カンボジアでの「考える」教育

あじゃあ、自分は実際にカンボジア人相手に何を教えているのか?

Yamada School of Artでは、デッサンや色の使い方など、美大予備校的な内容が中心だが、その他の学校や会社では考える授業を中心に教えている。

考える力をつけるには、まずは自分で情報を集め、整理する力が必要になる。
特に、自分で情報を集めるための観察力の向上は不可欠だ。

今までの経験から、それには VTS( Visual Thinking Strategies)が、カンボジアの大人や子供に関わらず有用と考えている。
(日本でも京都造形芸術大学が力を入れているようで、サイトもあるので興味ある方は下記からどうぞ。
http://vtsj.acop.jp/index.html

VTSとはどんなものかというと、上記サイトから引用すると

アートを通じて鑑賞者(学習者)の「観察力」「批判的思考力」「コミュニケーション力」を育成する教育カリキュラム

ということになる。

簡単にいうと、アート作品の感想を対話形式で皆で投げ合うプログラムになる。
アート作品というのは、なかなか意見の言いづらいものだ。しかし、なんでもいいから何か言わないとならないとなると、じっくり絵を見て、わかるところを探そうとする。その行為が観察力を育てる。

難しいことを言う必要はない。ただ、いままで漠然と見てただけの絵でも、じっくり探せば「あ、隅にいる犬の表情が面白い」や「食卓を見てたらお腹すいてきた」など、自分が今言えることを言えばいいだけなのだ。

そうやって、最初は小さなことからでもわかることをを探し、繰り返すことでわかることを増やしていく、観察力をじっくり育てることができるのだ。

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