主婦にとってのビッグカップル誕生ニュースの存在意義

5月末ごろ、ガッキーと星野源の結婚が話題になった。結婚発表の日は日本中がおめでたいムードに包まれていたと思う。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の話がそのまま現実にシフトしてきたのかと驚いた。それまで特に思い入れもない芸能人たちの結婚なのに、おめでたくて私まで嬉しくなった。

それで一つ気が付いたことがある。どうして有名人の結婚をわざわざニュースにするのか。これと言って関わりのない人たちの結婚を知ってどうするのか疑問だったし、そっとしておけばいいとそれまでは思っていた。

だけど、ほぼルーティンをこなすばかりの日常を送っている、私のような主婦には他人の結婚と言えども感情を動かす祭りになるのだ。

この一年半近く、新型コロナの影響でちょっとしたイベントすらもなくなっている。淡々と日常をこなすうちにたまってしまった小さな不満たちを解消する機会がない。新しい刺激がなく働きが悪くなっている脳に活力を与えたりリセットさせたりする機会もない。

その中で例のビッグカップル誕生は、私にとってその場にいながらの、ちょっとした祭りになった。ドラマから現実にシフトしてきたカップルにちょっと混乱し、星野源は深夜ラジオで下ネタを発していてもおかしくないものの、清潔感のある二人の結婚に尊さを感じた。ガッキーロスになるほどのファンの皆さんには気の毒に思うけど、私にはちょうどいい脳の刺激になった。ぼんやり過ごしていた私にはありがたい出来事だった。

芸能人の結婚だの離婚だの、そんなの知ってどうするんだ、もっと他に目を向けるべきことがあるだろう、というご意見があるのもよくわかる。だけど、一見どうでもよさそうなそんな話も、思っている以上に意味ある役割を担っていたりするものなのだ。