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Zivko Janevski - Selected Helpmates 10
このシリーズも10回目になりました。第1回は1作だけでしたが第2回以降は1回につき3作紹介しているので、今回を含めて28作紹介したことになります。28問/68問ということはおよそ4割採用しているというわけ。「Fairy World」の時よりも厳し目に選考してなおこの数値ということは、いかにJanevskiが凄い作家か分かりますね(私が甘いだけだったらすみません)。
65番
1st Prize Feenschach 1988 (FIDE ALBUM 1986-88収録作)
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H#2 3solutions
1.Sf2 Bxd4+ 2.Be5 Qxf2#
1.Sc3 dxe6 2.Sxe6 Bxc3#
1.Sd6 Qxf4+ 2.Bf5 Rxd6#
「e4Sを跳ねてunpinし、unpinされた駒を別のラインでpinする」という黒のtransferred pinをcyclicに実現した作品。構図の取り方がうまく、この面倒そうなテーマが分かりやすく表現されている。2解目のみ白の初手が線駒着手でなくcheckにもならないのは違和感があるが、これでよく3解ともdouble pin-mateに統一できたものだと思う。
67番
Josip Vargaと共作
1st-2nd Prize The Problemist 1988 (FIDE ALBUM 1986-88収録作)
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H#2 6solutions
1.Rde7 d7 2.Re6 Sxf7#
1.Rfe7 f7 2.Re6 Sxc6#
1.Bd3 c4 2.Be4 f4#
1.Qe4 Kd1 2.Qd4+ cxd4#
1.Bxc5 a7 2.Kxd6 Bf4#
1.f4 Bxf2 2.Qf5 Bd4#
異なる6つの駒によるtempo moveが出てくるという記録作。対称的な面はあるが、ただ左右反転の手順ではない点は買える。
68番
4th Place Macedonian Championship 1988 (FIDE ALBUM annex 1986-88収録作)
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H#2 b)Rg6→g7 c)Bh8→h6
a)1.Kxe4 Bxh5 2.Rxf4 Bxg6#
b)1.Rxf4 Sd6 2.Rfxg4 Bxg7#
c)1.Rxg4 Sg6 2.Rxe4 Be3#
白Rと黒Kの間に白の駒が3枚も、つまりhalf batteryより1枚余分に挟まった形で、これを専門用語でthird batteryと呼ぶ。黒の手は着手地点(arrival square)がcycle(e4-f4, f4-g4, g4-e4)になっており、各解でbattery上に挟まった駒を2枚剥がしてpinの形を作っている。
a)解のみがthird batteryを構成する駒を用いてのメイトであり、残りの2解は端にあるBを使ってのメイト。ツインの設定も含めて粗削りな面が目立つが、それだけ作るのが難しいとも言える。野心作。