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【1日目】破格のきっぷ!西日本グリーンきっぷで乗り放題の旅 ~サンダーバード乗り納め金沢編~


1 西日本グリーンきっぷとは?

今回使うきっぷはこれ、
「西日本グリーンきっぷ」!

※このきっぷは2024年2月29日で終了しました。

きっぷの概要

  • JR西日本エリアが3日間乗り放題

  • 新幹線・在来線特急も利用できる。

  • グリーン車指定席を6回まで利用できる。

買い方

  • JR西日本のサイト「e5489」で予約購入

  • グリーン車指定席も「e5489」で指定できる。

  • 乗車前までにJR西日本エリア内駅の「みどりの券売機」できっぷを発券

お値段

 25,000円(3日間用)

新幹線さくら号のグリーン車指定席で博多~新大阪間を往復するだけでも4万円以上かかるので、これはかなりお得!

 ※ちなみに5日間用もあり、お値段は30,000円

注意事項

  • おとなび会員(満50歳以上)専用のきっぷなので会員登録が必要(登録は無料)

  • 2名以上で全行程同一で利用する必要がある。

きっぷの利用条件が2名以上ということで、今回このきっぷを使って同行するのは、高校時代の朋友K。


◆1日目(令和6年2月23日(金))

2 博多→新大阪→金沢

博多駅新幹線改札内のセブンイレブンでホットコーヒーとサンドイッチを買って、6時59分発新大阪行き「さくら540号」に乗ります。
さあ、旅のスタートです。

博多駅に入線するさくら540号

このさくら号の座席はグリーン車指定席です。

落ち着きのあるグリーン車の座席

さくら号は8両編成のN700系車両で、グリーン車は6号車の新大阪寄り半分となっています。

グリーン車の座席は座面と背もたれが連動する「シンクロナイズド・コンフォートシート」が採用されていて、リッチな気分で快適な一時を過ごせます。

グリーン車の乗車率は8割ぐらいです。
ただ、3連休の初日ということもあり、自由席や指定席は満席との車内放送が流れていました。

グリーン車の中で今回の旅の同行者、朋友Kと合流します。

今乗っている「さくら540号」は九州から本州方面に向かうのに、博多駅をいい時間帯に出発するので、これまで何度も行程に組み込んで利用したことがある列車です。

博多を出た頃は、外は曇り空で明るくなりかけてきたところでした。
さくら号は山陽路を快走し、9時37分、終点の新大阪に到着。

新大阪駅の在来線乗りかえ改札口は混雑していて、通り抜けるのに手間取りました。
改札を出てまっすぐ突き進むとコインロッカーがあります。キャリーバッグを預けて、身軽にして金沢へ向かいます。
今日はこれから金沢を観光して、その後、大阪に戻り宿泊する予定です。

新大阪から9時46分発金沢行き「サンダーバード13号」に乗ります。
このサンダーバード、3月16日に北陸新幹線が敦賀まで延伸開業されると、敦賀止まりに運行が変更されるのです。

サンダーバードの金沢行きの運行もあとわずか

サンダーバードの座席もグリーン車指定席です。
グリーン車は先頭の1号車。
4割ほどの乗車率ですが、自由席と指定席は満席とのアナウンスが聞こえてきます。

グリーン車は座席配列が2席+1席になっていて、進行方向右側が1席の列です。
私と朋友Kは1席の列に前後に座ります。

座席はフットレストと上下可動式の枕、ひじ掛け部分にはコンセントが付いています。
足元には十分なスペースがあり、長時間座っていても疲れず、快適にくつろぐことができます。

ひじ掛けの緑色に光っている部分がコンセント口です。

新大阪を出るときは曇り空でしたが、京都に着くと小雨の天気に変わります。

京都駅に停車中

山科を過ぎて湖西線に入ると雨は止んで琵琶湖が見えてきます。
対岸のはるか遠くには山頂に雪をかぶった鈴鹿山脈が見えます。

湖西線はほとんどが高架になっているので、琵琶湖の景色をしばらくの間眺めることができるおススメの路線です。

車窓を流れる琵琶湖の風景

琵琶湖が見えなくなると、右手から北陸本線が寄り添ってきて合流し、近江塩津を通過します。
そして野坂山地を貫く5,173メートルの深坂トンネルに入ります。

トンネルを出ると、新疋田駅を通過。
並行していた上り線の線路が次第に離れていき、視界から消えてしまいます。
すると突然頭上に上り線のガードが現れ、下をくぐります。
ここは上り線がループ線となっていて、下り線と交差しているのです。

上り線はここから山をぐるりと1周して京都方面へ向かいます。
下り線だと真っすぐ敦賀へ向かうだけで何の変哲もないんですが、上り線はループ線を走り、途中で敦賀市街地を見渡せるビュースポットも通るので、ここはなかなか楽しめる区間です。

北陸新幹線延伸後、サンダーバードが敦賀止まりとなってもこのループ線を通ることに変わりないので、上り線に乗ったときは必見です。
ちなみに今回は写真を撮っていないので、昨年9月にビュースポットを通ったときの写真がこれです。

ループ線の途中で見える敦賀市の街並み

上り線が寄り添って再び並走すると、11時2分、敦賀に到着。
3月16日に開業を控える北陸新幹線敦賀駅の巨大な駅舎がそびえ建っています。
開業後はサンダーバードは敦賀止まりとなるため、ここで北陸新幹線に乗り換えなければなりません。

来月の開業を待つ北陸新幹線敦賀駅

さて、ここから先の金沢まで、サンダーバードの運行はあと1ヶ月を切っています。
じっくりと沿線の景色を楽しんで乗り納めをしようと思います。

敦賀を出ると13,870mの長大な北陸トンネルに入ります。
トンネルを抜けると雪景色を想像していたのですが、まったく雪がなく期待外れでした。
除雪された小さな雪山が一瞬見えたぐらいですね。

沿線には三脚カメラを構えた撮り鉄が目につきます。
おそらく北陸新幹線開業後はサンダーバードが敦賀~金沢間を走ることがなくなるから最後の雄姿を撮り納めているものと思われます。

南条を通過後、北陸新幹線と交差します。

北陸新幹線の高架下をくぐり抜ける

武生を過ぎて日野川を渡ると右手に独特の屋根が印象的なサンドーム福井が見えてきます。

多目的イベントホールのサンドーム福井

北鯖江を過ぎると山腹にめがねの看板が見えてきます。
ここ鯖江市はめがねフレームで国内シェアが約96%、世界でも約20%のシェアを占める産地となっているのです。

めがねの街・鯖江を象徴する看板

福井を出ていったん離れていった北陸新幹線が、芦原温泉に近づくころ再び寄り添ってきます。
高架線をふと見るとE7系車両の上半身が姿を現し、ゆっくりと走っているではありませんか!
試運転でもやっているんですかね?

開業前の北陸新幹線を走るE7系

サンダーバードはその後も北陸新幹線に近づいたり離れたりしながら、芦原温泉、加賀温泉と温泉の名がつく駅に停車して、金沢に近づいていきます。

昨年10月に亡くなった谷村新司の「北陸ロマン」のメロディがしんみり流れると、12時20分、終点金沢に到着。

列車を降りて歩いていると、ホームの上部に設置しているスピーカーに音声器具を近づけて、駅の放送を録音している、いわゆる「録り鉄」が数人いました。
これも北陸新幹線延伸後、サンダーバードの金沢発着が廃止されるから録り納めですかね。

3 金沢観光

金沢は曇り空で気温が低くひんやりしています。

金沢駅のシンボル鼓門

兼六園口のバス乗り場で金沢市内1日フリー乗車券を買います。
値段は800円で指定エリア内の北陸鉄道グループや西日本JRバスが乗り放題になります。
指定エリア内には兼六園やひがし茶屋街なども入っているので、この乗車券があれば主な観光地を回ることができます。
バスの初乗り運賃が210円なので、4回乗れば元が取れるお得な乗車券です。

バス以外に北陸鉄道の一部区間も乗車できる

さっそく乗車券でバスに乗って、まずは金沢市民の台所、近江町市場へ向かいます。天気は小雨へと変わりました。

武蔵ヶ辻・近江町市場でバスを降り、アーケードに入ると意外と観光客で混雑しています。
今年1月1日に発生した能登半島地震で金沢の観光客が激減しているとニュースで報道されていましたが、ずいぶん回復しているようです。

にぎわいが戻った近江町市場

アーケードから少し外れたところにある「井ノ弥」という海鮮丼の店で昼食をとることにします。
3組ほど先客が並んでいたので15分ぐらい待って店に入れました。

メニューは海鮮丼の他、天丼や金沢カレーもあります。

昼限定の「海鮮てんこ盛りセット」を注文します。
ちなみに朋友Kは「海鮮ぶつ盛りセット」を注文。
色とりどりの魚介類が食欲をそそり、口に入れた瞬間、新鮮さが際立ちます。

海の香りが漂ってきそうな新鮮なネタ

さて腹も満たされたところで、次にひがし茶屋街に向かいます。
最寄りの橋場町バス停で降り、浅野川大橋を渡って右に進むと、ひがし茶屋街に到着です。
美しい出格子と石畳が続く古い街並みは、江戸時代にタイムスリップしたような感じです。

ひがし茶屋街の街並み

ひがし茶屋街は1820年(文政3年)に、金沢の中心部に点在していた茶屋をここに集めて、加賀藩公認の遊里として誕生させたのが始まりといわれています。
ここも混雑するほどではないけれども観光客でにぎわっています。欧米系の訪日客が多いですね。

途中、「福光屋ひがし」という杉玉をつるしたお店に立ち寄ります。

福光屋は1625(寛永2)年創業の酒蔵

バーが併設されていて、「加賀鳶純米吟醸あらばしり」を注文します。
甘くてキレがよく飲みやすいですね~

あらばしりとは、酒を搾るときに最初に出てくる部分

ひがし茶屋街をあとにして、浅野川大橋に戻り、川沿いを歩くと木造の中が見えてきます。
読んだことはないけど、泉鏡花の「化鳥」や「照葉狂言」の舞台となった橋だそうです。

橋を渡るごとに一文を支払ったことから「一文橋」とも言われた

中の橋を渡ると、対岸には主計(かずえ)町茶屋街があり、ひがし茶屋街とは雰囲気が違って静かなところです。

明治の中頃はひがし茶屋街と並んでにぎわっていた

再び橋場町からバスに乗って、次は兼六園に向かいます。
兼六園下・金沢城でバスを降り、入場券を買って桂坂口から兼六園に入ります。

金沢の観光地でおそらく誰もがすぐに浮かぶのがこの兼六園。
兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並び、日本三大庭園の一つとされています。
江戸時代の代表的な林泉廻遊式庭園で、四季折々の美しさを楽しむことができる景勝地です。
雪吊りやことじ灯篭が見どころですが、今日は残念ながら雪が全然積もっていません。

雪吊りとことじ灯篭

霞ヶ池をぐるりと回っていると、途中からみぞれが降ってきました。
だんだんと冷えてきます。
兼六園からバスで金沢駅に戻ります。

これから16時55分発「サンダーバード38号」で大阪に向かう予定ですが、発車時間まで1時間ぐらいあるので、金沢駅のショッピング施設「あんと」の1階にある「金沢地酒蔵」に立ち寄ります。
ここでは100円で日本酒の有料試飲ができるのです。

利き酒マシーン

4 金沢→大阪、大阪の夜

ホームに行くと、「サンダーバード38号」はすでに入線して出発を待っていました。

16時55分発大阪行きサンダーバード38号

金沢駅の行先掲示板に「サンダーバード」が表示されるのもあとわずかです。

北陸新幹線延伸後は敦賀発着となる。

「サンダーバード38号」は定刻に出発。
帰りの座席もグリーン車指定席で、乗客は思ったよりも少なく3割ほどです。

金沢はあいにくの天気でしたが、近江町市場、ひがし茶屋街、兼六園とメインどころを訪れ、しっかりと食べて、見て回れたので、十分に楽しめました。

列車が金沢を出発し、落ち着いたところで、プシュッ!と北陸ビールを開けて呑み鉄です。
サンダーバード号の金沢までの運行はもうすぐ終了ですが、今度金沢を訪れるときは、北陸新幹線に乗り換えてより速く行くことができるので楽しみです。

「北陸」の文字に海の幸が描かれている。

サンダーバードは3分遅れで新大阪に到着。
ロッカーからキャリーバッグを取り出して改札を出ます。
外はすっかり暗くなっていました。

新大阪駅正面口

われわれは駅近くのホテルを別々に予約しているので、とりあえずホテルに荷物を置いて大阪の街へ繰り出そうと思います。

朋友Kが泊まるホテルのロビーで待ち合わせをして、再び新大阪駅に向かいます。

東海道本線、大阪環状線を乗り継いで、新今宮駅で降ります。
駅を出て天王寺方面に歩くと、じゃんじゃん横丁の入口が見えてきました。
大阪独特のディープな雰囲気が漂う商店街です。

正式名称は南陽通商店街

商店街を入って真っすぐ進み、アーケードが終わるところにある「串かつだるまジャンジャン店」に入ることにします。
3組ほど並んでいたので10分ほど待ちました。

近くには他にも串カツのお店がいくつかある。

「二度づけ禁止」と書いてある店の貼り紙がプレッシャーをかけますが、串カツを漬ける共用のソース入れが見当たりません。
卓上にはソースボトルが置いていて、ボトルから直接串カツにかけるスタイルになっています。
コロナ禍で共用のソース入れが撤去されてしまい、串カツの醍醐味であるドボン漬けがなくなってしまったようです。

ソースにドボンと漬けて食べたかったな

この後は朋友Kと飲みながら語り合い、1日目の旅はこれにて終了です。
明日は和歌山県南部の新宮に向かいます。

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