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河合隼雄物語賞/感想

他の場所に書いてあった読書感想をnoteにも転記しておきます。

意味不明だろうけれど堪忍!
かなり偏った感想なのは知っている!!

※ネタバレあり
※他にも読んだら追記します

『ふくわらい』西加奈子(第1回 2013年)
大人が選択した人生は子どもにとって選択肢のない経験。経験?トラウマを前向きな言葉に変換するべきではないよね。定が「聞いていいのですか」って2回言う。定は今までその一言なしにズケズケと聞かれたし、逆に何も聞かれなかったし、その両方が彼女を傷つけ続けて来たんだろう。本人は無自覚でも。定の素直さ不器用さ真面目さ優しさ!タトゥーだらけの体が愛おしくなる!そしてね、「先っちょ」と「ぜんぶ」という分け方は斬新で愛に溢れすぎている!よかったね!定ちゃん!

『あひる』今村夏子(第5回 2017年)
ゲームを買ったおかげであひるを死なさずに済むようになったし、漫画が手に入ったおかげでおばあちゃんには会わなくなった。児童文学のようであるけど、子どもを育てる大人のための小説のよう。体験や経験が無いと思い出にはならない、という当たり前のような事を考える。みんなで楽しめる面白い世界も存在するけれど、あなたの人生の物語だって今、動いているんだよと言う事を自覚させられる。客観の視点。すらすら読めるのに読む程小説の外に弾かれるような。あの真夜中の少年、実はあひるなんじゃないの?!って言われる前に言っちゃってね。