きみのうたがすき
松田元太くんが、アイドルとしての一歩目をスタートした日に寄せて。
アイドルを応援している醍醐味ってなんだろう。きっと、人それぞれ違うと思うんだけど。私は、いろんな音楽を聴けることだと思っている。いろんなクリエイターが、そのアイドルを思いながら作った曲たちは、どれも個性豊かで素敵。特にTravis Japanは、踊ることを武器にしたグループで、落ち着いたテイストの曲ですら、めちゃくちゃダンサブル。
彼らがJr.の頃から、どの曲も素敵だったんだけど、残念だったのは、イヤホンで、スピーカーで、良い音質の音源を聴けなかったこと。コンサートの映像や、ダンス動画で、聴き込んではいたけれど、音源として手元になかったことが、残念だった。
デビューが決まって一番嬉しかったのは、やっぱり音源が手元にやってくることだった。イヤホンで聴ける。スピーカーから聴ける。それが楽しみ楽しみで、実際に手に取れるようになってから、本当にたくさん聴いた。
音楽を聴くときに、何を一番の情報として受け取っているのかも、人それぞれ違うと思う。私は、全体としてのビートと、歌声。歌詞とかメロディももちろん大事なんだけど、私は、音としての情報の方が先に入ってくる。前置きが長くなったんだけど、今回、アイドルとして一歩目を踏み出した日に寄せて書くnoteは、元太くんの歌声について書いてみようと思う。
個人的に、雑味のある声が好きだ。BUMP OF CHICKENの藤くんや、TaNaBaTaのあにーさん、錦戸亮くん。純度の高い声というよりかは、何か混じり気のある声に、良さを感じることが多い。
元太くんの声は、どちらかと言うと純度が高めな声質をしていると思うんだけど、担当ということを抜きにしてもたまらなく好き。すごく不思議な響きをしていると思う。純度が高いんだけど、雑味を混ぜ込んだ声も同時に出てくるというか、空気の密度が自由自在というか。そう。空気の密度。あんまり理科には明るくないから、物理的に正確かどうかは置いておいてもらえると嬉しいんだけれど。真ん中に一本空気密度の高い音を残しておきながら、その周りの密度を少しずつ抜いている、そんな雑味の入れ方をしているのが、元太くんの声だなって私は捉えてる。たまに、トロンボーンに例えたりするんだけど、そういう、中低音域で、音階の切れ目がゆるやかな楽器のような声だなあ、って思う。前に出る尖った声ではないから、ユニゾンになると埋もれてしまうんだけれども、そういう間を埋める声も大事だと思う。
ここからは、この歌割りが、めっちゃ、ツボなんだ!ってことを語っていこうと思う。是非その後聞いて欲しいから、サブスクで聴ける曲だけ、という縛りプレイを自分に課してみた。本当は全曲レビューしたいんだけど、4つだけ、ピックアップします。あんまりにも長くなりそうだから。
①息継ぎの雑味がたまらない Okie Dokie!
イントロの、元太くんのフェイク。この「Ah」という純度の高い音を出す直前に、少し雑味のある息継ぎを引っ掛けてる感じが、めちゃくちゃ好き。
うまいこと言葉で伝える自信がなくて、自分で音符を書いた画像をつけてみる。元太くんは音と音が変わる瞬間がなめらかなことが多いんだけど、この息継ぎが入ることによってビートがはっきりするのかなって思う。ゆるい音のイントロから、Aメロはガッツリ四つ打ちが刻まれるから、このフェイクが曲のリズムを作ってるのかも。あと、柑橘系の甘い匂いがしそうな声なのも好き。
②これぞ雑味真骨頂 PARTY UP LIKE CRAZY
Aメロの冒頭、まず声が良い。純度の芯を残しながら、周りに雑味を含んだ絶妙な声質。息継ぎビートも生きている。
そして、元太くんの歌い方は、音符いっぱいに音が伸ばされているのが本当に気持ちがいい。音符いっぱい音が伸びることで、休符が生きる。休符が生きればビートが生きる。そんなグルーヴを感じられるパートがこれです。あと、割と低い音で歌ってるんだけど、音質が軽めだから低く聴こえすぎないのも良い。※楽譜はト音記号で書いてるので、本来はこのオクターブ下です。
③音価いっぱいのグルーヴ Turn Up The Vibe
PARTY UP LIKE CRAZYでも書いたけど、これも、元太くんの音符いっぱいに伸ばされた音でビートとグルーヴが感じられる、最高のAメロの入りだと思う。16分音符のシャッフルが絶妙に生きている。これもまた、芯は純度いっぱいで、その周りにゆるやかな雑味が混じった声質なのが最高です。そして、この音質が作る、冒頭サビのユニゾンからの落差がめちゃくちゃゾクっとします。※楽譜はト音記号で書いてるので、本来はこのオクターブ下です。
④1フレーズで雑味を自由自在に操る Moving Pieces
一番サビのパート。最初の「Moving pieces」では純度の高い元太くんの声が楽しめて、「up with me」で少し雑味を混ぜてくる。多分、天然でやっているんだと思うんだけど、自由自在すぎてうわ〜!!!!ってなる。この曲でも、音価いっぱい使っていて、特に「up with me」のところは、細かい休符がたくさんあるからこそ、めちゃくちゃ生きてる。耳心地が良い。
もっともっと紹介したい曲はあるんだけど、大体同じことをループして言うだけになっちゃいそうだから、ここまで。
元太くんの歌声が好きだし、こうして良い音質の音源を紹介出来ることも嬉しい。これからも、純度と雑味を自由自在に操る声がたくさん聴けると良いな。好きなパートがたくさん増えると良いな。