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外国人コミュニティとともに生きる
2024年6月22日土曜日、水戸市国際交流センターで催されたイベントに行ってきた。
室橋裕和さんという方の講演会に参加した。
室橋さんは記者としてタイに住んでいた経験があり、現在はアジア専門のジャーナリストとして日本のあちこちで外国人コミュニティなどに取材を行い、記事を書いている。
本も出していて、どの本も興味深い。
エスニックファンなら遅かれ早かれ、いつか知ることになる方だろう。
今回の講演会のテーマ
「なるほど!世界セミナー ~茨城県の外国人コミュニティをめぐる~」
茨城県には多くの外国人コミュニティがある。「外国人」と言っても、さまざまな国、地域のルーツを持つ人々である。その人たちが日本にやってきた経緯・歴史、日本にいる外国人とどう上手くやっていくか、などのお話を聞くことができた。
茨城県で行われた講演会だったが、同じく外国人が多い群馬県に住む私にとっても、非常に勉強になる話だった。
今回学んだことと、思ったことをまとめてみた。
忘れないうちにアウトプットしたかった。
外国人だって、ただお気楽に生きてるわけじゃない
日本が抱えるさまざまな外国人問題を考える上で、一番最初に誤解を解いておきたいことだ。
外国人が日本に来て、何にも申請を出さずに好き勝手に働いていいわけじゃない。
日本で働いて生計を立てる過程で、絶対に必要なことがある。
それが在留資格の取得だ。
在留資格とは、
外国人が日本で一定の活動を行って在留するための入管法上の資格、つまり「どういう目的で日本にいるのかを示す証明書」のようなものだ。
在留資格は、中長期滞在の外国人が持つ在留カードに記載されている。
在留カードは常に携帯することが義務付けられており、持っていなかった場合、厳しく取り締まられる。結構シビアなのだ。
在留資格には一定の期限があり、その期限は人によってバラバラだ。
期限があるということは、いつまで日本にいられるのか分からないのである。
「日本で働けなくなったらどうするのか」、「国に帰えるなら何をするのか」、「子供の進路はどうするのか」など、先の見えない不安の中生きている。
未来への不安を抱えて生きているのは日本人も外国人も変わらないのである。
私の中にあった、「外国人はなんとなくお気楽そうに生きている」みたいな偏見がなくなった。
散々搾取して都合が悪くなったら追い出してきた
バブル期には中東やパキスタン人の労働者が多くいたが、1980年代後半から日系ブラジル人に取って代わった。
その理由を、私は知らなかった。(というか生まれてないし汗)
バブル期に人手不足となった肉体労働の仕事の担い手として、中東やパキスタンなどから不法就労者としてやってきた。
日本側は不法就労を黙認した。日本人がやりたがらない、いわゆる3K(キツイ・汚い・危険)の仕事を外国人の不法労働者にやってもらうことで産業が成り立ったからだ。
しかし不法就労者が問題視されたら、今度はブラジル人中心の南米の日系人を正規の就労者として招き入れた。もともといた不法就労者は逮捕されたり、国に帰ったりした。
見放され、行き場を失った外国人が犯罪に手を染めることも起きる。
労働者として搾取して、都合が悪くなれば追い出す。
居場所がなくなった外国人が良くない方向へ向かい日本の治安を乱す。
日本は自分の首を絞めている。
そんなことが繰り返されてきた歴史がある。悲しい。
日本人と外国人、現状の課題
ゴミ、騒音
→週末に大声でバーベキュー、ゴミの分別が出来ない・分かっていてもやらない、など。言葉の壁
→日本語を流暢に話せても読み書きまでできる外国人は少数。できることが限られてくる。地域とのいざこざ
→寺院や商店などが増えているが、近隣とコミュニケーションが少ない。予告なくお祭りなどをしていると、近隣住民から苦情が出る。偽装難民
→本当の難民ではないものの、就労するためのワンステップになってしまっている。失踪する技能実習生
→失踪して不法就労する人もいる。始めから「不法就労の方が儲かるから」という理由で失踪する人もいるが、追い詰められてそうならざるを得ない人もいる。
一番心配なのは、大規模な災害が起きた時
もしも大規模な災害が起こった時、避難所に日本人と外国人が一同に会して協力しあえるだろうか。
ドキッとした。
正直、外国人が多い地域に暮らしていても、そこまで関わりはない。
あんまり考える必要はないと思いががちだけど、災害の時は否が応でも一緒になるだろう。
災害大国日本、協力が必要になる時が、必ず来る。
行政がすべきこと
偽装難民の取り締まり
→不法就労を斡旋する悪質な派遣会社がある。外国人が日本で違法行為をする原因を潰していく。積極的なコミュニケーション
→行政は足を運ばない。どこにどんな外国人がいるか知らないことが多い。ボランティアの日本語教室に頼っている現実がある。まずは知ること、それが大事。教育
→外国人が日本語や日本社会でのふるまい方を学ぶ場所として、夜間中学や定時制高校があるが、数が少ない。外国人コミュニティがあるすべての自治体に必要。お金を注ぎ込むべき。
「外国人がどうなろうと関係ない」と都合よく利用して、都合が悪くなったら追い出す。そんなことをしたら追い出された彼らが次にすることは明白だ。
外国人を労働者としか見ないで、排他的になって待っているのは自爆である。
逆に、積極的に関わりを持つことによって、きちんとした納税者になってくれるかもしれない。日本のさまざまな場所で活躍する人材になるかもしれない。
外国人の存在がリターンになるか、そうじゃないかは、我々次第だ。
より良い街づくりのために私たちができること
もしも、私の家のすぐ隣に日本語が話せない外国人が引っ越してきたら、上手くご近所付き合いができる自信はない。
もしも、近所にモスクや見慣れない寺院などの宗教施設ができて、外国人が大勢集まって聞きなれない言語で話が飛び交いガヤガヤしているのを見たら、それだけで不安が湧いてきそうだ。
そんな時、私にできることは何だろうか。
挨拶する
→アジア系の外国人はもともと近所付き合いを好む。顔見知りになるだけで不安感は減る。
ゴミや騒音など、日本人は外国人に不満を言えないことが多い。言ってみれば変わるかもしれない。一歩踏み出すことが大事。外国人の立場を知る
「搾取され続ける外国人が可哀想」「犯罪の種を日本から追い出すべき」など、外国人問題を考える時には、意見が極端になりがちだ。そうではなく、きちんとその人のことを知ることが大事だ。彼らは、地域経済を支えている。そして私たちと同じように家族がいたり、泣いたり笑ったりする同じ人間だ。労働者としてではなく、生活者として見よう。
ゴミや騒音について言ってみるのはなかなか勇気がいるな。(笑)
ちょっとできないかもしれない。中継ぎ役がいたらいいかも。
実際、警察がそうなのかな。
今回の講演会の内容は室橋裕和さんの『エスニック国道354号線』という本の内容と類似していた。
北関東の話ではあるが、外国人問題を考える上で日本在住なら必読書だ。
リンクを貼っておく。
※私はただのパンピーで、使いの者ではない。
※ただのエスニックファンだ。使いの者になってみたい。