シナリオ、狐火・人魂
僕が幼少の頃、山間にある保育施設の向かいに墓場があった。
その墓場は、大理石の墓ばかりで、卒塔婆は、墓石の裏に置いてある。
子供の頃、夜遅くまで遊んでいると辺りが暗くなると外灯が点くんだけど、何故か、外灯のない墓場まで明るく照らされてるような錯覚を感じていた。
ある日の夕方、夜の帳が降りかけていた時間帯に、懐中電灯か何かを持った人が歩いているのか、墓場で光が動き回ってる。
良く見ると、懐中電灯の光ではなく、松明のような炎のような火が、複数で動いてる。
ずっと見てると、20分近くも、その炎のような火の集まりが、墓場の中を動いていた。
距離が 200m以上あったので、人が居たのかどうかは分からなかったが、当時、懐中電灯がある時代に、夜に墓場に松明を持って集まる儀式があったのだろうか?
直ぐそばには、外灯があり、普通に民家も存在してる。
不思議に思い、母親に、裏の山の墓場に火の玉が動いてる事を告げると、母と親戚の伯母さんが出て来て、「あら、本当だ」「火の玉が動いてる」と言って、大人達が騒ぎ出した。
後日、昨日墓場で松明を持っている人が居なかったか、町内会の人達が連絡事項を申し送りしたところ、誰も火を持って入った人は居なかったらしい。
しかも、赤い炎だけではなく、青白い炎もあったんだよね。
祖母が僕らに、夕方遅くまで遊ばないように注意をして、誰かが墓場に居たんじゃないかと疑っていた。
数日経って、また同じように火の玉らしいきものが現れた。
親戚のヨウスケの父親が出て来て、家に入るように言われた。
ヨウスケのオヤジが墓場まで確認しに行くと、火の玉は消えていたらしい。
今では、ある気象条件が整うと、イオン化現象が発生して球電などが起きることが有名です。
当時、複数回の球電を目撃してるので、大人たちも含め多くの人達が、その人魂を見ています。
僕は、その当時、墓場に人魂が出てるので、「耳なし芳一」の話でも有名な琵琶法師の平家物語のような幽霊を思い描いていた。
だけど大人になるにつれ、大槻義彦早稲田大学客員教授が言ってた話を聞いて、プラズマ現象だったのかと納得したけど…
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