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18切符で列島縦断 7日目ゴール 音威子府~稚内 最北端の地観光
朝5時に目覚ましと共に起きる。ゲストハウスで一度も途中で起きずに熟睡できた。熟睡といっても5時間睡眠ではあるが。乾燥機の中の服を取り込む。廊下であの台湾のカップルとすれ違った。会釈する。もう出るみたいだ。
自分も出発の準備をして昨日渡された宿泊思い出ノートに感想を書き込み、宿を出る。外はかなり吹雪いており、雪をズボズボと踏んで音威子府駅まで行く。足首辺りまで足が雪に入り、靴の中が濡れてしまった。作業員の人達が駅の前の雪かきをしていた。駅舎に入ると先ほどのカップルがいる。同じ始発に乗るようだ。
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今日のルート
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Y!乗車案内で作成
音威子府⇒稚内
2024年03月18日
05:35 ⇒ 08:08
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所要時間 2時間33分
運賃[IC優先] 3,190円
乗換 0回
距離 130.1km
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■音威子府
↓ 05:35~08:08
↓ JR宗谷本線 稚内行
■稚内
ついに日本最北端の駅、稚内がもうすぐだ。もう18きっぷの5日間を超過してしまったので普通に運賃は払う事になる。
5:35さっきのカップルと共に稚内行列車に乗り込む。暖房が効いていて暖かい。上着を脱ぐ。車窓から流れてくる景色はずっと豪雪の大自然の映像だ。線路に沿って流れる川は天塩川かな
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7時頃、幌延で10人ほど一気に中学生位の子たちが列車に乗り込んできた。こんな所から通学してるのか、凄いな。車窓から見える小さな幌延の町の風景を見ると、何軒かアパートかマンションかが立っているのが見えた。あそこに住んでいるのかな
豊富でさらに乗ってくる。通学路なんだな
その小規模な町を過ぎるとまた真っ白な雪原の風景。本当に雪と木以外何もない。
そこから1時間ほど列車に揺られていると風景が変わってきた。結構な数の建物が見える。街だ。稚内市に入った。車通りもそれなりにある。民家の他に様々な施設が見え、マンション、市場、ホテルなど発展した様が窺える。中学生達は稚内駅の手前の南稚内駅で降りた。そっちの方が市街なのだろう。
8:08稚内駅に着く。列車を出るともの凄い突風。飛ばされそうだ。ホー厶には日本最北端の碑が建っている。そして枕崎でも見た、最南端と最北端の市の友好都市締結の看板。ほかにも枕崎駅から3099kmと書かれた縦看板があった。ついに列島縦断完了だ。やったぞ。
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一晩到着が予定よりズレたが、一泊して次の日は札幌行の夜行バスが来るまでフリーの予定だったので問題ない。23時の夜までヒマだ。
稚内駅の様相はかなり大きな駅舎であり近代的だ。5階建てで改札口にカフェもある。商業施設と一体化しており2Fにシアターなんかもあった。最南端の枕崎駅とは大違いである。稚内市は枕崎と違ってちゃんとした都市だからな。
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朝飯がまだなので改札口のカフェでモーニングセットを頼もうとした所、8時までだった。今は8:15、ギリギリ注文不可能。仕方なくカフェオレだけ頼み、一服して構内のセイコーマートでおにぎりを買って食べた。
宗谷バスのターミナルが隣接している。ここから1時間ほどで宗谷岬に行けるようだ。これは乗るしかない。宗谷岬のバス往復券を買う。9時半出発だ。
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それまで街を散策しようと思ったが、風が強すぎる。立っているのも苦労するくらいの勢いだ。本当に寒い。凍てつく寒さなので駅の待合室で待つ事にした。
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9:30バスに乗る。同じ宗谷岬往復券を持った大荷物の人々で席の半分が埋まる。あの台湾のカップルも乗っていた。目が会い会釈する。ずっと一緒になるな
稚内市街を走る。除雪車が通っており、道の端に多量の雪が積まれていた。街には高校、大学、マクドやミスドもあった。
街を抜け海岸線を走っていく。景色は車内と外との寒暖差で窓が白く曇っており、正直そんなに見えない。
あ、拭けばいいのか。手でこすると白い浜に波打つオホーツク海が見えた。
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道中、富磯小学校前という停車駅を通過した。こんな何も無い海岸線に小学校なんてあるのか。車窓を見ると確かに小さな校舎が見え、周囲に家々が建っていた。googleマップを見ると営業中、ちゃんと生徒がいるんだな
さらに先に進むと中学校前という停車駅を通過。中学までもある。
10:20宗谷岬に到着。三角錐の記念碑が見えた。皆と共にバスを降り、碑に向かう。ここでも風が強く顔が痛くなる。次々に碑の前に立って記念撮影する人々。それをぼーっと見ていると、台湾カップルの彼氏の方が写真?と言い、記念写真を撮ってくれた。ありがとう
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三角錐の記念碑の他に、間宮林蔵の銅像もあった。樺太を調査し島と確認した人だ。
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寒いので近くの土産物屋の中に入る。土産物屋でよくある、そこの名物が印字されたクッキーやガラスの置物があった。とりあえず温かい飲み物が欲しかったのでココア缶を買う。レジで最北端到達証明書なる物を発行してくれるそうなので、200円でそれを発行する。
近くに宗谷岬神社があった。お参りする。お願い事は大学生活が順調に行きますように!
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他にも宗谷岬周辺には牧場や風車の道など、名所はあったが雪でとても行けそうになかった。稚内は夏に行くべきだな
次の稚内市街までのバスは11時発。それまでバス待合室で待つ。待合室の中はペンで書かれた記念碑到着のラクガキでいっぱいだ。ヒッチハイクで日本一周してきたとか沖縄から来たとか海外から来たとか、そんな感じ。
11:04バスに乗って稚内駅に戻る。
台湾のカップルが道中の潮見三丁目という稚内市街の所で降りた。互いに手を振ってさよならの挨拶をする。少し長い付き合いだったな
11:30駅に着く
駅構内には墨絵詩書家の小林白炎氏の無料展覧会がやっていた。あどけない少年少女の墨絵と共に名言が達筆で書かれていた。考えても分からない未来に悩むだけ無駄、為すべきことをなし今を生きる、と絵の中の少年が言っている。そうかな、そうかも
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構内のお食事処で稚内丼を食べる。タコ、ホタテが入った丼だ。玉子とじでホタテは揚げられていてうまい。
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構内を歩いていると、リンゾウくんのキャップモザイクアートがあった。リンゾウくんは間宮林蔵モチーフの稚内市のゆるキャラだ。
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観光案内所で稚内案内パンフレットを取り、どこ行くか決める。稚内副港市場に行ってみよう。そこまで中央アーケード街を通って行く。
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顔周り寒すぎるのでアーケード街の服屋に入る。帽子か何か買おうかな。その服屋はアウトドアのブランドが結構置いてあり、カラビナとかキャンプの小物とかも売っていた。売っている帽子もモンベルとかだが、値札を見ると、8千やら9千やら、こんな高いんか。500円位かと思った。買えない。代わりに耳当てを買う。モンベル製でも千円で買えた。店員さんに何処からか来たのか尋ねられた。京都と答える。京都と違い寒いでしょ、と言われた。そうだよ桁違いだ。
耳当ては殆ど使った事がないが、暖かく折り畳み出来使い勝手が良かった。
中央アーケード街を抜けて進むと、文化財の旧瀬戸邸があった。まずここに行ってみようか。家屋は昭和築の近代和風住宅。田舎に行ったら普通に見かけそうな建物ではある。ここは稚内の漁業を発展させた瀬戸常蔵さんの経歴と稚内漁業の発展の歴史を伝える史料館だ。
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本来ならガイドさんがいるそうだが、今日は当直が一人だけのようでガイドなしだった。残念。
展示写真のテキストを読んで回る。
稚内は江戸後期からニシン漁が盛んだったようだ。様々なニシン漁に使う器具が展示されていた。戦後には樺太から帰国した人々で人口が増え、さらに地曳網漁が始まったことで漁獲量が拡大、昭和の一時期は60船もの大艦隊を持つ一大漁港になったようだ。しかし、ソ連が200海里宣言をした事で近海の街の稚内は船の数を制限しなければならず、徐々に数を減らされ今は地曳網の船は5船だけのようだ。現在の漁港のモットーは自然との協調みたいな事だった。乱獲しないとか、魚を後世に残すような取り組みをしている。
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瀬戸邸を出て、次は実際に漁港、市場に行ってみよう。
海沿いに出て少し歩くと、漁船が泊まっているのが見えた。4,5船位か?どれも「HK-◯◯」という番号が船体に描かれていた。ホッカイドウの事かな。
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その先には市場があった。近年開業かリニューアルされたようでキレイだった。市場には樺太記念館や温泉「港のゆ」、レストランなんかも隣接している。温泉は夜入りに行こうか。市場の中に入ると、天井からは大漁旗が幾つも吊り下げられていた。様々な魚が並んでいる。別に買う事はしないが、少し見て回る。本入口のほうに大きなカニの水槽があった。若者グループがその前で写真を撮っている。市場内にはカフェもあり、アイスクリームなんかも売っていた。
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市場を出て樺太記念館へ行こう。港のゆの入口の側だ。しかし行ってみると、ちょうど月曜日は休館日だった。なんてこった。仕方なく入口の側にある、中に入らなくても見れるパネルだけ見て回る。
樺太が1905年樺太・千島交換条約で日本領になってから終戦までの40年間ほど、この新天地に夢を抱いて多くの人が移住したようだ。最盛期はなんと40万もの日本人が暮らしていたという。そんな多かったとは。街も7つほど出来、写真からその賑わいが見て取れる。この街が今どうなっているのか知りたいな。
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樺太記念館を後にし、今度は南稚内駅の方へ行ってみる。歩道は雪が3,40cmほど積もり、雪に足が取られる。靴下がもうビショビショだ。また、通りを渡る時は車で踏み固められた氷状の雪の上を歩くため、滑りそうになる。
青看板に日本語、英語の他になんとキリル文字もあった。ロシアからアクセスが良いから露人の観光客の為なんかな
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歩く事に苦労しながら南稚内駅周辺についた。駅前の通りはオレンジロードとパンフレットに書かれており、飲食店街になっていた。もうすぐ15時だし、なにか甘い物でも売ってる店ないかな、通りを歩く。通りは居酒屋やバーが多く、ここが賑わい始めるのは夜のようだ。まだまだシャッターが閉まっている。
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通りの地元のケーキ屋に着いた。菓子夢工房クドウだ。そこで何か軽く食べれる甘い物を買おう。イチゴが乗ったプリンが売っていた。購入し南稚内駅の待合室で座って食べる。かなりドロドロしており飲むように食べれる。美味しい。
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南稚内駅から電車に乗って一度稚内駅に戻ろうと思ったが、時刻表を見ると列車が1時間に1本ほどしか来ない様だった。そうだ、ここが辺境の都市である事を忘れていた。駅を出て市内バスに乗って稚内駅まで行く。
稚内駅で少し休み、次はノシャップ岬へ行こうかな。北海道の先端の出っ張りの宗谷岬でない左側の方の岬だ。灯台と小さな水族館があるらしい。ノシャップ岬はへんぴな場所にある宗谷岬と違い道中ずっと稚内の街である。街の端にあるのだ。市内バスで行ける。
バス乗ってノシャップ停車駅で降りると家々の先に赤と白のシマシマ模様の大きな灯台が見えた。少し歩いてそこまで向かう。
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灯台の麓に水族館があった。しかしすでに閉門しており、4時までの営業だった。今は4時半、残念。外からでも聞こえるトドか何かの声で自分を満足させる。
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灯台をもっと近くで見てみよう。根本に行くとパネルがあり、説明が書いていた。全長43mあり、日本で2番目に高い灯台だそうだ。
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そして岬を進むと公園があり、ノシャップ岬の碑が立っていた。碑のそばには赤く錆びたイカリが無造作に置かれてある。右半分が柵に引っ掛かってるじゃないか。これは碑の飾りの一つなのか誰かの船乗りの置き忘れなのかどっちだ?
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柵に手をかけ海を眺めていると遠くに客船が見えた。汽笛が鳴る。この稚内に着岸するのかな。
ノシャップを後にし、バスで戻ろう。パンフレットを眺め、次は稚内港防波堤ドームに行く事に決めた。稚内駅の手前の神社前停車駅で降りる。左手に北門神社があったが、右手に進むと防波堤ドームがすぐなので神社は後で行ってみよう。
稚内港北防波堤ドームはアーチ状でローマ建築の様な柱が連なって立っているのが特徴的な防波堤だ。そばにプレートが付いており、土木遺産の称号と共に説明が書かれていた。
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戦前、高波や強風が吹き荒れる稚内港に防波堤を築くのは急務であり、そこで任された当時26歳の若き技師、土谷実は既成概念に囚われる事無くこの防波堤を設計し、防波堤は長年港を守り、愛され今や観光名所になっているのだそうだ。
太い柱に向かって天井が弧を描きドームを成している。それが無限鏡の様に遠くまで続いていた。端まで駆けて行きたいものだ。
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防波堤を後にすると、先ほどノシャップ岬で見た客船が港に泊まっていた。岬にいた時はあんなに小さかったのに、近くで見るとでっかいもんだ。
次はさっきの北門神社に行こうとも思ったが、パンフレットを見ると高台の稚内公園からの夜景がキレイらしい。日の沈む前には登って日暮れを通して見たいので先に公園に行こう。そこで晩飯も食べようか。セイコーマートで飯を買う。15分程歩き稚内公園の入口まで行く。5時半過ぎ、もう日が暮れてきた。街の灯りが付き始める。夜だ。まだ入口まで行ってないのに。まあいいや、暮れてしまったならゆっくり行こう。
公園の入口を通り高台へ向かう道路を少し歩いていると、途中で道路凍結のため通行止めになっていた。門が閉まっている。嘘だろおい。あ、でも車は駄目でも歩きなら行っていいかね。門は隙間が空いていて通り抜けられるので抜けてそのまま突き進む。歩いているとコンクリートが凍っており、つるつるすべすべってコケそうだ。誰も登ってないだろうから多量の積雪がそのまま残っていた。歩き辛い。モゾモゾと歩き進む。
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しばらく進むと人影が見えた。こんな晩に誰か居るのか?と思ったが向かってみると人でなく女人像だった。石版に説明書きがある。氷雪の門というらしい。戦後樺太からの門は18年ほど固く閉ざされ、日本へ帰る事が出来ずにその間に異郷の地で亡くなった人々の鎮魂碑だそうだ。
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氷雪の門に敬意を払い先へ進むとすぐ高台の展望台に着いた。夜景だ。稚内の街の全てが見渡せる。稚内なんて来る前は都市が形成されてる事すら知らなかったが、そこにはニシン漁と共に発展した歴史があり、活気ある街並みがあった。こんなに日本の最北端の地が豊かな街だなんて思わなんだ。東京や札幌の展望には見劣りするが、稚内も良い景色だ。何より苦労して自分で登って来たんだし想いに深みがある。
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展望台のベンチに座って飯を食う。ベンチは雪で半分埋まっていた。雪を払いのけて腰掛け、夜で手元が見えないのでライトを付けて食べる。まだ若干おにぎりが暖かい。美味しい。寒いが景色と飯が良いので関係ない。食べながらパンフレットを見ていると、北門神社から稚内公園へ行ける遊歩道のルートがあったらしい。自分はかなり遠回りしていた。そっちから行けば良かったかな。帰りはそのルートで行こう。
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飯を食べ終わりベンチを立ち上がる。積もった雪に足が取られコケそうになった。少し歩きその遊歩道から降りようとすると、階段が手すりの高さまで雪で埋まっていた。行けないやん。いや、僅かに足跡があり人が通った形跡があるので行けるか、埋まっていようが突き進む。ヒザ下まで足が雪に沈むが足を振り上げ進む。しばらくすると神社が見えてきた。神社の境内に降り立つ。境内は雪が掃けられており快適に歩ける。本殿にお参りをし、階段を伝って街に降りる。もう足がぐしゃぐしゃだ。そうだ、市場の側にあった温泉に行こう。20分ほどそこまで歩く。
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温泉に着いた。19時半である。ゆったり浸かろう。室内の一番大きい風呂に入る。熱すぎなく丁度いい温度だ。露天風呂もあるのでそっちも行く。扉を開けると外気が一気に体を包む。降雪が肌に触れる。寒すぎる。すぐさま風呂に入る。水面は湯けむりが立ち、ドライアイスみたいだ。露天風呂からは港が見えるそうだが覗き防止の霧ガラスの柵があり立ち上がらないと見えない。寒いので無理。景色はお預け
風呂を上がる。風呂上がりといったらコーヒー牛乳だよな。ビン売り自販機へ向かう。
何、コーヒー牛乳が無い。温泉の休憩所にはコーヒー牛乳が2レーンほど置いてあるのが定石じゃないのか?しょうがない、近しい存在であるイチゴ牛乳を買って飲む。
一服もしたし、23時の夜行バスに乗るため稚内駅のバスターミナルへ向かう。風呂上がりの火照った体に雪景色の街の外気が心地よい。音楽を聞き流しながら歩き15分ほどで稚内駅に着いた。
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駅のバス待合室で23時まで待つ。
夜行バスが来た。自分の他に6人ほどおっさんが乗る。これに乗り明日の朝には札幌に着き、そこから新千歳空港に行くのだ。列島縦断完了、帰路につく。夜行バスはめちゃリクライニングが出来るので快適に寝れる。おやすみ。さよなら稚内
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