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Zivko Janevski - Selected Helpmates 01

今回から取り扱うのは、Orbitから2009年に出版された Zivko Janevski - Selected Helpmates である。大家JanevskiのHelpがこれでもかと566作!も掲載された本書は、Helpの道を志す作家(私もその1人である)にとってバイブルとなるに違いない。

※雑誌のOrbitと版元としてのOrbitを混同した解説を書いていたので修正しました。


まずはZivko Janevskiという作家について触れよう。このOrbitにはBiographyが付いているのでそれを簡潔に纏める。1953年、Gevgelija(北マケドニア)生まれ。1967年に創作を始めた。影響を受けた作家はFadil Abdurahmanovic、Petko Petkov、Chris Feather。特にAbdurahmanovicとは40年以上も連絡を取り合う関係らしい。これまでの創作数は2500作以上で、主な創作ジャンルはh#、s#、#2、#3。1st Prizeや1st Placeを獲得した回数はなんと180回以上!


さて、ページをめくるとPrefaceがある。色々と重要そうなことが書いてあるが、英語の苦手な私にも分かったのはpin-mateにこだわりを持って作っているということ。Kricheliで言うところのtempoのような、作者の得意技ということだろう。

ようやく作品のページまで来た。ちなみに本書は、H#2、H#3、H#nという3つのPartに分かれているが、Part1:H#2だけでも400作以上ある。もちろん全作を紹介するわけではないのだが、Part1を書き切るだけでも果たしてどれだけの時間がかかるだろうか(笑)


前置きが長くなったので、今回は1作だけ紹介しよう。


1番 

1st Prize Sredba na Solidarnosta 1972 (FIDE ALBUM 1971-73収録作)

画像1

H#2 4solutions

1.Ka4 bxc3 2.Bb3 Sb6#
1.Ka6 b4 2.Bb7 Ra5#
1.Kc4 bxa3 2.Bf7 Bxf7#
1.Kc6 b3 2.Bf3 Bxf3#

黒Kが斜め4箇所に動く、所謂star-flightに加え白Pの4箇所移動(Albino)、さらに黒Bによるextended star-flightという合わせ技。これだけの要素を詰め込んでいながら力の入っていない初形が素晴らしく、名作と思う。それにしても1970年頃に既にこんな密度の濃い4解が作られていたとは、そこから半世紀でヘルプは一体どう成長したのだろうか。


次回以降もお楽しみに。


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