ本番で挑んだJpn1 ジャパンダートクラシックでは調教過程もイマイチだったのか13着と敗れており次走はなぜか芝のアンドロメダSを使ってこれも14着と惨敗。

元々ダートの一線級を育てるノウハウが無い国枝厩舎に芝馬として混ざり込んだはずがダートで適性を示したタイプゆえにこのような迷走を招いているという考え方が出来ます。この中間の調教内容は悪くありませんが、高杉がテン乗りになるのに調教にも駆け付けることはなく大外枠から一気に内を絞って行けるだけのスピードは無いことから立ち回りが難しいレースとなりそうです。

最大の魅力は内で我慢をしながらジリジリと伸びて他の馬がぶつかって来たり、前が壁になってもそれをこじ開けて伸びていく勝負根性があることなのでそれが活かされないこの枠とコース形態は割引材料となります。

結論

◎ ⑨ サンライズジパング
〇 ① サンデーファンデー
▲ ③ ドゥラエレーデ
◮ ⑩ オメガギネス
△ ⑥ ロコポルティ
△ ⑪ディープリボン
△ ⑬カズペトシーン

「ここを勝つために挑んできた」感じがある⑨サンライズジパングの能力を評価します。後ろ過ぎず、前過ぎない位置で競馬をすることが出来る馬で溜めれば脚を使うことが出来る能力で重賞3勝目を狙います。

対抗の①サンデーファンデーは砂を被ったり後手を踏めば中京の1枠だと即アウトとなりますが、一方で逃げ馬、先行馬が不在のここなら楽な競馬が可能。スイスイ行ければ勝ち切れてもおかしくありませんが、一方で惨敗しても「知ってた」となります。

▲、◮の2頭は重賞実績はありますが、一方で何をどうしても勝ち切れない部分があるので紐には置きやすいですが決め手に欠けることから評価を少し下げました。

△の3頭は買う気がない馬達をバッサリ切って「まだ可能性があるかな・・・」と少しでも感じた馬をチョイス。

⑬カズペトシーンをフェブラリーSで狙いたい自分としてはこの馬が賞金を加算してほしい一方でこれが来たら安くなってしまうジレンマがあります。

買い目

馬単
⑨=①③
⑨-⑩
計 5点

3連複
⑨-③⑩-①③⑥⑩⑪⑬
計 9点

年が明けてから馬券の調子が異常に悪い日が続きましたが、ようやく復調モードに入ってきたのでしっかりこの重賞を仕留めて次回公開予定のS2金盃(大井11R)に繋げたいですね。

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