今更ながらA4-SFXで小型ゲーミングPCを組んでみた。
ケースを気に入って購入したはいいものの、中身は揃えずにずっと放置していましたが、そろそろどうにかしないといけないと組んでみました。
パーツ選定
Case
タイトル通りですが、ケースはDAN CasesのA4-SFX v4.1です。
当たり前ですが、7.2Lなので非常にコンパクトです。
ビデオカードは2スロット厚(43mm)で長さ300mmのものまで使用できるので、ミドルハイくらいのものまでは使用できます。
CPUは使用できるクーラーの高さが48mmに制限されてしまうため、ビデオカードに比べて高性能なものが使いにくいです。
Asetekの645LTという92mmラジエーターに14mm厚の92mmファンという組み合わせの簡易水冷を使用するとすこし冷却能力を稼げるでしょうが、それでも電力制限をしてあげないと辛いです。
といったことを踏まえてケースありきで構成を考えてみました。
CPU
メイン機ではAMD Ryzen 9 7950X3Dを使用しているので、こちらではIntelにしようかなと考えていました。
最初はCore i7-13700Kにしようかと思っていましたが、Alder LakeからRaptor Lakeになってさらに消費電力と発熱が増えているのとゲーミング用途でEコア増やしてマルチスレッド性能を上げてもあまり意味ないかなということでバランスをとってCore i5-13600Kを選択しました。
MotherBoard
Mini-ITXのLGA1700でDDR5かDDR4のどちらでもいいなと思いながら、主に価格で悩みつついろいろ眺めていました。
出来ればZ790・Z690・B760あたりで考えてましたが、お手頃のものがなかったので、Aliexpressでセールしていたのもありますが何を思ったのかいわゆる中華マザーを選んでみました。
JginyueというメーカーのB760i Snow Dreamというマザーボードです。
(セール時は)11,869円というほかのメーカーでは考えられない価格です。
仕様を見てもThunderbolt3対応の表記や、LANが2.5GbEと1GbEの2Port対応、映像出力もDisplayPortが2つにHDMIが1つ、M.2のヒートシンクにファンが設置されていたり、バックパネルにCMOSリセットボタンがあったりとほかの有名メーカーと比べても遜色のない装備となっております。
何より白色ベースの基板というのも珍しく、そういった向きでも価値あるマザーかと思います。
中華マザーの特徴は組立とOSインストール時に味わうことになりました。
Memory
マザーボード次第でDDR5かDDR4どちらになるかわからなかったですが、B760i Snow Dreamにしたので、必然的にDDR4になります。
たまたま余ってたというのもありますが、32GBモジュールの2枚組で無難そうなCrucial Ballistix BL2K32G36C16U4Bを使用します。
GPU
まだ購入してませんが、候補をいくつか書いておきます。
2スロット厚かつ長さ300mm以内で搭載できそうな中で性能の高いものはRadeonですとRX6800のリファレンスモデルが267×120×40mmというサイズで余裕で入りそうです。ただそれよりも上位モデルになるとどれも2スロット厚を超えてしまい、選べるモデルがありません。
2023年9月8日に発売されたRadeon RX7800XT/7700XTにも2.5スロットのモデルが最も薄く、このケースに入りそうなモデルはラインナップされていませんでした。今からRX6800にするのも微妙ですし、なによりリファレンスモデルは中古を含めてもなかなか手に入りにくい状況かつマイニング等もあって手に入れても故障のリスクが高そうという不安も付きまといます。
GeForceで探してみるとRTX3000シリーズではRTX3090でINNO3D GEFORCE RTX3090 X3やEVGA GeForce RTX 3090 XC3 GAMINGが2スロット厚です。
RTX3080TiでもINNO3DがX3モデルで同様のサイズとなっております。
とはいえ、この小型PCに今から消費電力と発熱の多いRTX3000シリーズを使うのは得策ではないので、RTX4000シリーズで考えてみたいと思います。
RTX4090やRTX4080はクーラーの大型化で2スロット厚のモデルが一切なく、選択肢に入れることができませんでしたが、RTX4070TiではINNO3D(日本ではOEM等でELSA)から2スロット厚でこのケースに合わせたようなモデルが用意されていました。
まぁ見ての通り同じものですね。
中国のメーカーでも色が違いますが、同様のものがあります。
こういう色もちょっと選んでみたくなってしまいます。どうせ中は見えませんので、意味がないんですが…
SSD
ちょうどAliexpressのサマーセールで買ったGeIL P4S 4TBとちょっと前にAmazonのセールで買ったHanye HE80 4TBが余っていたので、それを採用です。
GeIL P4SはコントローラーがMaxio MAP1602AでNANDが YMTC 232層 3D TLC NAND採用の今流行の中華SSDですね。
Hanye HE80も似たような構成かと思いましたが、コントローラーがTenaFe TC2201というものでした。NANDは同様にYMTC 232層のものになります。Maxio MAP1602Aのレビューはたくさん出てますが、TenaFe TC2201のものはないので、余裕があったらベンチマーク等回しておきたいです。
PowerSupply
結局これも余りものですが、Corsair SF750を選択しました。SFX電源の中では基本的にこれを選んでおけば間違いがないはずです。12VHPWRもCorsairなら対応ケーブルが出てるので必要になっても問題ないです。
本当はSilverStone SST-SX700-Gも余ってましたが、小型ケース向けのカスタムケーブルも用意してあったのでSF750にしました。
今後のビデオカードやCPUの消費電力によっては750Wで足りないケースが出てきそうなので、そういう場合はColerMaster V1100 SFXやASUS ROG ROKI SFX-L 1000Wを選ぶことになりそうです。
(それにしても電源高くなりましたね…)
AIO
これはもうA4-SFX専用みたいなAsetek 645LTを選択しました。
Caseの項目でも書きましたが、少しでもCPUの冷却能力を稼ぐには簡易水冷のほうがよさそうです。
今から買うとしたらAsetekの公式HPから買うくらいだとは思いますが、各々CPU対応用ブラケット等の付属品が一切ないので、他のAsetek OEMのAM5やLGA1700などの対応キットを併せて買うといいでしょう。
(LGA1700用ですとThermaltake LGA1700 アップグレードキット Floe and Water 3.0 AIO シリーズクーラー用 CL-O032-PL00BL-Aが対応してます。)
それでも固定ねじがたりないですが…(ねじ含めたブラケットがAliexpressで見つかるのでそっちで手に入れたほうがいいかも?)
ラジエーター用のファンとしてNoctua NF-A9x14をセット使ってます。
Others
マザーボードにWi-Fiがついていないので、Intel AX411(Killer intel WiFi 6E AX1690i)も用意しています。
Intel AX211でもいいんですが、価格差も大してないのでAX411にしてみました。大きな違いは2.4GHz帯と5GHz帯、または2.4GHz帯と6GHz帯の同時利用に対応しているらしいです。
M.2にネットワークカードを増設するときの注意としてはAXxx1のように下1桁が0でなく1になっているモジュールはマザーボードがCNVio2に対応していないと使用できないです。よくわからなければAX210を購入しておけば、M.2スロットさえあれば基本的には使えるはずです。
組立編
ここまでパーツについて長々と書いていきましたが、ここからはやっと組立になります。
まだ書くのかといわれそうですが、パーツの写真や細かい部分も併せて解説していきたいと思います。
基本写真メインで!
パーツ開封
マザーボードへ取り付け
ケースへ組み込み
OSインストール
UEFI設定
とりあえず中国語を英語に設定変更しておく。時刻を合わせる。
XMP設定する項目はあるが、自分でメモリ電圧を1.35Vに設定しないと機能しない。
CPUはデフォルト設定だとアチアチなので、PL1とPL2を適当に押さえておきましょう。
PL1:115W PL2:95Wにとりあえずしてみました。なんとなく機能してる気はします。CSM無効、Quiet Boot無効などはお好みで
更新用のUEFIは用意してましたが、JYI76008で持ってる中では一番新しそうだったのでそのまま使用。
Windows11インストール
これはどのマザーでもそういった場合があるようですが、LANかWi-Fiのドライバを用意してインストール時に組み込んでおかないと途中で進めなくなります。
"ネットワークに接続しましょう"をスキップしてローカルアカウントを作成する方法もあるみたいなので、うまくいかない場合はそちらで
不具合等
やっぱり中華マザーなので一筋縄ではいかないです。
おま環という説もありますが、再起動がうまくいかなかったり一度電源を切ると電源ケーブルを少し抜いて放置しないと電源が入らなかったりと…
UEFIの更新とかでなんとかなるなら試してみたいですが、本家ページが国外からアクセスできないのでなかなか手に入れにくいです。
ただまぁ起動するとちゃんと動くのですこし不便ですが、そういうものだと思って使えばいいと妥協してます。安いですし
⇒そもそも原因は温度のような気もします。
どうしてもRaptor Lake-S世代は発熱量が多いので、A4-SFXに入れるにはしっかりと制限をしてあげる必要があります。
B760よりもZ690かZ790のほうが設定項目が多いので、調整しやすいです。
あとなぜか勝手にWindowsが認証されてます。ローカルアカウントなので、Microsoftアカウントで認証されてるわけでもないんですが…謎です。
ミニPCもよくわからない認証をされているものがあるようなので、一緒ですかね。
ベンチマーク
3DMark TimeSpy Extreme
構成・金額
最後に
小型ゲーミングPCと銘打って1台組み立ててみましたが、細かいところの想像が足りなくて苦労したところが多かったです。
電力制限をしっかりしてあげれば発熱を抑えてある程度の性能は出せるので(もちろん大きい箱ならそんな苦労もせずに性能ももう少し出ますが)見た目重視で組んでみるのもいいのではないでしょうか?
あんまり参考にならない例ですが、どこかの誰かの参考になればいいなと思って書いてみました。
※2024.09追記
マザーボードをASUS ROG STRIX Z690-I GAMING WIFIに変更しました。
スペースの都合や、どうせ使用しないこともあってROGフロントSATAカードは接続しませんでした。
Processor Base Power(PBP)とMaximum Turbo Power(MTP)をそれぞれ85Wと95Wと控えめに設定してみると各種ベンチマークを実施時でも落ちることはなく安定することが確認できました。Asetek 645LTもサイズを考えるとこれくらいが許容範囲内だとは思いますので、ただただ最近のIntel CPUが高発熱過ぎるだけなのかもしれません…。