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インタビュー企画①ー斎藤光寿編
この企画の第1弾ということで、なんと斎藤光寿さんにお話を伺えることになりました!
奨励会三段として有名な氏ですが、詰将棋界では面白い狙いの作品を連発中の作家としても認知されています。現在22歳で、詰パラ入選は既に30回。ちなみに斎藤さんは詰将棋に関する文章を寄稿された経験は無いらしいので、この記事が氏の詰将棋観を知ることのできる最初の資料となるようです。
ーーで書きだしているのが私の質問、太字が斎藤さんの回答、☆は私の独り言です。それでは早速行きましょう。
ーー詰将棋創作を始めたのはいつですか?
中学1年生(2013年)くらいだと思いますね。詰パラ初入選はそこから2年くらい後になります。
☆2015年2月号の新人コンクールが初入選のようです。
ーーそのキッカケは?
元から迷路とかレゴのような作ることが好きで、中1か中2の時にちょうど詰パラを読み始めて、こういう世界があるのかと思って作り始めました。
☆迷路!私も小学生の頃に作っていた記憶があります。
ーーなぜ詰パラを読み始めたのですか?
中2で奨励会に入会したんですけど、その前に中1で研修会に入って、その時周りに詰パラ読んでいる人がいたので、その影響で読み始めたんだと思います。
ーーはじめはどのような作品を作っていたのですか?
最初に作ったのは14金、同玉、13角成と捨てて、同玉に23金~28まで金が引いていくような作品ですね。あと覚えているので言うと、玉方が4枚桂を跳ねるみたいなものを考えていたような記憶がありますね。
ーー今の自分の作風を一言で言うと?
難しいですね・・・まだ作風自体が手探りで模索中の状態です。
ーー代表作は?
詰パラ2021年5月に発表したこの図ですね。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80753695/picture_pc_6e71b33d9e6706589ba2d914c8b44a31.png?width=1200)
96馬、同龍、78角、46龍、96角、同飛、46香、同飛、51飛、42玉、52飛成、31玉、43桂、同飛、32龍、同玉、24桂、23玉、15桂、24玉、25金まで21手。
ーーなぜこの作品なのですか?
自分の作品の中では一番凄いことをやっている気がするからです。
☆個人的には意外なセレクトでした。
ーー発想の源泉は?
詰将棋をどうやって作るかというのを意識するようになったのは今年くらいから考え始めたので、それもまだ手探りですね。ちなみに、アイデア自体は出そうと思って念じて出しています。
☆念じる派なんですね。私はお風呂とかで突然浮かぶことが多いです。
古代ギリシャの学者みたいですね!
☆そんな良いものではありません(笑)
ーー作るうえで得意な手数帯は?
中編、特に20手台でしょうか。
ーーでは、苦手な手数帯は?
1桁ものが苦手ですね。長編は苦手というより現状無理ですね。
ーーよく手掛ける(好きな)テーマはありますか?
具体的に好きなテーマはないですが、マニアックなテーマから作ることが多いです。
ーー合駒は好きですか?
移動合は好きですけど、打合は難しいので苦手ですね。
ーー詰将棋はどういう時に出来るんですか?
時間的なことは特に意識してないですね。創作欲が湧いた時に作り始めて、一気に完成まで持っていっちゃいます。悪い癖ですが。
ーー創作における拘りは?
あんまり変化紛れが多くならないように意識しています。
☆その拘り、分かります。
ーー好きな作家は?
自分は鑑賞というより解くことが多いので、名前を見て解きたくなる作者は沢山いて、そこに序列は付けられないですね。パッと思い浮かんだのは馬屋原剛さんと青木裕一さんでしょうか。あと過去作に詳しいわけではないですが斎藤仁士さんとか林雄一さんとかの作品も解きたくなりますね。
ーー意識している作家は?
岩村凛太朗君です。彼の野心的作品にはすごく刺激を受けていますね。
ーーよく会う(連絡をとる)作家は?
それも岩村君ですね。
ーー自分と作風が近いなと感じる作家は?
まだ作風が手探りなので(笑)。
ーー好きな詰将棋のジャンルは?
手触りが良い作品です。
☆構想作じゃないんですね。意外!
ーー印象に残っている作品は?
2020年頃の馬屋原さんの大学の作品ですね。解図時、独特の世界観に圧倒され、印象に残っています。
馬屋原剛 詰パラ2020年8月(改良図)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80780953/picture_pc_b61e4447ca411ec1fdf0c1ae5de93f89.png?width=1200)
85銀、73玉、71飛成、72角合、63桂成、同玉、53香成、同玉、52金、64玉、62龍、63桂合、53龍、73玉、74銀、同玉、85金、73玉、62龍、64玉、54金、同玉、53龍、45玉、86金、75桂左、同飛、同桂、56龍、44玉、33銀生、同玉、45桂、同角、25桂、44玉、53龍まで37手。
☆この図について馬屋原さんに確認したところ、改良図がありますということなのでそちらを掲載。これが初出になります!
ーー好きな作品集は?
つみき書店さんで購入した小西逸生さんの『将棋紫雲英図式』ですね。解答者視点で解きやすくて気持ちの良い短編が多く、影響を受けています。
ーー自分でも作品集を作ろうという気持ちはありますか?
出せたら良いなあとは思っています。
ーー今の時点で、作品集収録の水準に達した作品をどれくらい作りましたか?
いま詰パラ入選30回+ネットにいくつかあるのですが、最初の頃よりどれくらい進歩したかが分からないので、そんなに没にするという感じではないかもしれません。自作に甘いんですよねえ。
ーー古典への興味は?
詰将棋博物館で『図巧』と『無双』は一通り見ました。ただ今のところ、それほど興味は無いですね。
ーー会合に参加した経験は?
奨励会員の集まり以外にはありません。
ーー奨励会員の集まりについて教えてください。
私と岩村君と柳澤瑛君と、作家じゃないけど仲の良い山城君の4人ですね。
☆豪華なメンバー!参加してみたいけど、まず奨励会に入らなければいけない(笑)
ーー会合に参加する予定は?
7月の詰工房に岩村君と2人で行く予定ではあります。
ーーここ数年全国大会が開催されていませんが、もし来年あったとしたら行きたいですか?
まあ引っ込み思案なので・・・
ーー詰パラの中で好きなコーナーは?
全部好きなんですけど、ヤン詰の解付きとか野村さん特集があると嬉しいですね。解く側の視点として。
ーー詰パラの評点をどう捉えていますか?
単純に高いと嬉しいですね。でも、低いと落ち込むということはあまりありません。
ーー詰パラだけでなくネットにも発表されていますが、発表媒体の使い分けについて教えてください。
自信作は詰パラという意識はあります。
ーーネットの発表先の中で、お気に入りはありますか?
コンクールは参加することに意義があると思っているので、特に差は無いですかね。
ーー詰将棋関連の好きなブログは?
『my cube』のような自作の振り返りをしているブログが好きですね。作者が何を考えて作っているのか知りたいので。
ーーフェアリー詰将棋への興味は?
あまり無かったんですけど、シナトラさんの話を聞いて出てきました。
☆ 素晴らしい!
ーーチェスプロブレムへの興味は?
『チェスプロブレム入門』は買ったけど挫折中です。
ーープロパラ購読してください!
迷っています!
ーーなぜTwitterアカウントを隠しているのですか?
引っ込み思案だからです。
ーー詰将棋以外の趣味は?
音楽を聞いたり散歩したりというところですね。
ーー指将棋と詰将棋は全く別物として捉えていますか?
考えたこと無かったです。
ーー指将棋での経験が、詰将棋の作風に影響を与えたと感じますか?
手をひねり出す作り方をすることが多いので、面白い手を抽出する作業で棋力が活きるという感じですかね。ちなみにシナトラさんは指将棋されるんですか?
☆三段くらいじゃないですかね。もちろん奨励会ではなくアマチュアの三段です!(笑)
ーー解図力はずば抜けていると思うのですが、解答選手権には出場されているのですか?
1回あります。チャンピオン戦で40~50位くらいだった記憶です。
ーーまた出場する意志はありますか?
また出たいです。リベンジしたい!
ーーこれまでの作家人生で一番嬉しかったことは何ですか?
ありすぎますね。1つは難しいです・・・
ーー詰将棋での夢は何ですか?
楽しんで細く長く続けることです。
ーー貴方にとって、詰将棋とは?
私にとって詰将棋創作は「楽しい遊び」ですね。
ーー質問は以上になります。ありがとうございました。
ありがとうございました!
☆個人的には、奨励会の方々の謎に包まれた会合が特に気になりました。
☆次回も乞うご期待!