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イモづる読書【その15】三国志の曹操(そうそう)から孫子の兵法へ「イモづる」な、わけは・・・


孫子の兵法に注釈をつけたのが、曹操(そうそう)なんです。
「孫子の兵法」ってのは、不思議な書物です。
「孫子」は諸説紛々、春秋時代の孫武、戦国時代になって孫臏がまとめたとか諸説あっても、「孫子」は「孫子」なのです。
「孫子」は軍事、戦略・戦術の実用書であって、誰か書いたかよりは、何が書いてあるかのほうがはるかに価値があります。
一方、「論語」は思想を伝えるもので、誰の言葉かに価値があります。もし「論語」と真逆の発言であっても荘子が言ったということで価値がでるのです。【シランケド!】

「孫子」は実用書ですので、実践し、どのような実績や成果を挙げたかが重要になります。
三国志では、すっかり悪役の曹操ですが、彼がまとめあげた魏(ぎ)は、中原を中心に西は西域、東は朝鮮半島の半分以上を制圧しました。
圧倒的な実績を残した曹操が、13篇に編纂した注訳をつけた「孫子」は『魏武注孫子』と呼ばれています。
『魏武注孫子』を初めとする十一人の注釈をまとめた『十一家 注孫子』『宋本十一家注孫子』という系統のテキストが、現在「孫子の兵法」と呼ばれているのものようです。
構成は以下の13篇です。(13篇にまとめたのは、曹操と言われています)
 一  計(けい)篇 - 序論。戦争を決断する以前に考慮すべき事柄。
二  作戦篇 - 戦争準備計画。
三  謀攻(ぼうこう)篇 - 実際の戦闘に拠らずして、勝利を収める方法。
四  形(けい)篇 - 攻撃と守備それぞれの態勢。
五  勢(せい)篇 - 上述の態勢から生じる軍勢の勢い。
六  虚実(きょじつ)篇 - 戦争においていかに主導性を発揮するか。
七  軍争(ぐんそう)篇 - 敵軍の機先を如何に制するか。
八  九変(きゅうへん)篇 - 戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立。
九     行軍篇 - 軍を進める上での注意事項。
十     地形篇 - 地形によって戦術を変更すること。
十一 九地(きゅうち)篇 - 9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術。
十二 火攻(かこう)篇 - 火攻め戦術。
十三 用間(ようかん)篇 - 「間」とは間諜を指す。敵情偵察の重要性。

おすすめの一冊
孫子・三十六計 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫) Kindle版

著者について(「BOOK」データベースより)
湯浅 邦弘
1957年島根県生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。大阪大学大学院教授。専攻は中国思想史。著書に『よみがえる中国の兵法』(大修館書店)、『戦いの神─中国古代兵学の展開─』(研文出版)、『諸子百家〈再発見〉』(岩波書店)などがある。

​【読み下し文】​​【原文】​​【訳文】【解説】で​​【原文】があるのがうれしい。
また、【解説】は明快で、ここでは「なにが」重要かずばり解説です。

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「孫子」はダイジェスト版ですが、これだけ知ってるだけでも十分です。【うん、ほんまやで!】
三国志 ~司馬懿 軍師連盟~全86話の楽しみ方が違ってきます。
司馬懿(しばい)仲達と曹操(そうそう)の駆け引き、仲達と曹操の息子・曹丕(そうひ)との絡み、仲達と諸葛孔明との攻防・・・・・

さて、この本は、孫子の兵法と三十六計は掲載されています。

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三十六計、逃げるが勝ち!
小学生の頃から誰に教わったか覚えていないくらい、しょっちゅう使っていました。【今でも、つかってるで】
三十六計って『孫子』のエッセン スを取り込んで、わかりやすくしたのが、『三十六計』という兵法書です。それらを四字または三字の熟語で表したものです。

孫子・三十六計 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫) は、三十六計は全ての計について解説したあります。
もちろん、【読み下し文】​​【原文】​​【訳文】【解説】です。

三十六計、逃げるが勝ち!は、「走為上(そういじょう」で、「走(はし)るを上(じょう)と為(な)す」と読むらしい【何のこちゃ、さっぱり】
桐生か山県かケンブリッジかサニーブラウンか・・・速いもん勝ちみたい・・・

湯浅 邦弘先生は中国思想史の方で、わかりやすい平明な文章ですが、さりげなく奥が深い・・・

第三十一計 「美人計」(びじんのけい)ってのもあります。
曹操が仲達に側室を送るんです。仲達の狼狽ぶり!正妻の悋気(リンキ)!

諸葛孔明の『泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)』

孫子・三十六計を読めば、もっと楽しめます。


三国志 Three Kingdoms(吹替版)全95話


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