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Frank Sinatra-Love Is A Kick
今日聴いているのは『Love Is A Kick』。
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このアルバムは以前に紹介した2作と同じで、シナトラのコロンビア時代(1943〜52)の録音から12曲を選んだものである。『Frankie』はスイングとバラードが半々、『The Voice』はバラード集だったが、本作はスイング集となっている。シナトラのスイングといえば全盛期のキャピトル時代に名盤がたくさんあるが、スイング唱法が完成される前の録音が収録されている。
【感想】
Cole Porterの”You Do Something to Me”からアルバムは始まる。
続く”Bim Bam Baby”は私がこれまで聴いたシナトラの楽曲の中でおそらく最低の出来。これより悪いのがあれば教えてください。とにかく、10年分の録音から選りすぐってこの曲が入ったのは不思議で仕方がない。
“When You’re Smiling”は分かりやすい歌詞とメロディーが親しみやすい名曲である。日本では「君ほほえめば」の邦題で知られるこの曲を、シナトラは後にライブでたまに取り上げた。
“Saturday Night (Is The Loneliest Night In The Week)”はこのアルバムでは最も古い1944年の楽曲だが、シナトラがオリジナルで全米2位を記録した人気曲。後のアルバム『Come Dance With Me!』(1959年)に収録されたバージョンはスイング感が強くなっている。
8曲の“Deep Night”はこのアルバムの中では最もスイング感が薄く、異質な部類。しかし出来は悪くない。
続く“American Beauty Rose”と”Five Minutes More”はアルバム『Come Swing With Me!』(1961年)との聴き比べも楽しめる。特に抑えておきたいのは「あと5分間だけ」の邦題でも知られる”Five Minutes More”のほうで、ここに収録されたシナトラ盤が1946年に全米No.1を記録している。後のバージョンでは聴くことが出来ない、短いヴァースが良い。
【総評】
スイングはキャピトル時代のほうがアレンジを含めて優れていると感じることが多い。それでもこのアルバムのはたまに聴きたくなる。録音時期はバラバラだが案外纏まりはあるし、2曲目を除けば嫌味はほとんど無いのがその要因だろう。ここからシナトラの唱法がどのように発展していったかを知るためにも必聴の一枚。
【この一曲】
全米2位。初期の傑作の1つ。