航空機用エンジンと無人航空機の考え
日本人の多くの人が F-35B 垂直離着陸型戦闘機の護衛艦搭載を騒ぐ日本ですが、日本の航空戦術の考え方は、30年ほど古い考えになります。
日本の護衛艦の殆んどの艦が、垂直発射型のミサイルを搭載できるのに後付けの状態で、ミサイルを搭載してないハリボテに近い事は余り知られてない。
本来、日本が開発する必要性があるのは、Bell V-247 Vigilant のような航空戦術機の開発を行う方が理に適ってる。
この航空戦術機の優れている部分は、回転翼部位にエンジンはなく、機体内にエンジンを搭載してる点です。
ターボシャフトエンジンという、エンジン全体がトランスミッションと一体化したヘリコプター用のタービン・エンジンがあります。
通常の自衛隊のヘリでも、これらのエンジンを2基搭載して2基1軸という形で出力を伝達する方式を取っています。
Bell V‐247 の特徴は、無人機である事とエンジンを機体の胴体内に1基搭載し、二つのプロペラを回して角度を変えて推力を利用する点です。
現在の戦術に必要な考えは、ステルス性や敵を捕捉する能力が最も重要になるので、航空戦術機で敵を攻撃するという能力は、二の次になります。
その為に護衛艦にミサイルを搭載するという考えになってるので、本来は水平線の先にいる敵を捕捉する能力を護衛艦から航空機を利用して知る事が最も重要なミッションになります。
50mの滑走路があれば、小型STOL機でも活用できる。
艦上機の場合、アレスティング・ギア(ワイヤーとフックと減速油圧)を利用するので、機体の構造を強化するのが通常ですが、レシプロ・エンジンの 8.9ℓクラスのエアレース用エンジンなど、高出力エンジンに軽い機体構造と水平翼を利用して翼面積を大きくする事で、滑走距離は20mも不要になる。
自動車と同じで、自重1.5トン 時速50km/hの速度ならブレーキ性能で約25m前後の距離で停止する。(前方風速14mの風圧で浮く)
現在の無人機で使用される小型モーターのトルクは高く、方向舵や昇降舵などの操作もコンパクトなモーターを使って遠隔操縦が可能になってます。
アメリカでは、STOL機のコンテストがあるほど人気の競技で、民間のCraftwork レベルの航空機で、高いSTOL性を持った航空機が作られてる。
「ひゅうが型」護衛艦のような短い滑走路(全長197m中120m以上)でも、ワイヤーなしで発着艦できる。
大きな推力と低速でも飛行できる失速速度が時速 50km/h以下でも浮いてる航空機の概念を理解できると、護衛艦の活用方法が変わってくる。
高度 6,000mで探査できる電波の水平線到達距離が約 276㎞(水平線の角度‐2.48の場合 293㎞)の距離が探知できる距離になる。
レッドブル・エアレースでも使用されているライカミング社製 AEIO-540型エンジンの最大高度が、約6,000m程度の高度まで空気の圧縮が可能。
タービンを電動のコンプレッサーを装着するなど、出力を得る方法は幾らかあるので、おおよそ 5,600~6,000mの高度まで上昇する事は可能です。
戦闘機として利用するのではなく、レーダーを投影する目的の利用であれば、ミサイル搭載型護衛艦の機能を引き出す為には、米軍が使用する E-2C ホークアイのようなレーダーが本来は必要になる。
これを補う方法として、SAR/ISAR レーダー技術を利用する。
海上のような波が動くような捕捉では、ISAR型レーダーを使用し、陸上付近の地面が固定された物体では、SAR型のレーダーを使用します。
シースプレイ7500E V2 レーダーが、現在、MQ-9B シーガーディアンなどに搭載されてる。
MQ-9 B に搭載されるレーダー(機体下部の物体)は、イタリアのレオナルド社製 Saespray 7500E V2 AESA アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーになります。
ある程度の発電能力が必要になるのと機体重量が増すので、エンジンの出力を高める必要性があります。
燃料の搭載量やエンジンは上空に上がれば失速しない程度の速度で飛べば良いのでレシプロエンジンの方が、高度 6,000mくらいまでなら利便性が良い場合もあります。
燃料をケロシン(灯油)で統一するという意味では、タービン・エンジンの方が無難になります。
アメリカには、プラット&ホイットニー社製の航空機用タービン・エンジンやアリソン250~300などのターボ・シャフト&ターボ・プロップ型エンジンもあるので、開発は短期間で済むと思います。
排圧を持たせて排気管の取り回しの長さを変えるだけで、燃費の向上とトルクアップする事も可能。
無人機への改良だけで昔ながらのプロペラ機が、実は最新の戦術機に変わるという事です。
ミサイルの性能と命中率が上がった事やイージス艦のシステムとレーダー技術の発展により、高出力のレーダーを搭載せずにレーダー波を反射させる鏡のような役割を果たせば良いので、用途は考える人の力にもよる部分が大きい。
3機の航空機を飛ばして、それぞれにレーダー波を反射させレーダー波を受けた時の差異をそれぞれの航空機から受け取ったデータで、イソヒヨドリのような小動物から波の高低差まで確認する事が可能になる。
小型化したモノであれば、全体の重量も100kg程度で済むので、人間が搭乗しない分、重量も軽減できる。
ステルス機も補足可能になるということ。
プラスチック素材やフェライト(酸化鉄)塗料を利用して電波吸収材の活用で、レーダー反射を減らすことは出来るので、レーダーの反射角度等により敵のレーダーの捕捉から逃れる方法は存在します。
その中で逸早く敵を発見した方が、戦術的アドバンテージを持つ事が可能になるという事です。
SM-3(スタンダード・ミサイル)や SM-6 などのミサイルや航空機を迎撃する高性能ミサイルがあって機能する戦術ですけどね。
日本の海上自衛隊は、SM-2 と SM‐3 しか保有してないですけどね。
SM-3 でも敵のミサイル攻撃を迎撃したり、航空戦術機を撃墜する能力はあるので問題ないですけど、SM-6 を保有できれば、最大で 370㎞の射程と最大高度 33㎞まで飛翔するので、殆んどの航空機は撃墜されたことも気付かず破壊されます。
ミサイルが空から降ってくる感覚なので、ミサイルを発射した時点で捕捉できなければ、弾頭が切り離された後はレーダーでも追えないので、空から飛んでくる100発中 90%以上のミサイルを迎撃するミサイルなので、捕捉された時点で航空機は撃墜されます。
護衛艦から最初に攻撃する事は無いので、現在は戦争に至りません。
航空機の活用とミサイルの迎撃システムを重視する米軍の戦術の考え方は、防衛の観点で参考になると思います。
日本の防衛装備庁は考えが古いので、ジェット機戦闘機が最強という、中国共産党軍と同じような視点で捉えています。(昔のスペック主義)
何の為のイージス艦なのかを理解してないのが、今の自衛隊の装備から理解できます。
今、装備で欠けてるものは、高高度からの捕捉探知機です。
日本国内から捕捉できても、イージス艦へ直接のデータリンクが完成してない日本の海上自衛隊の装備では、中国共産党軍と物量で戦った場合、不利になる公算があるという事です。
紛争直後の最初の2週間で外交的な交渉が通じなかった場合、日本もそれなりにダメージを負う覚悟が必要になるという事を知らないと、開発は直ぐにできても、実践に投入できる迄に3ヵ月の期間は掛かるので、今の内に早期警戒管制機以外の護衛艦搭載型の航空戦術が欲しいですよね。
F-35 B型戦闘機が、その役割を担うのですが、1回の出撃で人命も失い130億円近い損失を被る戦術は、UAV(無人航空戦術機)が飛ぶ時代では余りにも分が悪い。
利権で利ザヤを稼ぐ政治家や官僚の影響もあるので、本気で国民や国家を守る気がないのが理解できますね。
多くの企業にコンペで安い航空機の設計と飛行能力をテストして、長時間の飛行が可能な航空戦術に活用できる無人機の導入ができれば、日本でも米軍並みの戦術用途が広がるのですけどね。
汎用性の高さでは、ノースロップ・グラマンが開発した Firebird(ファイア・バード)のような無人と有人のどちらでも用途のある航空機が、今後の新しい発想の戦術になると思います。
護衛艦を作っても航空機が万能であれば意味がないし、航空機を導入してもイージス艦の性能に太刀打ちできないのなら戦えません。
無人で安価で運用コストも安く、敵の動きを素早く察知して監視体制を築ける体制が、ウクライナの戦争からも見えてくると思います。
僅か1万円程度紙飛行機(段ボール)の航空機にラジコン・エンジンを搭載して、GPS と AI 航法で自動でバランスを取りながら 200㎞以上も先の敵基地で自爆するドローンの恐ろしさが兵士の士気を下げるのが分かります。
20~30万円程度のラジコンに、2,000円程度の爆薬で10人以上が負傷させられたり、1機 17億円(ロシア価格)以上もする航空機を壊されてる訳なので、如何に安い価格で敵の攻撃能力を封じるかがカギになってます。
電動飛行機で人だけ負傷させれば終わる兵器なので、最強のコスパ戦術です。
日本は、海に囲まれてる分だけマシですけどね。
中国も同じようなカーボンファイバー製のドローン兵器を量産してるので、海上を通過してきたら面倒なんですけどね。
日本が守られてる理由の一つに、潜水艦の存在が大きいと思います。
常に8隻以上の潜水艦が隠密行動を行なっているので、中国の潜水艦が今後も領海内に侵入するようなら撃沈しても良いと思いますけど。
中国もファイア・バードのような航空機で、最近は領空侵犯を行なって航空自衛隊の反応を見ています。
向こうは安価な航空戦術で、日本は F-15 戦闘機や F-2 戦闘機を飛ばしてスクランブル対応してるので、監視体制を見直す時期に来てると思います。
特にファイア・バードなどは、少ない燃料で40時間も空に滞空する能力があるので、監視体制という面で考えれば、実は、ジェット戦闘機がスクランブル時の対応以外に使えない戦術になりつつある事を日本の防衛装備庁は未だに変えてない。
戦争は如何に有効な道具を持っていて、敵を捕捉し威圧することで、監視体制をアピールできるかなので、攻撃能力は低くても損もなく、有効な働きをする道具の方が重宝されるという事です。
その点に気付いた中国が、UAVへと戦術を切り替えてる事に対応できない日本の自衛隊の危うさが、今は浮き彫りになりつつあるので、航空戦術の見直しが必要な時期に来てるという事です。
少なくとも、海上自衛隊の航空戦術は見直すべき。
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