ホームシック
翔んだはずなのに、翔べていない。
そんな気分の日中。
地元なら好きなカフェとか心落ち着かせる場所をたくさん知ってる。
でも、新天地のことは何も知らない。
何処へ行くにもマップを使って、知らない景色を歩いている。
家以外は落ち着けない。常に脈が早い感覚。
仕事をしていないせいもあるだろう。
まだ気力が湧いてこない。
そのくせ、昼間1人になると自分はなんて無力なんだと勝手に惨めになる。
誰も悪くないのに。
波の音聞きたいな、とか、このカフェ行って読書したいなって思っても、海なんて車で2時間の距離だし、慣れていないカフェだから読書をしていても落ち着けない。
私の唯一の居場所が彼の胸の中。
安心感が増すし、肩に寄かかるだけで満たされる。
早く帰ってこないかなって。
連絡が無いとやっぱり拗ねそうになる。
私ひとりぼっちなのに、彼は職場という居場所があり私以外にも気軽に話せる人がいる。
そんな彼を羨ましいって思ってしまう。
その都度、自分は嫌な女だなぁって。
勝手に不貞腐れて、構ってもらわないと寂しくて。
2人で住んでいるのに、1人きりは慣れていたはずなのに。
私はどこかで弱くなってしまったのか。
行く前のワクワクと決心が揺れそうになるのも事実。
人と関わる上で、共有できる過去の話題があると落ち着くけど、私は過去を話せる人が一人もいない。
これから作っていくんだろうけど、学生時代の昔話に花咲かせる時間はもう増えることはないだろう。
彼を支えたいし楽にしてあげたいって気持ちが1番。
だけど、私自身の感情が追いつけないのも事実。
彼よりも4年も長く生きているのに、彼を頼ってばかりの毎日。
地元にいた時の自我が強かった私はどこへ行った?
翔んだなずなのに、自ら蚊帳の中に入り込んでしまった毎日。