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放置していた自分の感情と向き合い続けた1ヶ月

ずっと自分が何をしたいのか分からなかった。 
好きなことはたくさんあったけど、どれも仕事にするのは怖かった。 
ただ、子供のころにノイローゼになった父親の姿を見て、「自分の仕事が好きな大人になりたい」と強く思ったのを今でも覚えている。

自己紹介

自分が生まれたのは田舎の小さな町で、職業と言えば役場の人と先生とお医者さんだった。 集団行動と化学が苦手だったので、どれもなれる気がしなかった。

だから伝記を読んで憧れた、レオナルド・ダ・ヴィンチがお手本になった。
実現困難だけども美しい夢は、ド文系を難関私立の工学部に進ませ、第一希望だったメーカーの研究職に就かせてくれた。 入社後も自己学習のスピードが衰えなかったのはアートとサイエンスの融合という理想を信じられたからだった。

しかし28歳のとき、勤め先の業績が悪化した。 
部門の縮小が続き、上司が苦しそうに働く姿を見て、今の会社でずっと働き続けることに対し危機感を感じた。

また、自分の特性を知らずに夢を追い続けた結果、無理が祟り、慢性的なストレスを抱えるようになってしまった。
これ以上、自分と向き合わずに働き続けることは限界だった。

それでPOSIWILL CAREERを始めた。
約1ヶ月という短い期間だったが、トレーナーの永井さんにフィードバックをもらいながら徹底的に自分の過去と本心に向き合うことで、ありのままの自分を自覚できるようになった。

ひとりではこれほど早く内面の変化を起こすことはできなかったと思う。
辛抱強く付き合ってくださった永井さんには感謝している。

POSIWILL CAREERの受講を決めるまで

POSIWILL CAREERを知るきっかけはTwitterで卒業noteを読んだことだった。 
この頃、次に何をしたいのか考えても答えが出ず、途方に暮れていた。 

いくつか選択肢は思いつくのだが、選べない。
どの選択肢を取れば自分が幸せになれそうかイメージが湧かなかった。 
必死に思い浮かべようとしても足場のない暗闇に浮かんでいるような感覚しか戻ってこなかった。 
行動すればこの感覚も変わるかもしれないとずっと学びたかった講座を受けても苦しくなってやめてしまう。 

これまでずっと1人でキャリア戦略を考えて行動してきたが、お手上げだった。
信頼できるプロに客観的な指摘をもらいたくて、キャリアコーチングの利用を考え始めた。 
無料面談でカウンセラーの大木さんが無意識の感情に気づいてくれたことに手応えを感じ、受講を決めた。

トレーニングが始まってから

永井さんにトレーニングを担当してもらった。
初期にもらったコメントなのだが、
「自分の感情の優先順位が下になりがち」
「情動的共感はたぶん昔から苦手」 
「よく発狂しないでこれまで生きてきた」 

と言われたのが印象に残っている。

自分でも 
・理屈づけが上手く、自分や他人を誤魔化せてしまう 
・自分の本音や他人の気持ちに鈍く、損得に判断が引きずられがち 
と思っていたが、その根底に感情の優先順位の低さがあるとは気づかなかったので非常にハッとした。

また、他人の考えが手に取るように理解できる一方、相手が何を感じているのかさっぱり分からないときがあったのだが、共感にも種類があることを知って腑に落ちた。
表情や仕草から他人の感情を推定するやり方をメンタライジング、他人の感情を自分の中で再現するような方法を情動的共感と言い、自分が得意だったのは前者だったらしい。

周囲に人の気持ちがわからなくて悩んでいると言っても「人の気持ちなんてわからないもんだよー」と返され、困っていたのだが謎が解けてスッキリした。

最後は人生理解ワークが終わった時に言ってもらった。 
辛いことがあっても自棄にならずに努力を続けてきたことをストレートに労ってもらえたのは初めてで、少し報われたような気持ちになった。

これらは全て、1人で考えている時では起こらない感情の変化だった。
「他人に感情を動かされる」というのは、コーチングを受けてよかったポイントの1つである。

自分に起きた変化

①自分の感情を言語化するやり方を覚えた
フィーリングを言語化するプロセスが身についた。
これまでも自分の感じたことを書き留めていたものの、トレーニングを通して「なぜそう感じるのか?」と自問しなければ自分が感じていることの結果しか認識できないのだとわかった。 
自分の感情をうまく扱えるように、これからも継続していきたい。

②自己否定感の原因がわかった
インナーチャイルドワークで初めて気づいたのだが、傷ついたまま心の奥に閉じ込めていた自分が2人もいた。

1人は絵を描くのが好きで、漫画家になりたかった幼い自分。 
「やりたいことをやればいい」という一方で、夢を毎回否定してくる母に強い憤りを感じていた。
それがいつの間にか自分の邪魔をする人間を許さない姿勢になっていた。

もう1人は友人に恋をして、人間関係が泥沼化した高校生の自分。
相手を大事だと思う気持ち、自分の状況を理解してもらえない辛さ、自分だけが他の友人に嫌な態度を取られる苛立ちを同じ強さで感じていた。
誰にも頼れない辛さは傷つく前に状況をコントロールしようとする発想に変わっていった。

1人で問題に対処するたび、戦略を立てるのが上手くなった。 
目的を達成した時は達成感を得られたが、傷ついた自分は癒されなかった。 
自分の本心に従って生きられないことが惨めだった。 
これが自己否定感の原因だった。 

自己対話を続け、
・自分は社会的に報われにくいと感じた本音から目を逸らす傾向にあること
・本音を無理に封じこめてもそれ自体が消えることはないこと 
・傷ついた自分を癒すには理解と受容が不可欠であること 
を学んだ。

「絵を描くことを自分の仕事にしたい」「友人への恋愛感情を認めたい」という本心は、どちらも「社会的な承認が得られにくくても、自分の価値観に正直に生きたい」というメッセージが共通していると思う。
これに気づいて尊重してあげることが自己否定感の解消に必要だった。

③自分を愛するために、愛とは何かを学んだ
後半に差し掛かるころ、本を紹介してもらった。 
自己を愛するにはどうすればいいのか知るためだったのだが、これほど真面目に哲学書を読み込んだのは初めてで苦労した。

しかし、独自の言葉で紡がれる「愛」の理論はとても面白かった。 
「愛は理解・尊重・責任・配慮の要素を含んでいる」という説明を読んで、自分が愛(4つの要素が揃っている)と好意(どれかの要素が欠けている)を区別していたことや、好意に拒否反応を示すことに納得がいった。

「愛」には色々なパターンがあることを知った今では、以前ほど不気味さを感じない。 もし自分や他人の「愛」を信じて良いか迷ったら、まずは愛の基本要素が備わっているか観察してみようと思う。

④自分の価値観を自覚できた
下記はトレーニングを通じて気づいた自分の価値観である。 
・経済的自立を重視しているが、権力を持つことには魅力を感じない 
・自分で考え、自分で決めるのが好きで、他人が原因で計画が頓挫するのを嫌う 
・スペシャリストとしての活動や技能の上達に満足感を抱く 
・目的意識が強く、長期間でも問題解決のために意識を集中し続けられる
・特定のことにしか興味を抱けないのではなく、自分が興味を持っていないことに注意を向けられない 
・ありのままの自分を好きだと言ってくれる人のことを、身を持ち崩すほど大事に思ってしまうところがある 
・自分を偽るように何らかの強制や抑圧を与えてくる環境にいると精神的に窒息する

次の仕事を決め切れなかったのは残念だったが、
・サラリーマンというより、自営業に近い感覚を持っている 
・絵を描き続けるために経済的自立を必要としている
ことがハッキリし、選択肢の評価ができるようになった。

トレーニングを振り返って

今回の受講は放置していた自分の感情と向き合った体験であるのと同時に、理解者も指導者もいない孤独を癒してもらった体験だった。

人間不信を感じなくなった時、興味のあることにチャレンジできるようになった時、本当に諦めなくて良かったと思った。

またいつか挫折を経験するのだろうが、今回立ち直った経験が未来の自分に希望と自信を与えてくれると信じている。 
変化の大きい時代で自分の価値観を見失わずに生きるのは大変だけれど、立ち戻るべき自己を心の中に持っておきたい。 
次に取り組む仕事は見つけた価値観に照らし合わせてじっくり選びたいと思う。


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