紺碧の艦隊という、第二次大戦をドイツと日本が勝って戦うというマンガ

日本やドイツが、どうして戦争に負けたのかを理解してない人の発想。

日本もドイツも物量と燃料と資源の問題により戦争に負けてる。

また、日本の冶金やきんレベルの低さが、当時は理解されていない。

日本の冶金やきんレベルが飛躍的に向上したのは、戦後の本田技研などのピストンリングとシールド・ベアリングの技術向上によって、機械開発の競争があって初めて為されてる。

まだ、メッサーシュミット Me163に使用された、エチル・アルコールと液体酸素を推進剤として活用した、ロケットエンジンを使用する戦闘機もろくにモノに出来てない時代の話。

超大型の飛行艇を三胴体船の機体で繋いで、20,000㎞を飛行するという発想がバカげてる。

技術的に進んでいたドイツでも、イギリスの技術には実際に追いついてなかったし、イギリスもアブロランカスター爆撃機を7,377機製造し、5,000機を超える数の爆撃機が撃墜されている。

爆撃機の乗員の死者数も5万人を超える乗員が死亡してる。

双方に被害が出ている。

イギリスは、戦争ルールを無視して、無差別爆撃を行なったことを爆撃機のパイロット達が明かしてる。

無差別爆撃の後、墜落した爆撃機から全身火傷でドイツ人に救助され、自分達が爆撃したドイツ国内の病院で手当てを受け助かった事を戦後のインタビューで明かしてる。

空想の世界と現実世界の出来事は、別の出来事なんだよね。

どちらにも言い分があって、もし、広島と長崎に原爆が落ちてなければ、延々と戦争が続いて、もっと多くの犠牲者が出ただろうし、結果的に敗戦を経験する事で、日本は国家としても充分な工業力を得る事ができた。

もし、延々と戦争が続き、今の北朝鮮のような状態であったなら、我々も未だに軍国主義で食糧難に陥ってるかも知れない。

それに、元日本軍の将校の多くは、キチガイに近い輩が多く、敗戦後も右翼団体を作って「鬼畜英米をやっつけろ!」とのたまってるようなアホが大勢いた。

そいつらの指揮により、数百万人が死んだにも関わらずだよ。

しかも勝てる戦線において援軍を送らずに多くの兵士を無駄死にさせたり、自分の主義主張を通して、作戦の失敗を部下の所為せいにし、戦争犯罪人なのに C 旧戦犯扱いで罪から逃れたり…

そのような輩が居なければ、戦況が悪くなることもなかっただろうし、陸軍の多くは、アホな玉砕主義者の脳足りん達によって負けたということ。

ある意味、狂ってる連中に統率された軍の司令部により自滅したのが、本当の姿だという事を理解してない。

少なくとも日本軍の兵器廠へいきしょうに関する技術の共有や学問の共有など、冶金やきんレベルの理解できる人間が一人でも軍のトップに居たなら、もっと優れた技術を日本軍は有効に使う事ができた。

その最も重要なアイテムとなった八木・宇田川アンテナの技術が、シンガポールのイギリス軍を占拠するまで、八木アンテナの事さえ理解していなかった日本軍のトップ達。

捕虜となったイギリス軍の無線士官を尋問して、日本人の特許が米国と英国でレーダー技術に応用されている事を戦争中期になり知ることになる。

しかも、日本の大学の研究者や軍から相手にもされなかった技術が、実は世界で最も進んだ技術だった事を日本の学術研究者から軍の兵器廠のトップまで誰も理解していなかった。

現代戦が、通信手段による情報戦だという事を理解するのに、戦争中期に入って初めて気付いた日本という国が、天才レベルの科学者の考えを理解できない脳足りんの集まりなのに、戦争に勝つとか日本に天才が居れば戦局が変わったかも知れないというのは、妄想に近い事が理解できる。

戦争に、負けるべくして負けたんだよ。

それは、根性論で無意味に戦死者を出して、多くの国民を疲弊させ、国民全体を軍事政権が掌握しようとした侍魂という虚構が作ったもの。

さむらいという言葉を美化してるけど、実際は、狂った狂人達が徳川幕府に代わって政権を奪取しただけの、ただの地位争いだっただけの話。

維新がもたらしたものは、文明開化でも何でもなく、ただの西洋文化への憧れであり、工業力を手に入れたにせよ、侍中心の軍国主義に傾いただけの話なんだよ。

徳川幕府の末期に、最初の徳川家康の理念を理解できてる人達が政権を動かしていれば、アホな世の中にはなってなかったと思うけどね。

世襲制は、必ずほころびが生まれるという典型。

大戦中期には、ドイツ軍など既にホーミング魚雷の開発にも成功してる。

もし、ドイツが英国との戦争に米軍が参加せずに勝っていたとして、日本がドイツと戦争する事があったとしても、ドイツから技術供与を受けていた日本がドイツと戦争できる距離にないだろう。

ドイツは、ソ連軍の地上部隊にも敗れてる。

ソ連は、日ソ不可侵条約によって日本が条約を守っていた事により、ドイツに勝利してる。

もし、日本がドイツと連携し、先にソ連を攻撃していれば、ソ連は負けてただろうしね。

そうなっていれば、戦局は変わってたかもね。

でも、そうはならなかった訳だし、ドイツはソ連に負けて、事実上の敗戦に陥っている。

日本に至っても、もし、冶金技術がドイツと同じレベルに追い付いていたのなら、まだ戦局は明るかったと思う。

液冷エンジンを開発できなかった事やベアリングなどの焼き付きと、金属の摩耗を理解できない人達がマシンガンさえも作れなかった。

本土防空用の対空砲は機能していたし、レーダーもある程度は機能していたにも拘らず、東京が空襲を受けたのは、アホな陸軍の士官達の私腹を肥やす為の地位争いなどが原因にある。

つまり、その程度の将校が統率してる部隊が、国が一丸いちがんとなって戦うと言ってる時に、周りを見ずに仲間を見殺しにして、自分の位置を確保する為にライバルを蹴落とすような醜悪な争いをしてた訳だから、本土を攻められたアメリカが必死に日本潰しに来てる時に、戦況も分かってなかったということ。

そんな将校がクーデター紛いの内紛を起こしてる訳だから、負けて当たり前の状況だった。

南方戦線を失えば負けると分かっているのに、南方の島国を失ったことが、アルミの原料のボーキサイトを失う事に繋がった。

インドネシア戦線を失う事で石油も失った。

海の通商を断たれたことで、補給まで断たれた。

アメリカ側はきちんと作戦を立てて攻略してるのに、日本軍は、これらを理解してる軍の上層部が陸軍と海軍で対立していた。

負けて当然なんだよ。

敵はアメリカや連合軍ではなく、旧侍と旧藩士同士のいさかいが原因であり、軍の統率が取れてなかった事や予算の取り合いと、正しい戦局を見誤った事が直接の敗因だったということ。

つまり、紺碧の艦隊のようなことは、一人の天才科学者が現れたとしても、最も重要な冶金技術の職人レベルの加工技術が向上しない限り、起こり得ないということ。


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