航空携帯電話基地局 HAPS の可能性
今後、航空機を使った成層圏周辺まで上昇して、航空機で携帯基地局の電波管理を行なう事業が進めば、登山道や海洋通信のインターネット通信網が広がる。
特に、船舶等の携帯電話の使用において、海上輸送を生業とする内航船の貨物運搬事業に携わる人達にとっては、スターリンクをわざわざ契約しなくても一般のスマートホンで通信できるのは魅力的だろう。
上空20,000mの気温は摂氏 -50℃と低く、高高度を飛行する航空機の内部の温度を摂氏3~20℃前後に保つための工夫が必要になる。
例えば、オイルの攪拌熱を逆利用する仕組みなど、低温の高高度を飛行する航空機では、バッテリー性能が顕著に落ちるので、適正な温度を維持する仕組みを構築する必要性がある。
今後、新しい発電装置やハイブリッドの航空機エンジン・システムが開発されるようになると、高高度でどのように発電するのかの問題が出てくる。
大量のバッテリーを搭載して飛行するのは現実的ではないので、ソフトバンクのHAPSでは、太陽光発電装置が利用されている。
今後、様々な発電装置や熱攪拌装置が開発されて行くと思う。
攪拌層内伝熱など、様々なプロセスで発生する熱の発生原因が、気温の低い北欧や高高度の上空では、逆に暖房機能として利用できる。
真空にも限界があるので、通常は常温の低い工業地帯で起きる油圧部品の過熱原因を逆手に使って、高い高度での凍結や故障を防ぐ手段や発電装置の熱利用に応用できる。
今後、油圧の攪拌熱を使った新しい熱交換のシステムが色々な用途に利用されるようになると思う。
手始めに、航空携帯基地局を増やすことで、通信手段を堅持する事が可能になるので、有事の際の航空機を使った携帯基地局として、将来的に広がっていくと思う。
現在は、バッテリーの関係で3日ほどしか滞空できないものが、今後、10年前後で、最大で1ヵ月以上も空に滞空できるようになると、途上国のインフラ投資の面でも有利に働くようになる。
ロケットのように、一基を打ち上げるのに15億円も最低の費用が掛かる投資よりも、航空機のように、グライダーに関しては3000万~5000万円相当の予算と通信機材で運用が可能になる。
10機以上を飛ばしても人工衛星1基の価格よりも安い。
使い捨ての気球のように、ワイヤーによる係留も不要なので、ヘリウムガスを使う気球よりも運用面でランニングコストが低く抑えられる。
ソフトバンクでは、3機の航空機で対応するみたいだけどね。
発展途上の国々や通信インフラを設置できない高山などの地域では、こうした航空機を使った通信インフラが、今後のトレンドになりそうだよね。