大人とは
「大人」って何を基準にしてそう表すんだろうか。
ハタチになったときなんて自分の想像していた5億倍は子どもだったし、なんなら高校生とほとんど変わらない気がした。
会社に勤めてもそれはあまり変わらなくて、会社には申し訳ないが今思うとバイトと差異があると思えなかった。強いて言うのであれば、ほとんど毎日通って、お給料の額が少し違うだけ。責任感が違うという人もいるけれど残念ながらそのようなプレッシャーも感じられなかった。(そういう仕事が回って来なかっただけとかじゃなく、どの仕事も責任の伴うものだと前提して)
自分が「大人」になったなあと「大人」だと感じる人は世の中にどれだけいるんだろう。
たぶん、そう感じられるようになるのは人によって大分時期に差があると思うけれど、とりあえず私は今のところ一度も無い。
強いて言うのであれば、就職したときだ。
でも、それも感覚としては「やらなければいけないことが増えたなあ」という感じ。
それでも依然として私はまだ「大人」になったなあと感じられることは無い。
むしろ、働きだしてから泣き虫になった気がするし(というか私こんなことで泣いちゃうんだと思うことが多くなった)弱くなった気もする。圧倒的に気持ちの問題なのはわかっている。
けれど働いているときは、毎日電車の中で見ず知らずの無数の人とすれ違って、毎日同僚たちと顔を合わせ、お客さんの対応をして。学生の頃とは格段に人と合う機会や数が桁違いだった。
その中でやっぱり自分は人と比べてしまうことが無いとは言い切れなかったし、知らず知らずのうちに自分の心を人と合うことですり減らしていた気がする。
周りの友人知人が結婚して子を授かったり、そういうのを見ると羨ましいなあよりも凄いなあが勝ってしまう。
子どもの世話に寝る間も惜しんで勤しんでいるのを横目に私は昼寝をしたがゆえ夜中に眠れないからといってPCのキーボードを叩いている。
友人から来た結婚式の招待状に焦りを感じることも無く、何を着て行こうか胸をおどらせてしまっている。
辞書で「大人」と引くと一人前とか、自立とかそういった類いの言葉が出てくる。
そうなると、子どもだった私は就職して一度「大人」になって、退職して地元に戻り転職活動をゆるりとしている私は「子ども」に戻ったということになる。人によっては私の状態を「大人にもなって・・・」という人もいるだろう。(幸いに私の親や周りの人たち、親戚は皆口を揃えてゆっくりしたらいいと言ってくれているのでありがたい)
大人ってなんだろうな。
大人になりたいと思ったこともあまりなけれど、だからといって子どもの頃に戻りたいと思ったこともない。
でも、学生の頃に比べたらグッと知識が増えたし生きる術も身に付いた。ほんの少しの酸いと甘いも味わった。本当に少しだけ。
でも「大人」の基準がもっと明確であればいいのにとも思わない。
でもとりあえず、「大人」は大人って何だろうなとは考えたりしないんだろうなとは思う。それだけは今のところ私が出せる答えだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?