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Zivko Janevski - Selected Helpmates 16

今回の3作はいずれも非常に高いレベルだと思います。



111番

1st Place Sarajevo Quick Champ. of Jugoslavia 1991 (FIDE ALBUM 1989-91)

H#2 3solutions

1.Kb4 Qf4 2.Bb3 Sd3# 
1.Kxb6 Qe3 2.Bb7 Sa4# 
1.Kd6 Qd2 2.Bc6 S2c4# 

1枚のピースが1枚のピースによって3方向からpinされるという、難しいtaskを実現した作品。こんなtransferred pinは他に見たことがない。黒の手には全て統一感があり、b2Sを3方向に使ってのメイトも上手く出来ている。名作!

117番

3rd Prize Harmonie 1991 (FIDE ALBUM 1989-91)

H#2 2solutions

1.Qxc5 Rxe5 2.Qxd6 Sd2#
1.Qxc4 Qe6 2.Qxd4 Sxb7#

バッテリーを構成する2枚の駒を両方とも取ってしまうという、所謂battery destructionがテーマの作品。線駒が2重になっている形では、自らをpinしている駒を取ってもさらにpinが継続されるため、この奇妙なZilahi兼pin-mateの手順が成立している。こんな初形で余詰が無いのもちょっと不思議だ。


118番

Diagrammes 1991 (FIDE ALBUM 1989-91)

H#2 b) remove Pd5

a) 1.Qe4 Be3 2.Kxc4 Qe2#
b) 1.Qe3 Rce4 2.Kxc5 Rg5#

本作も、以前に紹介したFeather mechanismの作例の1つ。線駒のライン上に位置する黒Qは明らかに邪魔であり、またKをmate positionに運ぶためには白のRとBのどちらかを取ることになりそうだ。
つまり想定手順は1.Qxf6 Bd4 2.Kxc4 Qe2という感じなのだが、これではRd3の受けが残ってしまう。この紛れを考えると、協力して閉じなければならないラインはg4Rによるものとh3Rによるもの両方だと分かる。よって、正解手順は白Rのラインを開けないようにする1.Qe4!であり、続く1...Be3で黒Rのラインも閉じてpin-mateとなる。
続くb)では、もちろんこれと対照的な手順が繰り広げられるのだが、こちらは想定される紛れ手順が機能していないように見える(黒Qの有効な逃げ場所が無いので)。この点が私は気になってしまうが、どうだろうか?

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