「家主」というバンドについて語らせてちょうだい
注:全編に渡りかなり自分視点ですので、客観性皆無な記事であることをはじめにお断りしておきます。
1 出会い
昨年、初めて北海道岩見沢市で開かれている「JOIN ALIVE」というフェスに参加した私は、今年もラインナップの良さに即参加を決めた。当然知らないバンドも多いので、「参加アーティスト一覧」みたいなプレイリストを聞いていると気になるバンドがいくつかあり、「家主」もその中のひとつだった。とにかく曲が気になる。ボーカルの声も好み。
そんなとき、ちょうど母がNHKの朝ドラ「虎に翼」のアニメーションが気になる、これ誰がつくっているんだろう?と言うので調べてみると、「シシ・ヤマザキ」さんという方であることが分かった。彼女のSNSをたどっていくと、なんと「家主」のライブに行き、大絶賛しているではないか。こうして「家主」の存在感が私の中で一気に増した。
2 生家主(開始前)
JOIN当日までに調べたところによると、なんと近々札幌でライブがあることが分かった。しかし早まるな、実際に観てみるまでライブのチケットを取るべきかどうかわからないではないか。これでも仕事も家庭もある身、ライブに行くにも慎重さが求められるのである。実際のステージを観てからチケットを取ることに決め、いそいそと「ミラクルリーフ」なるステージへ向かった。
ステージの前にはバラバラと観客がおり、「家主」がリハーサルをしていた。詳細は省くが、すごくよかった。まだリハなのに。もうすぐにでも8月のライブのチケットを取りたかったが、これいまスマホを出したら録音してると思われて注意されるんじゃないか?と考えてリハーサルが終わるまで待った。開始時間が近づき、音が途切れたので「今だ!」と思いスマホを出すとボーカルの田中さんが「ではやりますか」みたいな感じでそのままぬるっと本番が始まってしまった。えっ、こんな感じで始まるの?とビビったがとにかくスマホはしまった。
3 生家主(開始後)
1曲目から最後まで全部、全部良かった。全部!
そばで見られたので、ひとりひとりをじっくり見てみた。ドラマーがわたしのマイフェイバリット映画「ザ・コミットメンツ」のドラマーみたいなたたずまいで、なんかケンカっぱやそうな見た目で一言もしゃべらずにめちゃめちゃ気持ちいいドラムを叩く。好き。大学生みたいな見た目のベーシスト(ボタンをちゃんと閉めたシャツ、髪に天使の輪がある)がすごいロマンチックな声でラブソングを歌う(「カメラ」)。好き。ニューオーダーのTシャツを着てセンターに立っているギタリストが、白タオルを頭に巻いて無表情のまま時折ぴょんぴょん楽しそうに飛び跳ねながらギターを弾く。楽しそうな動きなのにずっと無表情。好き。そしてボーカルの田中ヤコブ氏が唯一無二って感じの存在感で次々に名曲を繰り出していく。ギターのストラップが「ハードオフ」オリジナルのやつ。本当に使ってる人いるんだ。好き。
「家主のテーマ」の♪忘れられたハーモニー♪のところは良すぎて、音源でも毎回天上へ飛んでいくような気持ちになるのだが、生演奏も当然良かった。
観客は思い思いに楽しんでいるが基本おとなしいので掛け声をかけたりはしなくて、曲の合い間もじっと静かに待っている。静かになるとそばにある最大規模のステージから音が聴こえてくるが、気にならない体で次の曲を待っていると、ギターの無表情さんがその音に合わせてギターを鳴らしてちょっと笑いを誘う。なにーこのゆるい感じ。好き!
北海道の夏も最近は暑く、決して快適とはいえない環境だったが、それでも野外で家主の音楽を全身で浴びた時間は思い出すだけで幸せになる、宝物のような時間だった。
終わってからすぐに物販に向かいながらライブのチケットをとった。Tシャツも買った。柔らかくて着やすいし色も良くて愛用しています。
4 生家主(2回目)
狸小路のライブハウスでのライブ・・・当日がどれだけ待ち遠しかったか!この日までに何かあると困るので、普段以上に事故やけがに気を付けて過ごした。
会場の入り口から開始までずっと「うおー!ついにー!!」と心で叫んでいた。そばにいた女性は彼氏に連れられてきたらしく、「メンバーかスタッフかもわからない」と言っていたが、「もう私は名前まで知ってますからね!」と心の中で思った。
はじめ後ろの方にいたのだが、気付けばスピーカーの前にいた。ドラマーの岡本さんがそーっと入ってきてドラムの位置を調整する。しばらくして他のメンバーも入ってきて、大学祭で順番が来たバンドくらいの感じで今回もぬるっと始まった。ぬるっと始まるのに、最初っから最後まで本当にいいんだよね・・・!!野外の家主もよかったけど、ライブハウスの家主もよかった。スピーカー近すぎてときどき耳がビリビリなったけど、これも家主の音を頭蓋骨で浴びている感じでよかった。また札幌に来てください、切実に。それまでまじめに生き抜きます。
5 おまけ
ヤコブ氏が小1まで札幌に住んでいたときの思い出を話してくれて、それは良い思い出ではあるのだけどちょっと切ないものだった。もしかしたら気軽に来られる土地ではないのかもしれないけど、それでもこれからもフェスとかライブとかにどんどん来て、楽しい思い出の多い土地になってほしいと思った。
あと、これまでの「家主」の対バン相手を見ていたら「ホフディラン」があって、私はホフも好きなのでうわー行きたかったぁと思ったのだけど、よく考えたら「いつでもスマイルしててね」と歌う対バン相手に「いつでも笑顔でいろだとか・・・わかんないセンスだわ」って歌ったわけなのね。もうそんなの絶対見たかったじゃん。