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大学生と化粧

 今日久しぶり美容院に行った。そこで出してもらった雑誌の中にあった『美的』を読んだらメイク特集が結構面白かったので、帰りに買った。
 化粧品のサンプルもついていたので、またぼちぼち使ってみる予定。

 現在、ファッション誌は特集や付録が良いときに時々買うのだけれど、初めてファッション誌を買ったのは大学生のときだった。
 中高のときは漫画雑誌は買ったが、ファッション誌は買わなかった。ちなみに漫画雑誌も、小中は「なかよし」を愛読していたが、高校からは「LaLa」を読むようになって、なんとなく成長した気になっていた。
 少年漫画も読んだけど、単行本派だった。

 さて、ファッション誌に話を戻すと。

 私がファッション誌を買った動機は、大学デビュー……というか、大学で浮かないためであった。

 入学式を終えてチュートリアル期間に周囲の女子大生を見ると、まあ東京の皆さんはオシャレで……お化粧もばっちりしているのがデフォルトだった。しかも、「今年はそういうのが流行してるんですかね」とわかるレベルで、みんな共通の何かを取り入れたファッションをしていた。

 「あなたたちそういうのどこで覚えたの!!」

 そう思ったとき思い当たったのが、ファッション誌である。

「ははぁん?なるほど参考書だな」と納得した私。まだ勉強脳である。

 一人暮らししていた家の近くに本屋があったので、大学生が読んでそうなやつを購入。
 最初に買ったのは「Spring」だった気がする。その後しばらくして、アジアンの馬場園さんがモデルをしているのが気になって「steady」に変えた。

 「Spring」は、着回しダイアリーを見ると実際は大学生より社会人向けな気もしたが、ナチュラル系のファッションが載っていて取っ付きやすかった。春号ではメイクやヘアスタイルも載っていて、参考になった。

 参考にはなったが……紙面で化粧の仕方を見るのと、実際に道具を揃えて顔に塗ったり描いたりするのは別問題である。
 母がこっちにいるうちに聞いとけばよかったな……と後悔した。そんなに早く化粧することになるとは思わなかったのだ。いや、もちろん別にしなくてもいいんだけど、私としては少なくともいつでも出来る程度に覚えておきたかったのである。実際にするかしないかは置いておいて、「化粧する」選択肢が欲しかったのだ。コマンド開設だ。

 とりあえず、私は敏感肌で刺激が強いものは避けたかったので、肌に優しくて大学生でも買いやすいお値段のORBISにお世話になることにした。ORBISは広告が雑誌に載っていて、ついでに行きやすい場所に店が入っていたのである。

 ORBISのお姉さんに、大学に入ったので、基礎化粧品と、シンプルな化粧品が欲しい旨を伝えて一緒に選んでもらった。
 その際、「お化粧したことないので、使い方も教えて貰えますか?」と聞いたら、鏡台で丁寧にレクチャーして貰えた。今思い返しても、これが良かった。
 きらきらした空間でお姉さんに言い出すのはちょっと勇気がいるけど、やっぱりプロに教えてもらったほうがいい。もちろん、習って直ぐに実践できる訳では無いが、こういう完成図を頭においてやればいいというの‎が具体的にわかる。

 そういえばうちの母も寝る前には化粧水と乳液で毎日マッサージなどしてたなと思い返したりして。毎日のケアのためか、母は肌のハリやツヤがよかったのである。

 難しかったのは、シャドーとアイライン。
 ハイライトはささっとT字+顎にのせる感じですぐ出来たが、シャドーは濃く塗りすぎるとデーモン小暮閣下みたいになっちゃうので……。色が濃く出過ぎてたら、なじませたり、上に軽くファンデーションを置いたりと試行錯誤した。
 それからアイライン。初心者は直しが簡単だから、ということで、最初はペンシルタイプから始めた。確かにペンシルタイプは直すのが楽で、目の際を埋めるように置いていく感じだし、ちょっと失敗しても、ティッシュですぐ取れた。(メイク落としの方が確実)
 しかし!
 
私は、知っていた。雑誌に載っているモデルさんの多くはガッツリ描いていることを。それから周りの子たちもガッツリ描いている子が多かったのであった。それは筆ペンのようなタイプ。あれは色が濃いし、筆のようになっているので、手が震えるとぶれる。それでも、やっぱりアレでくっきりラインを引きたくて、思い切って買った。確か、少しでも落ちやすいように、お湯で落とせるタイプのやつを。
 大学生のときも、通学中、たまに電車で化粧している人も見かけたが、その行為の是非はさておき、細かく揺れる電車の中、筆ペン式のアイライナーで、何事もないような顔で引いているのを見てちょっと感心したものだった。部屋で座ってもミスるのに、なんでブレないんだ……と。
 コツコツと練習した成果あって、今ではほぼミスらずに引ける……と思う。でもたまにミスる。でも、メイク落としシートの端っこでちょちょいと撫でれば落ちるので、直しは思ったより簡単だった。
 上級者になるとペンシルタイプと筆ペンタイプで用途も使い分けてそうだけど、私は練習して使えるようになった筆ペン式アイライナーが今でも好きだ。

 大学生当時の化粧方法と、アラサーの化粧方法、肌や生活が変わっているので、たぶん、ベストなやり方は違っているはずである。
 もう少し余裕ができたら、またメイク講座に行ってみたいものだなあと思う。
 メイクすることに否定的な人もいるし、実際私もめんどくさくて必要なときにしかやらないのが多いけど、やっぱり化粧すると顔の印象が華やかになったり、顔色が良くなったりするので、こう、テンションが上がる。誰に見せない日も化粧したい日もあるし。

 大学生になりたてのあの頃のように、自分の選択肢……コマンドとして、化粧スキルは習得しておきたいと思う。今が化粧スキル1なら、スキルレベル上げって感じだ。ゲーム脳である。

 いや、化粧はゲームに近い気もしてきた。
 私がアイラインの技術を修業して習得したように、洗顔から始まってクレンジング……いや、寝る前の保湿に至るまで、それぞれスキルレベルがあるのだ。
 そのスキルを組み合わせることによって仕上がりの完成度が変わる!みたいな感じかもしれない。この場合の完成度は、人から見た感想じゃなくて、自分の好みに近いかどうかの完成度だと思って欲しい。
 他人からの評価がどうでもよいわけではないが、やっぱり自分の顔なんだし、自分の好きな顔、理想の顔に近づけたいからね。最初は化粧品店でやってもらった顔を目指して、それからオリジナリティを出す感じ。

 ヴィジュアル系のバンドマンでもYouTubeで化粧動画を上げている人がいらっしゃるが、男子もどんどんスキンケアしたり、化粧すればいいのになと思う。
 好きな顔に近づけるの楽しいし、先に言ったように化粧の研究はちょっとゲームっぽいから。

 でもやっぱり、最初から一人で全部やるのって事前情報も説明書もなしで初見ゲームを始めるようなところがあるので、もう少しとっかかりのハードルが低い方が悩む人も少なくなるんじゃないかなと思う。
 義務教育では早いんだろうけど(肌的な意味で)、高校卒業前とか大学入学前あたりで化粧講座をやってくれるといいよなあと思う。就活前は、合同就活イベント系で化粧品会社が就活メイク講座を開いていることもあるので(私が就活してる時は何度か見かけた)、興味がある人や知りたい人はチェックしておくといいのかも。

 私は、大学や会社に行く時はブラウン系のアイメイクとオレンジ系のチーク、コーラルピンクのリップで落ち着いた印象になるようにしていたが、休みの日や友達と会うときはブルーやパープルの寒色系アイメイクに明るめのチークと、ピンク!という感じのピンク(色の語彙の無さ……)のリップを使ったりする。
 なんというか、TPOも勿論考えているのだが、会社や学校に合わせてそうせざるを得ないというよりは、私もその方が落ち着くと思うっていう感覚でオンオフ切り替えているので、あまりマイナスの印象はない。遊ぶときは少し派手な方が楽しいし、華やかっていう感じ。

 ぐだぐだと書いてきたが、化粧について総じて言うとするなら、化粧覚えるのもするのも、正直めんどくさい。でも楽しい!
 マスクがあると、リップはしないかもしれないのが残念だけど、これから春だし、髪もメイクもばっちり決めてお散歩したいものである。
 

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皐月あやめ
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