01:FROM POSTWAR TO POSTMODERN: ART IN JAPAN 1945-1989: Primary Documents
最終更新:2023/04/23
MoMAが刊行する「Primary Documents」シリーズの一冊。
戦後日本美術史における、重要な一次資料の英訳を収録したアンソロジー。
上記の他、概説・コラム(23本)・年表などが掲載されている。
どんな資料が重要だと考えられ(採録され)、どんな年代・ジャンルに分類されているのか(歴史化されているのか)に気をつけて、みてみる。
★は章内のセクション。【 】内は英語原文。文献名に*があれば、記載や典拠が不完全・少し自信のないもの。(間違い・ミスタイプなどおそらくあり)
書評・紹介記事:
タイトル:
FROM POSTWAR TO POSTMODERN:
ART IN JAPAN 1945-1989:
Primary Documents
New York: Museum of Modern Art, December 2012
戦後からポストモダンへ: 日本美術1945-1989: 一次資料集
目次 CONTENTS
序文 FOREWORD
凡例 ACKNOWLEDGMENTS
本書について ABOUT THIS BOOK
戦後日本とその後(1945〜1989):概況 JAPAN'S POSTWAR AND AFTER, 1945-1989: AN OVERVIEW
第1章〜第5章
あとがき:1989年以降の日本美術/林道郎、加治屋健司、住友文彦 POSTSCRIPT: JAPANESE ART AFTER 1989
年表1945〜1989/編集・中島理壽、編集補助・Doryun Chong CHRONOLOGY: 1945-1989
第1章:1945–57年 戦後の復興 占領から冷戦まで
【1945-1957:Postwar Reconstruction─From Occupation To The Cold War】
★イントロダクション【Introduction】/林道郎
★起点:新しいはじまり【Ground Zero: A New Beginning】
松本竣介「全日本美術家に諮る」1946*
桂川寛「集団としての芸術家は何をなすべきか」『青年美術家連合ニュース』創刊号、1953
★前衛─技術─大衆文化【Avant-Garde─Technology─Mass Culture】
岡本太郎「芸術観─アヴァンギャルド宣言」『改造』 30(11)、1949-11、pp.64-68
花田清輝「林檎に関する一考察」『人間』5(9) 1950-09、pp.62-67
★リアルを求めて【In Search of The Real】
阿部公房「文学の前進のために・特集─新しいリアリズムのためにルポルタージュの意義」『理論』 (通号 18)、1952-08、pp.29-36
田中雅夫「乞食写真論─浮浪児、ルンペン大いにとるべし」『カメラ(CAMERA)』アルス、45(5)、1953-05、pp.73-75
伊奈信男・木村伊兵衛・Watanabe Yoshio・亀倉雄策・田中雅夫・土門拳「近代写真の問題」『カメラ(CAMERA)』アルス、46(4)、1953-10、pp.65-73
斎藤義重・鶴岡政男・駒井哲郎・小山田二郎「座談会『事』ではなく『物』を描くということ 国立近代美術館『抽象と幻想』展に際して」『美術批評』美術出版社、1954-02、pp.13-24
★近代性と伝統【Modernity And Tradition】
岡本太郎「伝統序説」『中央公論』70(12)、1955-12、pp.58-67
岩田知夫(川添登)「丹下建三の日本的性格─とくにラーメン構造の発展を通して」『新建築』30(1)、1955-01、pp.62-69
瀧口修造「東と西の書」『墨美』62、1957-01、pp.33-35
★傷ついた遺体またはヒューマニズム批判【Disfigured Corpses or The Critique of Humanism】
中原佑介「密室の絵画」『美術批評』(54)、1956-06、pp.20-30
草間彌生「イワンの馬鹿 新人の主張」芸術新潮 6(5)、1955-05、pp.164-165
★実験工房と具体美術協会【The Experimental Workshop And The Gutai Art Association】
北代省三「實驗グループ われわれの主張と實踐」『芸術新潮』4(11)、1953-11、pp.144-146
吉原良治「具体美術宣言」『芸術新潮』7(12)、1956-12、pp.202-204
嶋本昭三「絵筆処刑論」『具体』第6号、1957-04
第2章:1957–64年 戦後から国際復帰まで
【1957-1964: From Postwar To International Reemergence】
★イントロダクション【Introduction】/Doryun Chong
★アンフォルメル【Art Informel】
ミシェル・タピエ、芳賀徹/訳「日本旅行の精神的決済書」『美術手帖』(134)、1957-12、pp.98-106 *タイトル・ページ数要確認
針生一郎「物質と人間」『みづゑ』(618)、1957-01、pp.43-47
宮川淳「アンフォルメル以後」『美術手帖』(220)、1963-05、pp.86-96
★過渡期にある前衛【The Avant-garde In Transition】
瀧口修造「読売アンデパンダン展の会場で 動く若い世代の力」(美術時評)『読売新聞』1960年3月4日、夕刊、3面
針生一郎「画壇の条件と創造の条件──現代美術の冒険」『美術手帖』(172増刊)、1960-04、pp.152-158
★反芸術【Anti-Art】
東野芳明「ヤングセブン雑録」『ヤングセブン展』南画廊、1964
小田襄(司会)・東野芳明・針生一郎・中原佑介・瀧口修造・NakazawaUshio「反芸術における“反”の意識──“反芸術”是か非か」『美術ジャーナル』74号、1964-04、pp.16-33
宮川淳「反芸術─その日常性への下降」『美術手帖』(234)、1964-04、pp.48-57
東野芳明「異説・「反芸術」─「宮川淳」以後」『美術手帖』(236)、1964-06、pp.46-49
★非物質性【Immateriality】
オノ・ヨーコ「Kyokosha no gen」『SACジャーナル』24号、1962-05 ※『輝け60年代 草月アートセンターの全記録』に総目次あり
中原佑介「不在の部屋展―温厚な犯罪者たち」『日本読書新聞』1963年8月5日
田中不二・土居樹男・中沢潮・長野祥三「時間派宣言」『時間派』サトウ画廊、1962.5
草間彌生「女ひとり国際画壇をゆく」『芸術新潮』12 (5)、1961-05、pp.127-130
★写真と映画【Photography And FIlm】
松本俊夫「前衛記録映画の方法について」『記録映画』創刊号(No.1)、1958-06、pp.6-11
重森弘淹「視覚言語の新しい問題─「映像」」『Photo Art(写真芸術?)』no.6、1960-05、pp,162-165/no.7、1960-06、pp.142-145
名取洋之助「新しい写真の誕生」『アサヒカメラ』45[(10)][(329)]、1960-10、pp.147-149
東松照明「若い写真家の発言 1・僕は名取氏に反論する」『アサヒカメラ』 45[(11)][(330)]、1960-11、pp.156-157
★都市の変容【Urban Transformation】
菊竹清訓「塔状都市」『国際建築』26(1);1959年1月号、1959-01-01、pp.12-19
川添登・菊竹清訓・大高正人・槇文彦・黒川紀章「序文」『METABOLISM 1960 : 都市への提案』美術出版社、1960.7
篠原一男「住宅は芸術である」『新建築』37(5)、1962-05、pp.77-78
ハイ・レッド・センター『目薬特報 : ハイ・レッド通信』
第3章:1964–70年 前衛以後 拡張する場
【1964-1970: After The Avant-Garde, An Expanding Field】
★イントロダクション【Introduction】/住友文彦
★芸術と日常生活【Art And Everyday Life】
赤瀬川原平「行為の意図による行為の意図 ― 法廷を通過する前に―」『機関』10号、1966-01、pp.20-25
東野芳明「美術とデザインの間」『色彩と空間展 : color and space』南画廊、1966-09
鶴見俊輔「芸術の発展」阿部知二/編『講座現代芸術』第1 (芸術とは何か)、勁草書房、1960、pp.203-208:鶴見俊輔『限界芸術論』1967、pp.3-8
★地域性と身体【Locality And Body】
澁澤龍彦「肉体の不安に立つ暗黒舞踊」『展望』通号115、1968-07、pp.100-103
The Play「REACTION IN SUMMER '68: DO IT WITHOUT HAPPENINGS」*
ヨシダ・ヨシエ「単独行為者の超劇場」『美術手帖』(335)、1970-12、pp.49-63
★人間と世界の関係の再定義【Redefining The Relatonship Between Humans And The World】
松澤宥「〈反文明〉展」全日本アンデパンダン展(出品作品)横浜市民ギャラリー(神奈川)*ANTICIVILIZATION EXHIBITION
石子順造「絵画論としての絵画」『トリックス・アンド・ヴィジョン──盗まれた眼』東京画廊・村松画廊、1968
高梨豊・中平卓馬・多木浩二・岡田隆彦「Provoke manifest」『Provoke』第1号、1968-11、p.2
多木浩二「写真に何が可能か」多木浩二,中平卓馬共編『まずたしからしさの世界をすてろ―写真と言語の思想』田端書店、1970、pp.6-11
李禹煥「出会いを求めて」『美術手帖』(324)、1970-02、pp.14-23
菅木志雄「状態を超えて在る」『美術手帖』(324)、1970-02、pp.24-33
中原佑介「人間と物質」『第10回日本国際美術:人間と物質』毎日新聞社、1970-05
峯村敏明「「いま,ここに」に執して──第10回東京ビエンナーレ」『三彩』(261)、1970-08、pp.70-75
中平卓馬・足立正生・中原佑介(司会)「討論=風景をめぐって」『写真映像』第6号、1970-10、pp.118-134 ※中原佑介 赤瀬川原平 足立正生 刀根康尚 佐藤信
★インターメディアと大阪万博【Intermedia And EXPO '70】
エンバイラメントの会「特集・空間から環境へ」『美術手帖』(275)、1966-11、p.118(pp.1-118)*
刀根康尚「芸術の地殻変動──EXPOからヒッピーまで」『美術手帖』(289)、1967-11、pp.98-109
東野芳明「反論せよ!「万博参加」の芸術家たち」『潮』(通号 124)、1970-04、pp.182-190
第4章:1970–80年 ポストモダンに向けた再構築
【1970-1980: Restructuring Toward The Postmodern】
★イントロダクション【Introduction】/加治屋健司
★芸術の制度批判【Institutional Critique of Art】
堀浩哉「Why Are We “Artists”?」彦坂尚嘉『反覆──新興芸術の位相』田端書店、1974、pp.252-253
堀浩哉「とぎすまされた境界線」『jazz』第十二号、1972-05、pp.50-53
★芸術の制度批判【Alternatives to Subjectivity】
中平卓馬「なぜ、植物図鑑か」『なぜ、植物図鑑か : 中平卓馬映像論集』晶文社、1973、pp.9-33
峯村敏明「生きられるシステム」『美術手帖』(380)、1974-04、pp.65-98
彦坂尚嘉「閉じられた円環の彼方は──<具体>の軌跡から何を……」『美術手帖』 (370)、1973-08、pp.72-92
たにあらた「複数の眼と個の視覚--<1973京都ビエンナーレ>を見て」『美術手帖』 (372)、1973-10、pp.125-143
★環境とコミュニティ【Environment and Community】
神代雄一郎「巨大建築に抗議する」『新建築』49 (9)、1974-09、pp.179-182
長谷川堯「神殿か獄舎か」『デザイン』no.151、1971-11、pp.71-86:『デザイン』no.152、1971-12、pp.71-81:『デザイン』no.155、1972-03、pp.77-88*雑誌名?
山口勝弘(司会)・ミッシェル・ゴールドバーク・中谷芙二子・ふじいせいいち・坂根厳夫・こまつざきせいすけ・小林はくどう「表現ではなくコミュニケーションを──Do it yourself kit」『季刊フィルム』第12号、フィルムアート社、1972-07、pp.123-132*
★前衛終焉後の絵画【Painting After the End of The Avant-Garde】
藤枝晃雄「日本現代美術の秋--人物画からオブジェへ」『美術手帖』(349)、1971-12、pp.42-56
千葉成夫「堀浩哉 美術のテニヲハを突き崩す営為」『美術手帖』(433)、1978-05、pp.66-75
宇佐美圭司「芸術家の消滅」『展望』(通号 206)、1976-02、pp.16-38
★消費文化と日常生活【Consumer Culture and Everyday Life】
東野芳明「渋谷を変えた立体縁日──パルコの文化らしさ論 」『クエスト』1977-08、pp.20-31
荒木経惟『センチメンタルな旅』(私家版)1971
日向あきこ「文字メディアから映像メディアへ」『視覚文化 : メディア論のために』紀伊国屋書店、1978.1、pp.29-52*:「異星のモラル─少女マンガの魅力」『伝統と現代』48号、1977-09、pp.30–39
第5章:1980–89年 ポストモダニズムとグローバルな交渉
【1980-1989: Postmodernism And Global Negotiation】
★イントロダクション【Introduction】/建畠晢
★日本の建築とデザインの独自性【The Originality of Architecture and Design in Japan】
磯崎新『MA Espace-Temps du Japon』Paris : Musée des arts décoratifs、1978:「MA Space-Time in Japan」New York : Cooper-Hewitt Museum、1979:[edited by] Ken Tadashi Oshima『Arata Isozaki』London : Phaidon、2009、pp.156-161
槇文彦「日本の都市空間と「奥」」『世界』(397)、1978-12、pp.146-162:「Japanese City Spaces and the Concept of Oku」『The Japan Architect』54(265)、1979-05、pp.50-62 :Fumihiko Maki『Nurturing Dreams: Collected Essays on Architecture and the City』MIT Press、2008、pp.150-167
伊東豊雄「消費の海に浸らずして新しい建築はない」(建築論壇)、『新建築』64(11)、1989-11、pp.201-204
★ニューウェーブ【The New Wave】
石原友明「無邪気な雷神たちにMujyaki na raijin tati」『イエスアート』3、1984*
尾﨑信一郎「関西の80年代」兵庫県立近代美術館/編『アート・ナウ 1990:関西の80年代』1990-11、pp.8-12*
ダムタイプ「睡眠の計画」(「Sleep #1」のためのチラシ:京都市立芸術大学・1984.11.24-25)*
★ミニマリズムと伝統【Minimalism and Tradition】
遠藤利克「なかば絶望的な反覆」『美術手帖』(528)、1984-07、pp.22-23
川俣正「Untitled」『A Primal Spirit: Ten Contemporary Japanese Sculptors』Los Angeles County Museum of Art、1990、pp.65-70:原美術館/編『プライマルスピリット: 今日の造形精神』アルカンシェール美術財団、1990、pp.32*
★コンセプチュアリズムとその批評的オルタナティブ【Conceptualism and Its Critical Altanatives】
市川浩「コスモロジーを超えて 荒川修作の絵画的思考」(特集 美術と哲学の対話 絵画と<力>)『現代思想』12(3)、1984-03、pp.74-81
岡崎乾二郎・宇佐美圭司「スリリングな今を、つくり続けるために。」『アクリラート』vol.9、1989-04、pp.4-9
★芸術の地域性と国際性【Locality and Global Art】
伊藤順二「メガロポリス仮想地帯」『現在美術』PARCO出版局、1985、pp.200-223*
千葉成夫『現代美術逸脱史 : 1945-1985』晶文社、1986-03、pp.243-246
海藤和「『再構成』展後記」『再構成日本の前衛 : 1945-1965』 (アール・ヴィヴァン = Art vivant, 21号)、1986-08、pp.99-100
東野芳明「戦後日本の前衛芸術 “自爆傾向”に仏で批判」(イメージ前線)『朝日新聞』1987年04月21日 東京/夕刊、5面
建畠晢「Untitled」京都芸術短期大学芸術文化研究所/編『A & C : art & critic』(エーシー : 関西の現代芸術批評誌)no.10、1989-03、pp.2-3*
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