見出し画像

私の好きなAbdurahmanovic作品④

前回『The Wizard from Sarajevo』の話をしたが、それ以外にも「Fadil Abdurahmanovic協力詰作品集」という若島さんが数十年前に製作した小冊子が存在する。元は詰パラのプロブレム記事の懸賞用か何かだったと思うが、今でも手に入るものなのかはよく分からない。


間が空いてしまったが、前回に引き続きAbdurahmanovicによるpinの探究を見ていただこう。


Sredba na Solidarnost 1985 1st Prize

H#2 2solutions

1.Se4 Sb4+ 2.Kxd4 Qh8#
1.Qe6 Bc3+ 2.Kxd5 Qh1#

d-fileのmasked half-pinのラインにKが入って、double pin-mateになる。大きな動きの最終手も良く、素晴らしい出来栄え。


with Zivko Janevski
Mat 1987 1st Prize

H#2 4solutions

1.Qd5 Bc2 2.Sxd6 Bd3#
1.Bd7 c7 2.Bb5 d7#
1.Bd5 Bxd5 2.Qxd6 Bxf3#
1.b5 Kf2 2.Rxd6 Kxf3#

pinを極限まで追求した作品で、4つのtriple pin-mateを実現した。これは今でも超えられていない記録かもしれない。
Abdurahmanovicはその超絶技巧を活かして、他の誰も作れないような挑戦的な作品も多数発表している。そういう意味で、本作も彼らしさの一面を表していると思う。

いいなと思ったら応援しよう!