トイレで携帯をイジると痔になる?
タイトルは、以前テレビかネットニュースかで目にした記事の見出しだ。
これを見た時、僕は感じた。
「んなわけねーだろ!」
その後記事を読み進めていくと、「アーン、そういうことか」と納得したと同時に、疑問も生じた。
記事の内容はこうであった。
1.トイレで携帯をいじっていると、座る時間が長くなる。
2.便座に長く座っていると、アヌスに負担がかかる。
3.アヌスに負担がかかり、痔になる。
見出しはまるで携帯から痔になる電磁波が発せられているかのように書いてあるが、その原因は過程の省略にあった。
痔になる原因は「長く座っていること」である。長く座ることの原因として「トイレで携帯をイジる」が挙げられている。このような原因から結果への省略、飛躍が日常会話でもあるのではないか。これは統計学における疑似相関というものである。
疑似相関とは、二つの事象に因果関係がないにもかかわらず、あるように見えること。相関関係が見出される二つの事象A、Bについて、AとBが共に別の要因によって生起している場合、AとBの間に疑似相関があるという。(コトバンク)
たとえば小学校から無作為に学生を抽出し、「身長の高い小学生ほど学力が高い」という統計があるとしよう。「身長が高い」という事象A、「学力が高い」という事象Bには相関関係がある、ということである。では果たして本当にそうなのであろうか?この統計には先ほど述べた”疑似相関”がカギを握っているのだ。
身長が高い小学生というのは、学年が高いということだ、もちろん小学1年生と小学6年生には平均身長に大きな差がある。学年が高いほど様々なことを学習し、同一のテストを受けて成績に差が出ることは言うまでもないだろう。ここには、事象A「身長が高い」、事象B「頭がいい」の間に、「年齢や学年」という見えない要因が隠れているのである。
話を元に戻そう。「トイレで携帯をいじる」という事象A、「痔になりやすい」という事象Bの間には「長い時間便座に座っている」という見えない要因がある、ということだ。悪徳セールスやマスコミなどは、この疑似相関を使って巧みに騙そうとしてくるのだ。皆さんも身を付けてくださいね。