Dr.STONEを大人買いして、最後まで読んでみた
感想から言うと、ストーリー展開にしても、モノづくりの知識も経験もない人が設定した内容だと理解できる。
自身で経験してない事が多いのか、船の燃料にガソリンを使わない理由も恐らく理解してない。
ガソリンというのは、揮発性が高く長期保存ができない。
常に、ガソリンを付け足すことで、ガソリン自体の劣化を防ぐので、自動車などのように、毎日稼働するような乗り物には利用できる。
多くの船舶が利用する A 重油または B 重油は揮発性が低く、長期間の船舶内燃料の保存にも劣化に耐え得る。
文明というのは、進化するほど構造がシンプルな構成になって行くので、複雑な機械工作は必要なくなる。
また、日本を出発地点として材料を集めるにしても、舞台設定とするなら、中国か韓国には身近に鉄鉱石の鉱山が沢山あり、高校生レベルの人間だけを石化から起こすという内容においても、知識の限界が最初から露呈してる。
最後の宇宙船のレベルの部分など、現代の科学でもあり得ない部分が多い。
また、タイムマシーンの話においては、本当に科学が理解できてる人であれば、過去に戻れない事は直ぐに理解できる。
過去を見ることができるのは光だけであり、ビデオと同じで、空間を走る光の伝達速度が見せる過去の映像を見る事だけだと理解してる筈。
原作者のアホさ加減が理解できる。
まず、電波においても短波を利用する事すら理解してない。
AM で使うラジオでなければ、長距離間の通信はできない。
100%とは言わないが、ほぼ 99%以上の確率で短波が宇宙に出て行く事はない。(電離層の条件下で多少の誤差はある)
また、電池においても、日本の資源を持ってすれば、ニッケルとカドミウム電池を作るほうが、亜鉛板と銅板を使ったバッテリーを作るよりも素材を簡単に入手できる。
日本では、カドミウム公害により、イタイイタイ病が社会科で習うほど、日本国内のレアメタルとして、日本海側の地域で採掘できる。
日本の広範で取れる金属として、銅や亜鉛以上に、カドミウムも採掘できる。
ニッケルも日本で採掘可能な資源であり、京都に鉱山が残っている。
東京を舞台にしてる時点で、既にストーリー自体が詰んでる。
鉱物資源を採取できる関西地方を物語の始まりにすれば、無理筋のストーリーでもなかった。
静岡の相良油田よりも千葉県の香取油田の方が、天然ガスも豊富に取れる。
最初に火薬を作るために箱根に行く時点で間違ってる。
短絡的すぎる選択肢しか行ってない。東京から圧倒的に近い千葉方面に向かわずに、箱根を目指すあたりが阿呆としか言いようがない。
また、宇宙飛行士の白夜達が降り立った南の島から抜け出さずに、どうして一生を南の島で過ごしたのか…
無人島という事で、宝島の位置も小笠原諸島であったとしても、宇宙飛行士の試験を受ければ分かるけど、7日間ほどの移動ができたりサバイバルの訓練も受けており、レコードを刻むだけの技術があるなら、一番近くにある日本国本土を目指すのが一般的な考え。
内地に行けば人間は居なくなったとしても、あらゆる物が手に入る。
航空機もあれば、自動車や自転車にリアカーなど、あらゆる物が手に入るのに、原始的な生活を行なうアホは居ないだろう。
この時点で、ストーリー展開の設定ミスがアホほど多い。
病気になって若い順に死んでる事からも考えれば、医療に使う薬の確保や百物語を作るよりも、現代の文字文化を継承して残す方を選択するだろう。
本当に子孫に未来を託すのであれば、その部分から間違いだらけの選択しかしてない。
もし俺が宇宙飛行士であれば、最初に移動する手段を確保して小舟があった訳だから、日本本土を目指す選択をする。
宇宙飛行士であれば、最初に JAXA を目指して、世界中の人工衛星を活用する判断をする筈なんだよね。
そうした判断ができない人は、宇宙飛行士になれないということ。
少なくともGPSは、その後10年近く活用できる筈なので、全滅してでも6人の生き残りであれば、選択肢は一択しかない状況だったりする。
もし、島に残るにしても、その場合は、もっと生き残れない筈。
食料の問題以前に、病気を治す術もない。
ワクチン打ちまくりの現代人が、いきなり何もない生活をすることは無理なんだよね。
文字文化が廃れる事もない。
少なくとも秋葉原などのPCショップ等には部品も数多くあり、無線手段は幾らでも手に入る。
最初の人類が6人になっても、文明が退化する事はない。
一人の女性が4人以上の子供を増やし続けるのであれば、人口は増え続ける。
4人から6人兄弟が一般的だった、戦後の日本を見れば明らかだろう。
通貨の文化的概念がなくなるので、硬化や貴金属類は貴重な資源として扱われ、磁石を使って非金属と鉄の違いを覚えたり、辞書も豊富に残っているので、口伝ではなく文章を書くという文字文化が衰退する事もない。
また、言葉は数年毎に進化するので、今の流行り言葉のように、若者は新しい造語を作り出す。
僅か1300年前の日本の言語が残ってないのに、3700年後の日本の言語など未来の言葉とは、全く違った言葉になってる筈である。
文明の認識も無かったりする。
まず農業を行うという発想もない時点で、人類が6人になった時点で終わってるのが、Dr.STONE のストーリー展開から理解できる。
STONE WOLDになる前に、人類は6人から始まっても知識を得られる日本本土に上陸できれば、動物のプライドのような集団生活を行ないながら人口は増えて行き、2000年を過ぎた時点で、20万人以上の人口に増える。
つまり、小さい都市と同程度の人口が増えて行く。
6~8人兄弟を15歳前後の年齢で結婚して増やして行けば、2000年の歳月があれば、2000万人くらいまでに人口は増えて行く。
15歳前後で婚姻を繰り返せば 246代ほども続くので、その世代が8人兄弟前後の子だくさんで推移すれば、昭和の戦後間もない頃の団塊の世代と同じ程度の人類増加が続き、色々な天才が生まれてくる可能性も残ってる。
原始のストーン・ワールドになる設定自体が大間違いで、全滅するか本土に渡って文明を維持するかに分かれる。
インターネット・サーバーが稼働し続けている間は、多くのデータを残せる。
逆に石上村がない場合であれば、一からの石化復活のストーリーとなるので、こちらの場合は、実際に3700年後の未来を考えれば、ほぼ雪の中に埋まって、平均気温も-15℃ほど下がるので、氷河期に入ってると思われる。
石化復活ストーリー自体が、インドネシア辺りに移るということ。
インドネシア辺りの気候が、今の日本の気候よりも低い温度になってると思われる。
文字もない文化になるまで文明は落ちないと思うけど、作者がアホなのは間違いないので、もう一度、設定をリメイクした内容の二番煎じが作れると思う。
一番現実的なストーリーで近い物を言えば、復活の日(VIRUS)という、小松左京の作品の続編のような内容なら現実的で良いかもね。
核の冬の後の世界を描いた作品の方が、元の人口も大勢いるので、人類復興に関しては現実的なストーリーになると思う。