
寝台列車でクラクフへ、特急列車でワルシャワへ&ショパン博物館へ
①ÖBB Night jetでウィーンからクラクフへ
ポーランドへ行くと決めたのが連休の5日前でワルシャワ行きの直行フライトは満席だったので、ウィーンからクラクフまで寝台列車で行くことにした。

今や鉄道もオンラインで予約するのが当たり前な時代。航空券は航空会社のサイトで直接予約できるので安心できるが、鉄道の予約となるとこのウェブサイトで正しいのか不安になる。「ここで予約できるみたい」や「このサイトっぽい」という会話からなかなか抜け出せない。何ヶ所かのリソースで確認し間違いないだろうと判断していざ予約へ。もし万が一騙されたらどうしようとも思ったが、どのみち飛行機ではもうポーランドへ行けないので賭けてみるしかないのだが、結果無事乗ることができた。
ちなみにウェブサイトで支払いをして完了ではなく、確認メールが送られてきてそこでチケットを有効化というボタンを押すとQRコード付きのチケットのPDFが送付されるのでそこまでして発券完了となる。これはできたらプリントアウトしておいたほうがいい。乗車した途端車掌さんからCoffee or Tea? 聞かれ、この紙にそのオーダーを書いて「後で返すからね」と言われて回収されてしまうからだ。車掌さんは各々の乗客がどの駅で降りるのか把握していて、降りる駅に到着する30分前くらいに、先ほどのチケットと一緒に朝食とコーヒーや紅茶を持ってきてくれる。スマホのアラームもいらないモーニングコールを兼ねたこのシステムには少し感動した。寝過ごして通り過ぎる心配もない!
3人部屋の個室を予約したのでトイレとシャワーも中にあると思っていたら、あるのは洗面台だけ。そしてベッドは2段ではなく壁一面に3段!専用のトイレとシャワーもあると家族一同思い込んでいたので、夫も子どももショックだったのか歯も磨かずに就寝。
よくよく調べて見るとわかったことが、おそらく専用のシャワーとトイレがある個室は2人部屋のみで、3人部屋を選択している時点でそういうタイプの部屋にはならないこと。そして寝台列車がポーランドだけでなくヨーロッパ各地へ出ているので、ポーランド行きの車両には専用バスタイプの部屋はそもそもなかった可能性も。無事乗れただけでも良しとするしかない。日本行きのエコノミークラスで13時間過ごすこと思えば、足が伸ばせるだけでもありがたい。
②PKP Intercityでクラクフからワルシャワへ
ワルシャワへはクラクフから日帰りで行くので、ホテルの方にPKP Intercityのウェブサイトを教えてもらい早速予約する。1番速い列車でクラクフからワルシャワまで片道2時間20分ほど。

ここで少し失敗をしてしまった。博物館の入場チケットを買う感覚で子どもの分は子ども料金を選択したのだが、出発した後に車掌さんにチケットのPDFの画面を見せると間違っていると言われた。私はなぜかBig Familyを選択してしまい、大人2名と子ども1名を選んだが、ここでの子ども料金は年齢を証明すればよいわけではなく学生証を提示しなければならないとのこと。乳幼児はさすがに大人料金ではないだろうが、我が家の場合Family Ticketの方を選びDiscountなしの料金で3名を選択しなければいけなかったのだそう。

実は帰りのチケットもこれで買ってしまってるんですと伝えると、ウェブサイトで変更できるからしておいてねと言われた。ヨーロッパでは交通機関の運賃を間違える=罰金と連想してしまうので、面倒でもやり遂げるしかない。支払った料金はどうなるの?買い直し?といろいろと気になるが、先ほど車掌さんは「買い直す」じゃなくて「変更できる」と言っていたはず。チケットの確認メールをよく見てみると変更ボタンがありそこから変更用のページへ飛ぶようになっていた。なるほど!日本の新幹線のスマートEXのように一旦支払いが終わっても間際まで変更できるシステムらしい。変更手続きの途中で『差額を請求するのではなく以前の支払いはキャンセルされて新しい金額で請求されます』というメッセージ出てきたので、おそらく二重請求はされないはず!
クラクフ駅には有人のチケット窓口もちゃんとあってそちらでも買えたのだが、到着後は寝台列車の疲れがどーんと来ていて窓口を探す気力もなかったのでこればかりはしょうがない。ポーランド国内を鉄道で移動する方にこれらの情報が役に立つならうれしい。
③フレデリック•ショパン博物館
ワルシャワ中央駅(Warszawa Centralna)を出ると高層ビルにまず圧倒される。日帰りなのでとにかく歩いて観光スポットを回ったが、こちらの博物館のみ立ち寄ることに。

入場料を窓口で支払う時に、あと10分でコンサートが始まるので是非行ってほしいと言われた。スタッフの方の丁寧な案内からできるだけ会場を満員にしたいという気持ちが伝わる。展示を見たりヘッドホンでショパンの曲を聞いたりするだけだと思っていたので嬉しくて、すぐさま地下のホールへ向かった。ショパンの名曲のダイジェスト版と言った感じで30分ほどだったが、入館料だけで生演奏を聴くことができた。
演奏が終了してホールを出る時にアジア系の女性がピアノの前に立って写真を撮っていた。ショパン博物館でショパンのピアノ演奏を聴けたことが嬉しそうだった。ワルシャワのどこかの大きなホールでもショパンのコンサートはあるはずだが、日にちを決めてチケットを購入したりそういったコンサートに行くのもハードルが高かったりする。こういう機会だからこそ私も子どもと一緒に聴くことができたのでいい思い出になった。
今回はかなり長文になったが、最後にどうしてもこの話で終わりたい。特急列車がワルシャワに到着する直前にショパンのこの曲が突然車内に流れてきたのだが、子どもがすぐに「これ知ってる!」と言い出した。
ネットで話題になっているショート動画のBGMに使われているのだそう。子どもはショパンの曲だとは知らなかったのだが、この後突然私が思い出したのが、大昔テレビで流れていた太田胃酸のCM。『ありがとう、いいー薬ですっ!』のセリフとともに流れるあのシュールなピアノの旋律もショパンだった!
ショパンの曲は、主役を喰うこともない黒子のようでありつつも、しっかりと耳の奥に存在感を残す。この絶妙な感じがショパンの偉大さだと思う。太田胃酸、ありがとう(笑)。