イモづる読書【その103】 元をただせば映画なのだ・・アプリ・ソフトを超えて・・映画監督から動画を学ぶ・・動画の法則 その2
前回のつづき・・・・・
「PART 2:準備:プロの秘密」は「ゼロ」と「すべて」とあり、プロの世界はきびしい。
「All or Nothing」の第1歩は、「Chapter 11 ピッチ」、続く「PART 3:ステージを設定する」も準備・・いわゆるプリプロ・・シナリオを書けとはいわないし、画コンテは必須とも言わない、せいぜい「ショットリスト」、せめてこれくらいは準備してよってやさしい対応です【うん、ほんまやで】
一方で「完全なピッチを実践せよ」とあります。「All or Nothing」売れなきゃNothingでしょ、とキビシい【うん、ほんまやで】
「ピッチ」と「ログライン」「プレミス」、「シノプシス」・・・
「動画」制作という観点からすると、本来の「売り込み」用の「ピッチ」や「ログライン」というよりも、自身の動画制作が揺らがないための「ピッチ」や「ログライン」です。
思い出すのは、『SAVE THE CATの法則』で、「ログライン」で「製作費」がつかめる、とあるぐらい概要を含みます。
動画では「ピッチ」や「ログライン」でスケジュール(主に撮影日程)が見えてくれば、制作費もつかめます。
むしろ「完全なピッチを実践」しなければ、動けない(いつどこでなにを撮影するの?)・・・Chapter 16 「場当たりでは、うまくいかない」とあります。
「ログライン」「プレミス」なら、「ストーリーの解剖学」や「〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック」がおススメ・・・
「〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック」は、たぶん、書き込みができるワークブックなので、Kindle版はありません。
「PART 6:撮影の後」は、ポストプロダクションです。
やはり、この書籍でも「ジャンプカット」が話題に上がっています。
こんな時に、「ポワロ」を観ていて、カットつなぎの妙技に出会いました。
「つなぎ」ばかりに気をとられ、ドラマのストーリーも題名も吹っ飛んでしまいました【うん、ほんまやで】
・舞台はふたり姉妹の住む家の応接室
・玄関
女流ミステリー作家を見送るふたり姉妹
オープンカーで去る女流ミステリー作家
・道路
しばらくオープンカーを追う
すれ違う黒い自動車
・(次のシーンはいきなり)応接室
男のセリフ「弁護士に話した・・・」
・玄関
黒い自動車を見送るふたり姉妹
姉のセリフ「あの手の男には気をっけて・・・」
(しばらくして)
道
黒い自動車がこちらにむかって走ってくる
(一瞬で)フロントの違いで前の車と違うとわかる
黒い自動車のむかう先、少し前にふたり姉妹と女流ミステリー作家が話をしていた水辺のガーデンを左折
・(次のシーンはいきなり)応接室
刑事がソファに座り、ふたり姉妹に事情聴取している
ちょっと「ショットリスト」風に書いてみました・・・・・
「映画監督が教える また観たい! と思わせる動画の法則」の重要な法則の一つが「シームレスに編業する」です。
「ジャンプカット」は、時代によって許容度が違います。
これを決めるのは、アナタ!ということになります。
前回の記事で繰り返した「自信をもて!」「自分を信じろ!」しかも「柔軟に」
「Chapter67 遅めのIN、 早めのOUT」・・・
ここでは「フィルムスクールで学ぶ 101のアイデア」を思い出しました。
「スタートは遅く」です。
この著書は、イラスト+短文で要点を伝えています。
前述の「ポワロ」では、訪問した男は、応接室のドアの横で立っている妹に一言「弁護士に・・・」といって帰るところがINです。ドアを出ていくでOUT。
その前のシーンは、「道でオープンカーとすれ違う黒い自動車」です。
「ジャンプカット」で繋いで、応接室のシーンは「遅めのIN、 早めのOUT」の見本のようでした。
まとめに変えて
付録は「自前の 動画大学院」・・・
著者の傑作選(映画)です。
この著者スティーヴ・ストックマン、どうにもコメディがお好きなようで、趣味も一致しておもしろくよみました。このように著者の好みは、引用する?映画のタイトルに大きく影響があります。
巻末の「傑作選」にも趣味嗜好がでています。
かって、AFIが映画100周年記念でリストアップした「アメリカ映画ベスト100」(1998)、「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」(2007)を参照して見落とした映画を観ていた頃を思い出しました。
この傑作選には、「アバター」( 2009)、「カールじいさんの空飛ぶ家」(原題:UP、2009年)、「第9地区」(2009)、「ドライヴ」(2011)、「メッセージ」(原題:Arrival. 2016)など、「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」(2007)以降の名作がピックアップしてあります。
また、「映画および動画関連の文献リスト」があり、イモづるとしては嬉しいのですが、ロバート• マッキー先生の「ストーリー」はいいのですが・・・・・
「Secrets of Film Writing」(Tom Lazarus)やDavid Mametの「Three Uses of the Knife」、Orson Scott Cardの「Characters and Viewpoint」は日本語訳がなくて、読みたいのに・・・【うん、ほんまやで】
イモづるとしては、ロバート• マッキー先生の「ストーリー」の再読か・・・
そういえば、ロバート・マッキー先生の「キャラクター」が未読だ・・・その前に「ダイアローグ」も途中で止まっていた・・・ような・・・
「映画監督が教える また観たい! と思わせる動画の法則」は、こんなことまで、思い出す・・・読みながら、いろいろな書籍や映画を思い出す・・・そんな幅の広い、重点を網羅した「底本」にしても良さそうな書籍です。
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