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観てから読むか 読んでから観るか・・・読んでよかった名セリフ「顔が嫌い・・・」

顔がキラい・・・」って誰のセリフ?
週2万ドルの仕事を断る、その理由です。
「私的なことでまことに失礼だがーーー私はあなたのお顔が気に入らないのです、ラチェットさん」

先月だったか?「ザ・シネマ」で放映があることを知って、小説「オリエント急行殺人事件」を読み始め、今月映画を観た・・・という具合。

今回は文庫本ではなくて、電子書籍・・・グーテンブルグ21がKindele Unlimitedになったので気楽に読めます【うん、ほんまやで】

「読んでから観る」にした理由があります。

どうにもポワロは、デビッド・スーシェ/熊倉一雄のTVシリーズがお気に入りです。

デビッド・スーシェの「オリエント急行・・・」はなかなか手に入らなかった記憶があります。シリーズ12で64作目でやっとDVDで観た記憶があります。
もっと悲惨だったのは、デビッド・スーシェ/熊倉一雄の「オリエント急行・・・」はガッカリ【うん、ほんまやで】

それまでに観ていた「オリエント急行・・・」は1974年版の映画で、映画とTVドラマの違いといえば、それまでですが・・・

「オリエント急行・・・」は「閉ざされた場所」での展開で舞台劇には合いそうですが、映画となると難しい。
余談ですが、アガサ・クリスティーが作品を書いていた頃、イギリスでは毎年舞台化される作品を期待していたそうです。

改めて「オリエント急行・・・」を読み直して、映画よりは舞台化によく合う作品だと気づきました。出版当時の人々が舞台化を望み、作者もそれに応えるように創作していたって邪推ですかね【シランケド】

また、これって「ハードボイルド・スタイル」の文体?

「ハードボイルド・スタイル」の文体は、キャラクターの内面を小説の地の文に書き込まないのが特長で、キャラクターの葛藤は「セリフ」+声の調子とアクション、表情とか顔色で表現します。

イモづる読書【その46】

そして「閉ざされた場所」でのアクションは幅が持てない・・・「急いで、へーシング」ってわけにはいかない・・・
そこでどうしても「セリフ」に重点がいくわけで、ポワロの「灰色の脳」の躍動はセリフで語られ、それを受けるのは、列車会社の役員と医師の2名で受けています。

原作を読みながら、やっぱ、舞台むきか、というわけで、2017年映画もあまり期待はしていなかった・・・
が、映画「オリエント急行殺人事件」2017は面白かった。

まず、映像化で、先のポワロのセリフを受ける2名が1名で済ましています。一緒に考える医師が省かれ、原作の十二人のうちの一人、大佐が医師になり、ポワロの対立側になっています。

ポワロが寝る前に見つめる写真そしてつぶやく「カトリーヌ」・・・「カトリーヌって誰?」・・・・・これって2022年の「ナイル・・・」に向けての伏線?・・・いまだに謎!

ポワロの「コテンの眠る・・・」は、ディケンズなのだ!【シランカッタ】
そして、すごいのは、ポワロはディケンズを読みながら、声を出して笑う・・・ディケンズで笑える人、手をあげて!

ベルギー人はイギリス人嫌い?・・・フランス人やドイツ人はイギリス人嫌い?・・・原作ではよくイギリス人のことが引き合いに出されています・・・が実感としてワカラン!

映画ならではのシーンは・・・・・・・・・
脱線シーン。
脱線した場所。列車が止まっている場所、うすら高い橋梁(きょうりょう)
全員が一時的列車から離れ、トンネルに避難するシーン。
橋梁(きょうりょう) でのアクション。
ポアロがまとめた十の謎の相手・・・小説とこの映画では決定的にちがいます。
ラストのポアロが二つの説を説く場面。74年の映画もTVシリーズも食堂車の中ですが、この映画は外のトンネルの入り口で・・・
これがいい!先日閉幕したパリオリンピックの開会式で、物議をかもしたセーヌ川にかかる橋のシーン・・・最後の晩餐みたい・・・ただし十二人だけど【シランケド】

そうそう!肝心の「顔がキラい・・・」の話。

ここからが、本題。
この頃は、ニュースといえば、総裁選と代表選・・・
党員でないので他人事のようですが、総理大臣になる人物だから無関心でいられませんが・・・「私的なことでまことに失礼だがーーー私はあなたがたのお顔が気に入らないのです」・・・

イケメンとかを言っているわけじゃありません。
「オリエント急行・・・」にも・・・・・

「彼女は人格者ですよ」とブック氏が言った。「罪悪のように醜い顔だが、人々を感動させる人柄です。賛成でしょう?」

・・・世にも醜い顔の老婦人が、まっすぐな姿勢で坐っている。しかし、それは独特の醜さだった――嫌悪を起こさせるよりはむしろ魅力をそそるものだ。

とても小さく高価な、黒い帽子が、その下の黄色いガマのような顔とはなはだ不均合だ。  婦人はいま給仕に、澄んで上品だが、しかし、まるで専制君主みたいな語調で命令していた。

オリエント急行殺人事件

「罪悪のように醜い顔」「嫌悪を起こさせる」「独特の醜さ」「黄色いガマのような顔」であっても「人々を感動させる人柄」「魅力をそそる」「人格者」であって欲しいのですが・・・あの作り笑顔、とってつけたような笑顔はやめてほしい・・・それで余計、「顔がキラい」になってしまう【うん、ほんまやで】

かたやずらり並んで9名、こなたお手手つないで4名・・・一緒にやればいいのに・・・合わせれば13名で、最後の晩餐・・・

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