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私の好きなAbdurahmanovic作品①
Fadil Abdurahmanovicは押しも押されもせぬレジェンドであり、20世紀中盤から現在に至るまでヘルプメイトの世界を牽引し続ける存在だ。ボスニア・ヘルツェゴヴィナ生まれの彼は、1950年代後半に創作活動をスタートさせ、1992年に創作GMになった。一概にヘルプといっても手数やテーマは様々なのだが、何を作らせても抜群に上手いのがAbdurahmanovicの凄さである。
はじめは「Abdurahmanovicの傑作ベスト20」のような形で連載しようと思っていたのだが、もっと肩の力を抜いて、「私の好きなAbdurahmanovic作品」という形式で紹介していくことにした。これなら何作でも紹介することが出来る!
最初の作品には、駒数が少なくテーマが明快なものを持ってきた。たとえ軽い作であっても、センスの良さは如実に現れる。
with M. Mladenovic
Arnhem 1981 2nd Prize
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H#2 2solutions
1.Qg3+ Sg5+ 2.Kf4+ Sc2#
1.Qe6+ Sf6+ 2.Ke5+ Sf5#
全ての着手がcheck。最小駒数での表現がなんとも美しい!
pinに関するテーマは短編ヘルプの花形であり、Abdurahmanovicも数多く手掛けている(pin-mateの権威であるZivko Janveskiとの共作も多い)。ここでは複雑さのない作品を取り上げる。
British Chess Magazine 1988-89 1st Prize Version
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H#2 2solutions
1.Sc2 Qd1 2.Kc5 d4#
1.Qb3 Rd1 2.Kc4 d3#
白の初手は、いかにも効率の悪そうなところ(d1)への同地点着手になっている。一気に視界が開ける最終手の手触りが抜群だ。pin-mate。