見出し画像

2024年自作ベスト5

毎年恒例の自作まとめです。
↓去年までのものはこちらのマガジンからどうぞ。


まずは今年の活動報告です。

今年度から社会人になりました。
想像していた通り、創作の質・量ともに前年より落ち込む結果になりました。来年以降は過去の作家にならないように頑張ります。

桑名の全国大会の後の3次会。若島さんと話していて「最近詰将棋があんまり作れてないんですけど、プレブレム絡みの良いネタないですかね?」と聞いたら、「プロブレムではクリティカルムーブを8つくらいに分類している。それを詰将棋で作ってみるとか」と教えていただきました。それがきっかけで、2023年の後半はずっとクリティカルムーブのことを考えていたような気がします。その多くは今年に入ってから長谷川君との共作で発表しました。今年は他にも、高坂さん、中村さん、岸本君、仲村君と共作を発表。来年は人に頼らずに作りたいもんです。

さてランキングですが、共作は除いてセレクトしました。今年結果稿が出た作品(パラ発表は2023/10〜2024/9、ネット発表は2024/1〜2024/12)のベスト5です。


5位

スマホ詰パラNo.23032

66龍、同玉、77銀、55玉、66銀、46玉、
57銀、35玉、46銀、26玉、37銀、15玉、
26銀、16玉、17銀、15玉、16飛、24玉、
23と右、35玉、26銀、46玉、37銀、55玉、
46銀、66玉、57銀、75玉、66銀、86玉、
77銀、95玉、86銀、96玉、97銀、95玉、
96飛、84玉、83と左、75玉、86銀、66玉、
77銀、55玉、66銀、46玉、57銀、35玉、
46銀、26玉、37銀、15玉、26銀、16玉、
17銀、15玉、16飛まで57手。

解説はスマホ詰パラに書いた通りなのでそちらをご覧ください。陳腐な趣向手順で前例もありますが、対称風の初形が好みなのと、自作中最長手数なので記念に入れてみました。


詰パラ2024年5月

24龍、26玉、36銀、24銀、37角成、同玉、
48角まで7手。

小学校個展から1作選びました。
3手目36銀!が折角のバッテリーを遮断してしまう手になっていて作者の狙いですが、それ自体はテーマと言えるほどのものでなく自己満足に近いです。むしろ、手順全体にインパクトや新鮮味、難解性を感じていただけたかどうかで価値が決まってくる作品でしょう。半期賞。
不満なのは24龍に64合だと35龍で1手詰になる点。プロブレムで言うところのshort threatみたいな感覚で、この変化は7手駒余りで作ってボリューム感を与えるべきでした。


3位

詰パラ2024年7月

57と、67飛合、同角、48玉、38飛、57玉、
58飛、66玉、55銀、75玉、85飛、同歩、
78飛、同と、87桂まで15手。

「クリティカルスクエアを飛び越させるための中合」の作例がまず少ないですし、一番強い飛合でやったのは初めてのはずです。もらった合駒で空いてしまったスクエアを埋めるのもテーマに沿った作り方。
玉を反対まで運ばなければいけないアイデアは、図化するとほとんど中長編になってしまいますが、本作は短編で纏めることができた点に価値があると思っています。


2位

詰パラ2024年6月

66角成、55桂合、同馬、43玉、65馬、54龍、
55桂、33玉、45桂、同龍、43桂成、同龍、
66馬、55桂合、同馬、44龍、45桂、43玉、
35桂、同龍、33桂成、同龍、同馬、同玉、
34飛、43玉、55桂まで27手。

龍と角がそれぞれペアになっていて、あとはと金と香だけ。それから持駒が桂だけ。こういう統一感のある初形が好みです。手順の方も趣向的で悪くないと思っています。
桂でガチャガチャやるのは、手筋ものばかり作っていた頃に付いた癖で、スマパラNo.13441が近い路線の過去作。さらに元を辿れば、スマパラNo.11390(馬方四季作)の手の感触に影響を受けています。そういう意味で、本作は相馬さんのお陰で出来た作品ということになります。


1位

詰パラ2024年7月

44桂打、43玉、55桂、54玉、76馬、65飛合、
45金、53玉、86馬、75角合、23飛成、同銀、
52桂成、同玉、53歩、同玉、44金、52玉、
96馬、85歩合、同馬、同銀、64桂、同飛、
53歩、51玉、43桂生まで27手。

23手目、飛と角の交点に64桂!と捨てる、この手を「Novotny」と呼んでいます。詰将棋でNovotnyの歴史は長く、一番古いのはおそらく図巧。当然プロブレムでNovotny氏が作るより前なので、この手筋も「Kanju」と呼ぶのが正式です(笑)。
詰将棋におけるNovotnyの発展史は、まずオーソドックスな図巧62番。次に1枚クリティカルスクエアを飛び越させてから焦点捨てする図巧79番。そして2枚飛び越させる小林敏樹作。この3つしかないと思っています。
本作はその発展史からは横に逸れた、合駒で2枚とも出して、発生した焦点に捨てるというアイデアです。クライマックスの64桂!に向かって、すべての着手がそのお膳立てになるように構成したつもりですがどうでしょうか。
安定感のある初形で、手順前後のアヤをいくつも用意することができて、代表作の1つ。馬屋原さんに「こんなに全部がうまくいくことってあるんですね」と褒めていただいたのも忘れられません。


最後までお読みいただきありがとうございました。感想などありましたらnoteのコメント欄かXにお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!