9月13日(金)

水色の色鉛筆で、吊るすライトのイラストが描かれている。いま目に入ってきて、やっぱり可愛いと眺めた。これはいつものメモ帳に今朝描いたもの。昨日と一昨日の日付を書いて、その下にその日の覚えてる場面などを文字じゃなくイラストで描いてみよう、と思いついて。けど、一昨日のイラストは四つで、昨日についてのイラストは一つだった。何か感じたり思いついたらその時すぐにメモしておかないと忘れてるなと思った。思ったより全然出てこなかったのでページの真ん中から下は空白のまま。ちなみに昨日については、四角形のクッションの一つの角からかわいい植物がぽさぽさと生えているイラストだった。これは昨日の夜に帰宅して疲れてベッドで横になって、目を瞑った時に浮かんだもの。実際にこの目で見たりしたものではないけど、昨日のことといえばこれだった。

お昼たまたま近くまで来てたら教えてねと言ってもらい、朝は玄関で見送った。今日の朝は一緒に家を出なかった。「たまたま近くまで」という言葉を頭の中で再生しながら、内側から鍵をかけた。昼になり、丁度良い時間に地下鉄に乗り近くまで行った。駅を出ていつものコンビニで水を買って出ると、「お疲れさまです。おひるです。」とメールが届いた。さっき地下鉄の中で「今向かってます。」とメールで伝えてあるので、合流はすぐだった。合流してから一応、「たまたま来ました。」と口に出して伝える。それから一緒に昼休憩を過ごした。

お昼ご飯に蕎麦を食べた。そして、仕事の合間にお腹が空いたら食べるパン、を買うと言ったので一緒にパン屋に入ったけど、めずらしくわたしの方が鼻をかみたくなりすぐ外に出て店の前で鼻をかんで待った。いつもかなり多めに持ち歩いてるポケットティッシュがゼロになってしまった。最近ずっと鞄に補充しておくのを忘れていた。いつもわたしの鞄は重い。そして年中二つ持ち歩く。いつものポケットティッシュの数がゼロになっても重さは変わらないと思った。

パン屋を出てすぐ、買ったパン二つをわたしの赤い小さなトートバッグに入れていたので、「はこぶ。ひらがなの。ひらがなの、はこぶ」と教えた。職場に戻るまでの少しの距離、わたしがこの二つのパンを、ひらがなの「はこぶ」している感じがした。うんうんそうだよねとよくわかってくれた。職場の前に着き、これから雨予報なので傘を借りる。赤い小さなトートバッグからパンを二つ取り出して渡す。「またあとで、お互いにきをつけてね」と解散した。

歩けるぎりぎりの気温と湿度だったので、歩いた。
さっき買っておいたペットボトルの水を飲みながら歩けば大丈夫そうだった。いつもよりゆっくり歩いた。この通りもそろそろ黄色でいっぱいになる日が来るから、その前に一つ、新しくお気に入りになる詩を作っておく、と歩きながら決める。
眼鏡みたいに二つ、ちょうど横並びに小さな穴が空いている黄色い葉っぱが落ちていた。写真を撮ろうと思ったら容量が足りなくなっていた。ついさっきいつもの定位置でいつもの景色を撮ったばかり。あれで最後だったんだ。眼鏡の葉っぱは、あとでメモしておいた。イラストで。

途中、石の上に、タオル地のハンカチが置いてあった。道に落ちていたのを誰かが石にかけて置いたようだった。たぶん子供用、平仮名で名前が入っていた。湿っているタオル地のハンカチが石に横たわっている。なんとなく悲しいような気持ちになった。名前が入っていたから、というよりただタオル地のハンカチが実は結構好きだからこんな気持ちになるのかなと思った。

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