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口は閉じよう 旅行のカバン

この火曜日に、ベトナムにコカイン1.5kgを持ち込もうとした外国人が、死刑判決を受けたそうです。

自分には全く関係のない話?
本当にそうでしょうか。

そんなことないよ、という記事がネット上にはいくつもあるし、テレビの再現ドラマなんかでも放映されてることがあるので、ご存知の方もいるかもですが、今一度、「ちぇり」を知る人にリマインド。


覚せい剤の持ち込みは重罪

そんなの当たり前じゃないですか、という声が聞こえてきそうです。でも、私もそうだったのですが、「日本人の覚せい剤を他国に持ち込む」ということに関する意識は、ちょっと甘いんじゃないかと感じてます。

例えば覚せい剤所持や使用をした芸能人が、数年で社会に復帰している様子を見続けてるので、罰せられはするだろうけど、そのくらいの罪だろう、と思ってる節があるような。

東南アジアの一部の国では、麻薬に絡んで捕えられると、数年の懲役刑ではすみません。死刑になることすらあります。冒頭の記事がまさにそれに該当しますし、これまでに日本人が麻薬持ち込みにより死刑になった例も。

そんなの知ってる。
でも自分は、そんなものに縁もゆかりもないから関係ないわと思った方。それが無関係でいられなくなることが起こるかもしれないんです。



パターン1:他人の荷物は預からない

人から預かったものが実は覚せい剤で、知らずに運び屋にされてしまった、というケースがあり得ます。知らない人からの預かるなんて論外です。が、検査所前で、こんなことを言う人に遭遇。

「すみませんっ、突然で申し訳ないのですが、これ、出口で待ってる私の友達に渡してもらえませんか?私、具合悪くてどこかでちょっと休みたくて…でもこれ、仕事ですっごく急いでるんですっ」

彼女は真っ青で冷や汗をかき、逼迫した事態を醸しています。すがるような表情、そして身分を示す名刺もくれた(もちろんフェイク)。荷物を受け取ってから出口までは、ほんの数十メートルの距離。そんな時、あなたならどうします?

そもそもそういう輩は、NOと言える人には声をかけません。彼らの嗅覚って本当に鋭敏。この手の話を持ちかけられてる時点で、(こいつカモれる)と思われていると判断しましょう。でも、このパターンを知らないと…

「大丈夫ですか?!わかりました、相手はなんという方ですか?」

なんてことになる。
笑い事ではありません。あなたが間抜け、と言ってるわけじゃないんです。彼らの巧みさを強調してます。

彼らの巧みな話術と誘導は善意の人の人知を超える。褒めるわけではないけれど、こと彼らの「目的遂行のための能力」に関しては、こちらの想像など及ばないと考えるべし。

特に人の良いことが多い日本人は、ターゲットにされやすい気が。卑下するわけじゃないけれど、こんな図々しい私だって、事例を知らなきゃ、うっかり「お願い」を受けてたかもしれません。そこに彼らの話術が乗れば、「善い人」を操るなんてお手のもの。

このケースは経験ないけど、その他の手口に引っかかった時に、ちぇりさんは心得た。奴らのトリックは並みじゃない。だって彼らはプロなんです。それで生計を立てている。

あなたを「その気に」させるなんて簡単なこと。彼らにとって「ただの善い人」は、悪事を遂行するための道具。名人が、使える道具を選ぶことに長けているのは道理ですよね。使えない道具には見向きもしないものなんです。

でもこちらが、「こういうパターンがあるのだな」と知っていれば、もしかしたら、「あ、これってこないだ言ってたやつだ…」と、思いとどまれるかもしれません。

旅先で、挨拶も交わさず貝のように黙っていろ、とは言いません。そこは快適に、お互い気分良く過ごしましょう。要は「加減」が必要なのです。どこで会話の線を引くか。距離を保つか。こう言う場面で起こりやすい犯罪事例をできるだけしり、「あーはいはい、あなたのケースは手口2番ねー、お疲れちゃん!」と言えるようにしておくのです。

利用される善い人ではなく、敬意を得られる(この場合は声をかけられにくい)振る舞いを、知見を持って心がけましょう、という話。



パターン2:知ってる人に荷物を頼まれたらその場で確認

海外に住んでいたり、海外の知り合いを訪ねて行く場合、知人やそのご家族から荷物を預かったり預けたりするケースがあったりしませんか?

身近な人の頼みなら、そりゃぁもちろん引き受けますよね。私だってお願いすることがありました。しかしそれって、よほどでないと、すべきではないと、自分的には思っています。

人の荷物を預かるということ。特に厳重包装で中身を確認できない場合、預かる側にしてみれば、それは「リスク」だからです。リスクであるのに、中途半端に親しい仲だと、中身を確認するのは疑うようで気が引けたりもしてしまう。そこで気持ちに「負担」もかけてしまう。

なので、中途半端な知り合いには自分からは頼まない。どうしても、というときは、その場で中身を開示して、相手がそれが何か認識してからお願いします。

反対に頼まれた時も、その場で確認させてもらう。
感じ悪い、と思いますか?

私はそうは思いません。
相手、そして相手との関係を信頼するからこそ、確認させてもらうのです。そんなことをしたら疑ってると思われるんじゃないかなぁ、という遠慮が生じる関係の方が、信頼とは遠いものに思えます。

そもそもお願いすること自体が相手にとっては負担である、という概念があったらば、確認したいといわれて煩わしいなんて思わないはず。文字通り、「親しき仲にも礼儀あり」。

親しい間柄だからこそ確認しましょう、荷物の中身。遠慮のしどころ間違えるのは、とても賢くない振る舞いだと思います。大人であること、賢くあること、相手への敬意の定義はしっかり持ちましょう。


パターン3:侵入を防ぐ


パターン1&2は、自分が何かを託されたことを自覚しているケースですが、自覚のないケースがあります。

どういうこと?
それは、知らない間に荷物の中に、ブツを紛れこまされるケース。

スーツケースはいつもロックしてますか?
ファスナー式のカバンでロックがないときは、南京錠を使うとか、結束バンドを使うとか、何か対策をとっていますか?

だって預け荷物はかなりの時間、自分の目の届かないところに行ってしまう。絶対に誰も触らない、誰も荷物を開かないという保証がどこにある?

手荷物だって油断ならない。
残念なことに空港で、自分の荷物から完全に目を離している日本の方、少なくないです。なんだったら自分が座ってる席に置き去りにして、用事を済ませにいったりしてます。ラウンジ内でもどうかと思うが、あろうことか、ゲート前の待合席でやっちゃってる人すら見受けます。

この場合、ものを盗られてしまう心配をされる方は多いでしょうが、入れられる心配もした方が良い。むしろ、あらぬものを入れられた方が被害が大きい。盗られたものは金や時間でなんとかなるが、入れられたことで生じる被害は、もしかしたら「命」かもしれない。それを思うと、荷物を置き去りにして動くのが、どんなに怖いことかをわかってもらえると思う。

加えてブツをどんな鞄の中に入れたのか、どんな人間がそのカバンを持ち運んでるのか、スマホが日用品の昨今、簡単に的確にリアルタイムで味方へ連絡することができます。そしてそもそも危機感ゆるい人を狙ってるのだから、ブツの回収なんて造作もないこと。

空港の外に出てくるまでに見つかってしまうなら?
荷物を入れられた人が捕まって、自覚すらない濡れ衣を着せられるだけ。犯罪の中心人物はスタコラさっさ。「私こんなの知りません!」と声を枯らして叫んだって、そんなもん警察が逃すわけがない。ましてや日本語で叫んだって無駄ですよー。現地の言葉でないとですねー。それでも解放はされんだろうが。

麻薬持ち込みが極刑に値する国で、言葉も自由にならぬまま囚われの身になったたとしたら、身の潔白は困難至極。日本でだって、そんなことになったとしたら中々困難。それが見知らぬ外国で、となったらそれは至難の技。

ものを盗られない対策をされてる方は多いと思うが、物を入れられない対策も、いや、むしろそちらに注力をすれば、盗られる確率も減るだろうから一石二鳥。

残念ながら、世界の全ては善意でできていないのです。
あなたの命や人生を、虫1匹ほどにも思わぬ人が存在し得るのです。

疑ってばかりはいたくはないけれど、性善説だけで行動するには、あまりにリスクが大きすぎる場面。犯罪は、加害者が悪いのだけど、事実としてそういうことをする人間が存在すると知る限りは、対策も必要。

その対策に必要なコストは「荷物に鍵をかけること」。
それでも完璧とは言えません。が、つけ入る側の目線になれば、鍵をしてあるカバンより、鍵をしてない鞄の方が「やりやすい」はず。そもそも防犯意識がないですよー、と言ってるようなものなので、カバンを見れば持ち主のコントロールも「やりやすい」と判断される。それが「鍵をかけること」で多少なりとも回避できるなら、安いもんじゃないですか。鍵をかける、荷物から目を離さないようにする手間なんて。



この街を好きになってもらうために


冒頭の、ベトナムで死刑判決を受けた人が、意図的にやっていたのか誰かに騙されたのか、知らぬうちに陥れられたのかは知りませんが、今現在、私が出入国を多数回している国で起こったこと。

そして私は多くの日本の方にホーチミンに遊びに来て欲しい、と願っています。そして遊びに来てくれた方には、少しでも楽しんでって欲しいです。できればまた遊びに来て欲しいですし、好きになって欲しいです。

そのためには、悪意の人の犠牲にならず、安全に確実に入国をして欲しいのです。たくさん美味しいものを食べて、買い物をして楽しんで、無事に日本に帰って行って欲しいのです。

その為に必要なコストの一つ、
「荷物にはものを入れられない工夫と気配り」


できれば惜しまず、かけてください。そして楽しい思い出を作って行って欲しいです。自戒も込めて、今一度のリマインド。ベトナムに限らず、どこに旅に出かけるにしても、お気をつけて!!

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ちぇり の Love & Live in ホーチミン!!
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