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『わんこの母ちゃん』 【保護犬猫活動】

ぼくはゴンタって名前のワンコ。
おじいさんがつけてくれた名前だ。
優しいおじいさんと、ぼくと、クロって名前の最近うちにやってきたネコと3人で暮らしている。

小さなクロは、雨の日に、ミィミィ鳴いておじいさんの家の庭に入ってきた。
優しいおじいさんは、クロを家に入れて、おふろにいれて、ご飯を食べさせた。

おじいさんがその時こんなふうに言っていた。
「ゴンタや。おまえに出会ったのも、雨の日だったなぁ。
いつも散歩に行くあの公園で、段ボールに入れられて、きゃんきゃん鳴いとったなあ。
このくろんぼも、おまえとおんなじで、可哀想な迷い猫だから、仲良くな。」

ぼくがおじいさんのとこに来たのは、15年前だって。

最近、ちょっと心配なのは、おじいさんが、散歩に連れてってくれる時、脚が痛そうで、胸も苦しそうで、何回も止まるんだ。
ぼくは、おじいさんが痛いなら、散歩なんて行かなくたっていいんだ。
けど、おじいさんは、こんなふうに言うんだ。
「ゴンタや。おまえもわしも、もう歳だなぁ。だから、毎日歩いて鍛えなきゃな。
どっちが長生きするか競争だな。」

ある朝、いつも早起きのおじいさんは、全然起きて来ない。
おじいさんの布団まで行って、吠えてみても、起きない。
近寄って、顔を舐めてみた。
おじいさんの顔は、氷みたいに冷たかった。

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