2022年プロパラHコース(98号)
この号では私がヘルプ担当になってから初めて、Michel Caillaudから投稿をいただけました!担当者としてこれ以上の喜びがあるでしょうか?(いや、ない)
というわけで今回は大御所揃い踏みの3作をご堪能ください。
H1340 Fadil Abdurahmanovic作
H#2 4sols
1.Sc8 Re5+ 2.Kf4 Qb4#
1.Sd5 Be5 2.Ke4 Qb1#
1.Kxg6 Rh8 2.Kf7 Qg8#
1.g1=R Bh2 2.Rxg6 Qf4#
e5地点でのGrimshawで2解、RとBが遠移動してQがそれを追いかけるBristolで2解という合計4解です。このような2+2の構成はHOTFと呼ばれており、Chris Featherによって提唱されてから既に30年経つテーマです。
その間にH#2のHOTFは山程作られてきたわけですが、もしかするとGrimshaw+Bristolというのは初めてかもしれません。この作者の若々しさには驚かされます。
H1348 Michel Caillaud作
H#3 2sols
1.c6 c3 2.Bxc3 Bxc6 3.Bd2 Bf3#
1.c5 c4 2.Sxc4 Rexc5 3.Sd2 Rc1#
双方Pの突き方の対比、そして白Pを取った駒でd2をself-block。さすがCaillaudという完璧な作品です。
H1355 Zlatko Mihajiloski作
H#6
1.Qh8! Kc5 2.Ke6 Bh1! 3.Kf5 Kd5 4.Kg4 Ke4 5.Kh3 Kf3 6.Qh4 Bg2#
最後は長編のスペシャリストであるこの人。もちろん2回の鮮烈な最遠移動がテーマです。2...Bh1の意味付けは手順を追えば明らかですね。1.Qh8!は最終的に6.Qh4と指せれば良いので一見非限定のように見えますが、白Kの移動を妨害しない場所はh8しかなく、見事に限定されています。
次はプロパラ99号なのですが、その結果稿が出る101号からはウェブマガジンとして誰でも無料で見られるようになったので、どうやらこの連載を続ける意味は無くなったようです。