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6月5日

 つい最近、小学生対象の大きなテストが実施された。前より点数があがった、100点を超えた、やばかった、悲惨だったなどなど、自己採点をした小学生からはいろいろな声があがる。喜ぶ子どもがいれば、結果にショックを子どももいる。
 私はこのテストを小学生のころ受けたことがなく、講師になってはじめてこのテストの存在を知った。実際に解いてみて、世の中の小学生はこんな複雑で難しい問題を考えているんだな~と感心した。しかし、このテストが受験した子どもたちの将来にどう関わるのか、私にはわからない。


 会社にマラソン部なるものがあって、入部して地域のマラソン大会に出るようになった。昨年の4月に、はじめて10kmにチャレンジして、この2年間で10kmを4回、5kmを2回走った。周りからは「10km走ったの・・・?」と驚かれる。運動できそうな見た目でないし、中学高校も文化部に所属していたから、驚かれるのは当然である。最初にマラソンを誘った会社の人も「冗談のつもりだった」と、後に話していた。一応、大学生のころから、運動不足解消のためにジョギングはしていたのだが。


 これまで、全くマラソンと縁がなかったわけではない。小学4、5年生の2年間だけ陸上部に所属していた。入部のきっかけは単純で、2つ上の兄が入部していたためである。
 地域の駅伝やマラソン大会に参加する機会が数回だけあった。しかし、その間、地域のマラソン大会で入賞するとか選抜のメンバーになるとか、そのような活躍は全くなかった。幸い、学校のマラソン大会では入賞できたが、私は当時、「自分は足が速い」という自信はなかった。兄妹の中でも一番足が遅かった。練習も疲れるから辛かった。強いて言うなら、「自分はとりあえず走ることができる」という、自信まではいかない「事実」が私にはあった。


 子どものころの経験は思いがけないところでつながってくる。子どものころの私は、まさか自分がマラソン大会で楽しく10kmを走るようになるとは思っていなかっただろう。会社の人からの誘い(冗談)と過去の自分が作った「事実」が、私に新しいチャレンジをする機会をつくってくれた。
 テストの結果が良かった子どもも、結果がふるわずショックを受けた子どもも、「小学生のときにあのテストを受験した」「普段使わない頭を使った」という経験が、人生のどこかで思いがけずつながるのかもしれない。陸上をやめてからたった10年で、マラソンにチャレンジするようになったのだから。

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