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豆腐からフランスパンへ。

ぼくは知っている。
かあちゃんが豆腐からフランスパンに変わったことを。

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かあちゃんは自分の心が変化した過程を「豆腐がフランスパンになった!」と例えて話す。

とうちゃんとかあちゃんが一緒に住みはじめた頃、かあちゃんは豆腐だった。
まだとうちゃんの厳しい口調や核心をついた言葉をグサっと言われることに慣れていなくて、何かあると涙をポロポロ流して口をへの字にしていたらしい。

泣いてるかあちゃんを見ても、とうちゃんは「泣いたらなんか変わるのかよ」と続ける。

そこでかあちゃんの脳内に流れるBGM
♪泣いたって何も変わらないって言われるけど〜だれだって〜そんなつもりで泣くんじゃないよね〜

寝床でしんみりとtime will tellを聞いた日々。

ふとした時にとうちゃんの言葉を思い出しては胸がグウーッとなるけれど、そのうちに
「なんか言われっぱなしもムカつくな…わたしだって、わたしだって、、やってやるー!」と最終的にはフンフン言いながら頭から湯気が出るらしい。

そんなことを繰り返しながら
ちょっとしたことで形が崩れる絹豆腐から
パン切り包丁でギコギコしても中々切れないフランスパンへと変わったのだそう。


大人になってから変わることってそんなにも難しいものなのか。
ぼくにとっちゃ毎日変わることの連続だ。まるでスライム。だから、たまにわけがわからなくなって夜中に奇声を発してしまうけれどしょうがない。

かあちゃん次はフランスパンから何に変わるのかな〜。

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