Kimono Beat × chi4
◆お見合いをしたことがありますか?
わたしは残念ながらありません。
数年前までは娘の将来を案じた母が心配して何度か話を持ってきていたのですが、ついに諦めたようです。
ということで紫陽花が咲く頃のお見合い会場を舞台にした曲。
1987年にリリースされた松田聖子さんの「Kimono Beat」をカバーしてみました。
作詞:松本隆さん、作曲:小室哲哉さん。
1992年に小室哲哉さんが「Hit Factory」というアルバム用にイケメンサイドの歌詞でセルフカバー。
2019年には中島愛さんがシティーポップ感たっぷりでかわいくカバーしていました。
どのバージョンもそれぞれの味わいがあって大好きです!
セルフカバーのイケメンサイドな歌詞も好きだったけど、今回はかわいこさんな歌詞の方を選びました。
ちなみに小室さんの楽曲でイケメンサイドと美女サイドの2タイプの歌詞がある曲って他にもあると思うのですが、そのうち1曲を今年か来年にか…あ、まぁまたその時になったら話しますね。
ここから先はKBカバーの種明かしをするので、先に動画をご覧になることをおすすめしますぞ。
◆Kimono Beatを選んだきっかけ
外見や声に対して普段「かわいい」などと言われた記憶が皆無のわたしですが、お仕事的には「かっこいい」や「きれい」「英語」よりも「かわいい」曲を圧倒的に歌いまくってきた過去があります。
特に10年ぐらい前、J-POPの主流がアイドル×コンペだった頃の仮歌経験が今のわたしを強く支えてくれているのです。
そんなに器用に「かわいい」声になりきれたわけではないですが、いろんなアイドルさんの研究をして、歌って、自分にない引き出しを作れた気がして嬉しくて楽しかった覚えがあります…体力勝負だったけれどね。
いろんな作家さんから依頼を受けて年間100曲以上仮歌を歌いまくっていたので、完璧なかわいさではなくてもそれなりに需要があったのでしょう。
もちろん猫の手も借りたい状況だったというのもあると思います。
その節はありがとうございました。
ちなみに今も時々仮歌やってますのでご入用の方はお気軽にどうぞ。
ということで久しぶりに「あ、かわいい曲歌いたいな」と思ってこの曲を選びました。
わたしの声を聞いて「かわいい」と皆さんが思ってくださるかどうかは、また別の話ですね。あくまで本人比で、でございます。
あと季節感も理由のひとつ。
カバー作り始めた頃、東京は今週梅雨入りするって言われてたんだけどな…。
紫陽花の成長日記みたいなムービーにしようと思ってたんだけど、ぜんっぜんお花が咲かないし白いままだから、最後のショットだけ去年の画像です、笑
マニアックな視点としては、イントロとアウトロの紫陽花、実はちょっとだけアウトロの方が青くなってきてるんです…たぶんわからなかったと思うけど…1週間ぐらい空けて同じ場所で撮ったのよ。
◆歌い方を考えてみた話。
なんで聖子さんの歌い方はかわいいんだろう?」と思って、あらためて楽曲を聞いてみました。
「しゃくり」とか「存在そのもの」とかいろいろあると思いますが、理由のひとつに
「まみむめも」「なにぬねの」そして「-a」「-e」の発音が可憐でブライトだからなのかなと感じました。
鼻濁音が心地よくやわらかく、抜けそうなのにふっととどまる、みたいな。
後者の「-a」を特に感じるのは、サビの「未来」の「ら」の発音です。
「みらい(未来)」と「みあい(見合い)」の中間ぐらいの発音で、舌足らずな女の子を演じつつ、二重の意味も持たせようとしているのかな。
未来×見合いに関しては同じような考察を他でも見かけました。
ちなみに日々の練習で聖子さんや他の歌手の方がどういう歌い方をしているのか研究することはありますが、モノマネは専門外でございます。
その研究結果をどのように自分らしさに繋げるかイメージして、カバーや仕事での歌唱に発展させるのがゴールです。
本当に難しいけれど、「ちよちゃんらしいね」と評される日を夢見つつ、皆さまどうかあたたかく見守ってください。
今回は↑のような聖子さんのかわいさを見習いつつも、「かわいい」に全振りせずに子音が大きい選手権優勝候補のちよが見え隠れしつつ(kとかsが我ながら本当にうるさい、笑)、こんな感じの脳内イメージで歌ってみました。
おてんば姫が猫をかぶりつつおとなしく振袖着てる序盤。お庭の池で竹がかっこん。
そろそろ飽きてきたところに…あ、クリフト!海に遊びに行こうよ!わーい!(いつもドラクエネタですみません)
そしてちょっとマニアックかもしれませんが、マイクケーブルをオヤイデ電気さんのNEOシリーズに変えてみました。
わたしのような繊細さに欠ける耳でも、ケーブル一本変えただけで音の雰囲気が変わるのがわかります。
聞こえ方が変わると慣れるまで歌い方も探り探りになるのですが、今回はその耳慣らしも兼ねたVocal Recになりました。
ちなみにこのケーブルは声をたくさん重ねたい人におすすめだそうです。
わたしもそう思います。
派手な音像にならずとも、プレーンこそ正義。
◆トラック的な話。
歌と同様、原曲のかわいさをなんとか繋ぎとめながらも、「ちよらしさ」を盛り込むために元気で弾む感じにしたいな、というところから組み立て始めました。
いつもは原曲をしっかり聞きこむのですが、今回はコードとキメを拾った以外、コピーの過程をすっ飛ばしてどんどん自由に音を重ねてみました。
あと特に理由はないのですが、「ピアノを使わない」と決めてやってみました。
普段はトレードマークのようにピアノを入れたくなっちゃうんですけど、本当になんとなく。
そのかわりというわけではないですが、Logic Pro Xの中に標準搭載されている「Alchemy」というソフトシンセに相当お世話になりました。
Logicユーザーの方はぜひ「聞いたことある音色だな」とニヤリとしてください。
シンセは不得手なので、新しいものに手を出すよりも今目の前にあるものを知るためにも、いつもLogicのプリセットの音色・シンセだけを使っています。
あとJapanese Koto(お琴)もちょろちょろっと入れてみました。リアル琴の奏法とはちょっと違うかもしれませんが、雰囲気をお楽しみいただければ。とぅるるんっ。
カバーした本人的にはおしゃかわ×元気が見え隠れするカバーを目指してみましたが、皆さんにはどんな風景と女の子が浮かびましたか?
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